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» 2020年05月21日 10時00分 公開

オンラインセミナーレポート:製造業のオープン化とリモート化、CADDiが提案するwithコロナ時代の新戦略 (2/4)

[八木沢篤,MONOist]

製造業のオープン化とリモート化

 その解決策とは、1つは「製造業のオープン化」、もう1つは「製造業のリモート化」だ。

withコロナ時代の2つの経営戦略 withコロナ時代の2つの経営戦略 ※出典:キャディ [クリックで拡大]

戦略1:製造業のオープン化

 まず、製造業のオープン化の実現には、(1)調達・販売の集散両立化、(2)製造のセミファブレス化、(3)設計のDFM(Design For Manufacturing:製造容易製設計)志向が欠かせないという。

 中でも「調達」の集散両立化は極めて重要だとし、「好景気であれば、通常調達先を絞って集約化して調達コストを下げる方向に動き、災害時などは調達先を分散化することで調達リスクを下げる方向にシフトしていく。しかし、今回のCOVID-19のような長期的パンデミック、定常的な災害時においては、集約化によるコスト削減と、分散化によるリスク低減を両取りするような戦略が求められる。これをわれわれは『集散両立化』と呼んでいる」(加藤氏)。

オープン化:調達の集散両立化について オープン化:調達の集散両立化について ※出典:キャディ [クリックで拡大]

 だが、現実には調達先を3社から5社に増やして分散化を図ると、それぞれの調達先のコストダウンがしづらくなり、両立が難しくなってしまう。その解決策として、加藤氏は「調達先をサプライヤー単位ではなく、サプライヤーの装置単位に小さくできないか。例えば、加工の工程ごとに集約をしていくなどだ。実質的にサプライヤーの中で集約化によりコストメリットが出せる状態を作り、実は発注先は5社である、といった分散状態が作れないか。そういった視点で両立化の道を検討する必要がある。われわれが提供する『CADDi』は、まさに集散両立化を実現するプラットフォームとして機能するので、こういったプラットフォームを活用するという考え方もある」と述べる。

 「販売」の集散両立化についても基本的には「調達」と同じで、プラットフォームを活用することで、販売コストを抑えながら、分散化による販売リスク低減が可能だが、自社工場(生産)ではどうか。

オープン化:製造のセミファブレス化 オープン化:製造のセミファブレス化について ※出典:キャディ [クリックで拡大]

 そこで、加藤氏が提案するのが「製造のセミファブレス化」だ。「大手製造業を除き、自社工場の分散化は容易なことではない。これまで、ファブレスや完全自社生産のいずれかの道しかなかったが、今後はこれらのハイブリッド型であるセミファブレス化(自社+2〜3社のOEMメーカーでの生産)がどんどん生まれてくる、生まれる必要があると考えている。これが実現できれば、非常時に万一自社工場が停止しても、生産活動が継続できる。さらに、好景気の際、大量の注文が発生しても実質的に生産のキャパシティを広げることができるため、売上アップにもつなげられる」(加藤氏)。

 一方、こうした考え方に対して「自社の製造技術が他社に流出してしまうのでは?」という懸念の声も当然あるわけだが、そうした声に対して加藤氏は「その製造技術そのものが本当に自社のコアコンピタンスなのか。それ自体がこれから先、5〜10年の競争優位につながるものなのか。あらためて考える必要があると思う」と考えを述べた。

オープン化:設計のDFM志向 オープン化:設計のDFM志向について ※出典:キャディ [クリックで拡大]

 さらに、製造業のオープン化に欠かせない要素が、設計のDFM志向だ。端的にいうと、加工の難易度を意識して設計できているかを指すものだ。もともと図面には曖昧さが付き物で、設計意図が一意に定まらなかったり、作りづらい加工だったりするものもある。また、何十年も前の図面に追記を重ねた図面を基に、既存サプライヤーが「よしなに作る」ということが、当たり前のように行われてきた。そのため、新規サプライヤーだと初見で同一部品を作ることが難しく、すり合わせ工数がどうしても増大してしまう傾向にあった。

 「これからの設計はそうではなく、設計の時点でどれだけ加工しやすいかまで考慮し、どのサプライヤーでも理解できる、加工できる明瞭さが求められる。そういう設計を始めからしておけば、非常時において、新規サプライヤーに急きょ加工を依頼しても、ほぼ初見で同一品質の部品が手に入る。こうした部分もCADDiで支援する枠組みを用意している」(加藤氏)

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