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» 2020年06月02日 13時00分 公開

MONOist/EE Times Japan/EDN Japan読者調査:新型コロナ影響が2カ月で拡大、在宅勤務やコミュニケーションに課題も (2/3)

[齊藤由希,MONOist]

影響は部品調達だけでなく、営業や製造にも

 「影響が出ている」と答えた回答者に影響が出ていると感じる部門を複数回答可で尋ねたところ、「部材調達」が51.8%、「営業・販売」が51.3%、「製造」が50.4%となった。前回の調査でも「部材調達」が53.7%とトップだったが、「営業・販売」は42.6%、「製造」は36.8%だった。

 COVID-19の影響は2020年1月末から2月にかけて中国やアジアで広がり始め、同年3〜4月には欧米でも感染が拡大。これに合わせて各地で都市封鎖や外出禁止、移動の制限などが実施され、工場への出勤や販売店の稼働、消費者の外出、全てがままならない状態となった。

 中国のように4月の時点で生産拠点の操業を開始し、新車市場が前年同期を上回るほど回復した例もあるが、企業の業績が急速に悪化して失業者も増えており、需要がどのように戻るか見通しは不透明だ。感染拡大に備えた生活習慣の変化を受けて、ニーズが大きく変わる業種もある。5月には欧米でも生産を再開する企業が増えてきたものの、部材調達だけでなく、製造から営業・販売まで影響が広がっている傾向を示す結果となった。

 また、「影響が出ている」と答えた回答者に、平常時と比べた影響の大きさも聞いた。平常時を100としたときに「50〜75」に悪化したという回答者が最も多く37.5%、次いで「75〜100」が36.6%となった。さらに大きなマイナスの影響が出ている「30〜50」も13.8%に上る。前回の調査では「75〜100」とした回答が50.7%、「50〜75」が30.1%、「30〜50」が6.6%だったことを考えると、今回の調査結果は全体として「30〜50」「50〜75」に悪化したという回答の比率が高まった格好だ。

平常時を100とした時の影響の大きさ(クリックして拡大) 出典:MONOist、EE Times Japan、EDN Japan編集部

収束まで長期戦を見込む回答が増加、期待高まるテレワーク

 自社の環境において、COVID-19の影響が収束する時期の見通しを尋ねたところ、前回の調査では「半年程度」の回答が30.5%で最も多かったが、今回は「1年程度」が31.8%で最多となった(「半年程度」は18.2%)。また、前回の調査では「2〜3年程度」は2.6%にとどまったが、今回の結果では24.4%となり、影響の長期化を予想する回答者が増えた。

COVID-19の影響が収束する時期の見通し(クリックして拡大) 出典:MONOist、EE Times Japan、EDN Japan編集部

 COVID-19の影響に対して実施中もしくは実施予定の対応策を複数回答可で尋ねたところ、「コラボレーションツール(テレワーク)の活用」を挙げた回答が64.9%に上り、前回調査の46.3%よりも大幅に増えた。この他にも前回の調査から比率が上がった項目が複数あった。「生産の削減」が30.3%(前回調査では16.3%)、「開発品種の絞り込み・延期」が24.7%(同12.1%)、「BCPの見直し」が24.4%(同11.1%)となった。

 COVID-19への対策として期待するツールや技術を複数回答可で尋ねると、「テレワークシステム」を挙げた回答者が70.8%、「遠隔会議システム」が64.2%、「CAD仮想化(仮想デスクトップ、VDI)」が23.6%、「eラーニングシステム」が20.7%に上った。いずれも前回の調査と比べて比率が高くなった。4月に緊急事態宣言が発出されたことを受けて、感染拡大防止のための在宅勤務や移動の自粛が広がったことが背景にあると考えられる。在宅勤務を一時的な取り組みにせず、継続して実施する方針の企業も多いため、今後もこうしたツールへの関心は高まりそうだ。

COVID-19への対策として期待するツールや技術(クリックして拡大) 出典:MONOist、EE Times Japan、EDN Japan編集部

 また、生産現場でも感染拡大を防ぐ取り組みが求められていることを反映してか、COVID-19対策として期待するツールに「ロボット(工場省人化)」挙げる回答も20.3%となった。感染拡大防止だけでなく、生産の効率化を進めてコストを抑えることで、厳しい市場環境に備えようとする向きもあるかもしれない。

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