匂いデータを用いてアルコール度数を推定、可視化する実証実験を開始組み込み開発ニュース

吉乃川、旭化成、NIMSなどは、清酒の製造工程における匂いのデータを分析し、清酒事業者の業務軽減や清酒の品質向上に取り組む。第1弾として、匂いデータを用いてアルコール度数を推定、可視化する実証実験を開始する。

» 2020年05月21日 11時00分 公開
[MONOist]

 吉乃川、旭化成、物質・材料研究機構(NIMS)、東日本電信電話(NTT東日本)新潟支店は2020年4月21日、清酒の製造工程における匂いのデータを分析、活用することで、清酒事業者の業務の軽減や清酒の品質向上に取り組むと発表した。第1弾として、製造工程における匂いデータを用いてアルコール度数を推定、可視化する実証実験を開始する。

 アルコール度数は、清酒事業者にとって日々の重要な測定項目である一方で、測定作業には数時間を要する。そこで今回、清酒が発する匂いをデータ化することで、瞬時にアルコール度数を測定して遠隔で確認できるシステムを立ち上げる実証実験を開始することとなった。

 旭化成とNIMSは、匂いをデータ化するMSS(膜型表面応力センサー)を用いた嗅覚IoT(モノのインターネット)センサーを開発して実証実験を進めており、NTT東日本は地域の企業や団体にICT(情報通信技術)を用いたソリューションを提案している。一方で吉乃川は、清酒の発酵工程を効率的かつ衛生的に行う方法を模索しており、今回各社が連携して取り組みを実施することとなった。

キャプション タンク上部に設置した匂いセンサー 出典:物質・材料研究機構

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