デジタルツインを実現するCAEの真価
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» 2020年05月19日 13時00分 公開

メカ設計用語辞典:連成解析

メカ設計者のための用語辞典。今回は「連成解析」について解説する。

[小林由美,MONOist]

連成解析

 「連成解析」とは、さまざまな現象の解析(場)を複合させ、それらの相互作用について計算していくこと。英語では「Co-Simulation」「Coupled Solution」「Multiphysics Simulation」と呼ばれる。現実世界の現象は、複数の要因が複合されたものである。複数の現象を考慮できるため、単独で行う解析よりも結果を実現象に近づけることが可能である。航空機や自動車設計においては連成解析の事例がよく見られる。

 連成解析は、場の相互作用の強さ(数理モデルの扱い方)に応じて、「強連成」「弱連成」と表現する。1つのマトリクス(支配方程式)を用いて複数場を解析する場合は強連成となる。弱連成は支配方程式を個別に解いて、タイムステップごとにそれぞれの結果を取りまとめて計算する。強連成の方が計算精度が高くなる一方で計算負荷が多くなる。

 連成解析で扱われる分野の種類は、以下の通り多岐にわたる。

  • 構造
  • 機構
  • 流体
  • 熱電動
  • 電磁場
  • 制御システム
  • 振動/騒音(NVH)
  • 樹脂流動

 製造業の開発事例の中でよく聞く連成解析としては、熱応力解析、電磁場熱連成がある。連成解析に、さらに複数のパラメータを適用して計算する最適化解析を複合させる場合もある。

 連成解析は、「シーケンシャル連成」「ダイレクト連成」があり、さらに細分化できるとされている(参考:サイバネットシステム)。

 単に複数種類の解析プログラム(ソフトウェア)を行き来するだけの解析は、連成解析ではなく「連携解析」と呼ばれる。

 計算が複雑かつ膨大となる連成解析は、解析技術の中でも難易度が高く、解析技術者であってもその扱いには高度な知識を要するとされてきた。CAEソフトウェア側では、連成解析のハードルを下げるための取り組みもなされている。

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