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» 2020年07月01日 10時00分 公開

スマートファクトリー:スマート工場に必須のエッジコンピューティング、支えるサーバに必要な5つの要件

製造業のスマート工場化への取り組みが加速しているが、その中で注目度が高まっているのが製造現場で生まれる膨大なデータの近くでデータを処理・分析するエッジコンピューティングである。しかし、エッジコンピューティングを活用するためには何が必要で、どういうことを考えなければならないのだろうか。

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 製造業のデジタル化に向けた取り組みが加速している。その中でもいち早く広がりを見せるのがIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などのデジタル技術を製造現場に取り込み、データ活用による生産性や品質向上を実現するスマート工場化である。

スマート工場化への取り組みが本格化

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 日本の製造現場では従来、QC活動など人の活動を中心とした改善活動が進められ、世界最高水準のモノづくりを実現していた。しかし、人口減少による労働力不足や熟練技術者の引退や高齢化で、十分な人材が得られない状況が生まれており、「人」を基軸とした生産性や品質の向上が難しい状況が生まれている。また、工場のグローバル化や、製造製品そのものの複雑化により、人の力だけで生産性を高めることに限界が見えつつある。

 こうした状況の中、製造業のデジタル化への取り組みは活発化している。米国のテクノロジー業界の調査会社である451 Researchが行った調査によると製造現場のデバイスからIoTデータを取得しているとした回答は複数項目で60%を超えており、多くのデータの取得が進んでいる状況が見て取れる。

photo エッジでのIoTデータの収集状況(クリックで拡大)出典:451 Research

スマート工場化を支えるエッジコンピューティング

 実際、製造現場で得られるデータ量は大幅に増えている。例えば、監視カメラでベルトコンベヤーに流れてくる不良品を監視し、AIで不良品の選別を行う場合、毎日数十テラバイトのデータを扱う必要に迫られる。ただ、これらのデータをどう扱い、成果につなげていくかが現在の大きな課題だ。工場で爆発的に増えるデータの扱いとしては、クラウドを活用することが必須だとする議論も以前はあったが、製造情報などの外部に出せない機密情報などが含まれる点や、低遅延かつリアルタイム性が要求されるデータ処理などもあるため、通信を経由するクラウドだけでは十分な価値が得られないことが明らかになってきた。そこで、データの発生源および活用の場に近いところで情報処理を行う「エッジコンピューティング」の重要性に注目が集まってきた。

photo Dell Technologies インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部&プランニング部 部長 渡辺浩二氏

 Dell Technologiesでサーバ製品を担当するインフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部&プランニング部 部長の渡辺浩二氏によれば、エッジコンピューティングによる利点は「リアルタイム処理」「コストメリット」「セキュリティ対策」の3つだという。データの発生源に近いところで情報処理を行うことで、制御や分析などリアルタイム性が要求されるような処理を行うことが可能になる他、一時的にデータを処理し必要なデータだけを選別してクラウドに送ることも可能だ。同様に、情報保護の観点から外部に出してもよいデータだけを選別して送るようなこともできる。また、エッジコンピューティングとオンプレミスのみのコンピューティングとの違いは、エッジコンピューティングでは全てのデータをオンプレミスで処理するわけではないという点である。エッジ側でやれることと、クラウドに送って実行するものを分けることによって、それぞれのメリットを最大限に生かすことができるのである。

 エッジコンピューティングにもいくつかの階層があり、製造装置や機器に組み込んだり外付けしたりするようなものから、これらの情報を収集するマイクロデータセンターのような“ニアエッジコンピューティング”と呼べる形態もある。ただ、いずれも工場の中で使用するもので、クラウドによる中央集権型の情報処理ではなく、分散型情報処理による利点を発揮できることが特徴となっている。

photo 76%の製造業はエッジ、またはニアエッジで情報の処理を行っている(クリックで拡大)出典:451 Research

 一方で、これらのエッジコンピューティング環境に適切なテクノロジーを選択して実装することは簡単ではない。工場では、温度が大きく変動し、スペースが限られており、IT機器は工場の床からの衝撃や振動、極端な温度、ほこりやちりなどの異物にさらされる可能性がある。さらに、アクセス困難な場所にあるデバイスにワイヤレスでサービスを提供し、また、サイバー攻撃やランサムウェアからデータを保護するという課題にも直面している。

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 そのため、従来は工場の中で使用されるFA機器は専用装置で構成され、設備の一部として導入されるケースが多かった。しかし、エッジ領域で取り扱う情報量が急速に増え、システム間のネットワーク連携のニーズが高まる中、工場の監視制御システムが、上記のエッジ環境の課題を克服しつつ、より柔軟性の高い汎用サーバベースのシステムで置き換える流れが生まれてきている。また、従来は決まったデータを収集するだけだったが、IoTセンサーや監視カメラが収集した画像や映像データなどさまざまなデータを収集し、エッジ側でAIを使い分析を行うシステムが求められるようになってきた。

 例えば、製造ラインのセンサーから収集したデータを使用して、生産量の増加がベルトコンベヤーの基本的な動作に影響を与えるポイントを特定し、商品の流れがそのしきい値を超えないように制御したり、ビデオ監視データを使用して、工場内のモノと人の動きのパターンを調査し、機械学習モデルを適用して機械と人の動きをより効率的にするようにプロセスを改善したりすることが可能になってきた。また、メンテナンスや修理用途として、機械学習モデルを使用して、センサーから得たデータで、モーターが過熱の危険にさらされていることを感知し、モーターの故障が発生するタイミングを予測し、モーターが故障する前に、検査のための保守作業員を呼び出すサービスコールを行うようなこともできるようになってきている。

 こうした中で、エッジコンピューティングのさまざまな課題に対応できるサーバとして存在感を高め、多くの工場や大規模プラントなどで導入が広がっているのが、Dell Technologiesが展開する「PowerEdge」サーバである。

photo エッジコンピューティングを支えるDell Technologiesの「PowerEdge」サーバ(クリックで拡大)出典:Dell Technologies

エッジコンピューティング用途のサーバに求められる5つの要件

 Dell Technologiesの渡辺氏によれば、「PowerEdge」がエッジコンピューティング用途のサーバとして受け入れられている要因としては、主に5つの理由があるという。

 1つ目は、過酷なエッジ環境向けに耐えられるように設計されていることである。エッジコンピューティング用途の「PowerEdge XE2420サーバ」は、換気が悪く高温になりがちでほこりの多い工場環境に耐えられるように、5〜40℃と動作温度耐性の範囲が広く、防塵フィルター付きベゼルも装着可能である。また、狭い工場内で設置できるよう、2Uで奥行きが56.3cmという小型フォームファクターを採用している。保守の負担軽減を図るために、I/Oや電源に本体前面からアクセスできる機構など、各所の設計に工夫をこらしていることも特徴だ。

photo 「PowerEdge XE2420サーバ」と防塵フィルター付きベゼル(クリックで拡大)出典:Dell Technologies

 2つ目は、エッジでの高度な分析や機械学習のニーズを実現するのに十分な性能と、生成された膨大なデータに対応できる大容量ストレージを搭載できることだ。前述の「PowerEdge X2420サーバ」は、エッジ環境でのさまざまなアプリケーション用途に合わせてさまざまな構成が可能である。機械学習用途として、最新のNVIDIA Tesla V100S GPUなら最大2基、NVIDIA Tesla T4だと最大4基のGPUを搭載できる。また、コンパクトで優れた熱設計効率を持つ「Ruler」フォームファクターである「EDSFF(Enterprise & Datacenter SSD Form Factor)」にも対応し、最大92TBのストレージ容量を持つように構成することも可能だ。

photo 各ワークロードに応じた「PowerEdge XE2420サーバ」の構成パターン(クリックで拡大)出典:Dell Technologies

 3つ目が「セキュリティ」だ。工場にとっての製造データは機密情報であるのでセキュリティ対策は欠かせない。「PowerEdge」サーバでは、BIOSレベルでの悪意ある変更や意図しない変更からシステムを保護する「System Lockdown」や、BIOSが意図しない変更を受けた時に、元のイメージに自動的に戻す「BIOS Recovery」機能などを備えており、サーバレベルでのさまざまなセキュリティ機能を備えている。

 4つ目は「サポート力」である。Dell Technologiesでは、川崎にあるグローバルコマンドセンター、宮崎カスタマーセンターなどを含め、国内で約500人の正社員によるサポートを行っているが、標準のサービスメニューから「ProSupport Plus」サービスを選択すれば、製造業などで求められる専任サポート担当者(テクノロジー サービス マネージャ、TSM)の配置も可能だ。また、多くのサーバベンダーがサーバのサポート期間を最長5年としている中、Dell Technologiesでは最長7年のサポート期間を通常のサポートメニューの中からオプションとして選択できる。

 さらに、産業用システムの中には、オープンなソフトを使用してシステム構築を行うケースなども多く存在するが、Dell Technologiesでは多くのオープンソースのコンソーシアムや団体に出席し、上流から問題なく使える設計を行っている特徴もある。例えば、エッジIoT コンピューティングの相互運用性を目指すオープンプロジェクト「EdgeX Foundry」などにも、多くのエンジニアが参加する。こうした、製品ライフサイクルの上流から下流まで一貫したサポートを行える点も評価を得ている点だという。

 5つ目は「グローバル対応」である。製造業のグローバル化が進む中で、“地産地消”などの考えも広がっており、工場の海外展開も進んでいる。こうした中、工場で使用されるエッジコンピューティング用途のサーバにも、グローバル対応が求められるようになっている。

 Dell Technologiesの「PowerEdge」サーバにはサービスタグというタグがあり、その情報を使ったサービス提供が可能だ。例えば、日本で購入し利用していた製品をドイツに移動する場合も、タグ情報の移管手続きを行い、ドイツですぐに日本と同様のサービスが受けられる。国ごとに新たなサポートサービスを新規購入する必要がないというわけである。こうしたグローバルでもシームレスに活用できるサービスを提供するハードウェアベンダーは少なく、そこが「PowerEdge」サーバが受け入れられた理由の1つになっているという。

 また中国への輸出対応でも充実した対応ができる点も強みだ。Dell Technologiesでは、中国で幅広くビジネスを展開している強みを生かし、CCC(中国強制製品認証制度)など、中国でビジネスを展開するのに必要な認証系のサポートを行っている。日本から機器を輸出し現地に持ち込む場合や、現地で購入する場合でも、一貫して「PowerEdge」サーバの管理ツールとサービスを提供できる点などもポイントとなっている。

 導入事例も豊富だ。航空宇宙事業やビルおよび産業向け電子制御システムや自動化機器を提供する米国のHoneywell Process Solutionsで「PowerEdge」サーバを導入している他、国内でもビル・工場用機器の計測機器メーカーや、医療・衛星画像システムサービス事業者、放射線治療用医療機器メーカー、歯科向けの組み込み装置メーカーなど、多種多様な産業用システムで「PowerEdge」サーバの採用が進んでいる。

photo ビルや工場などさまざまな産業用システムで「PowerEdge」サーバの採用が進む 出典:Dell Technologies

エッジコンピューティングのパートナーに

 製造業においてスマート工場化は既に既定路線となっており、その中でエッジコンピューティングは1つの大きなポイントとなっている。ただ、製造現場などでは、そのエッジコンピューティングを実際に実現するサーバについてはあまり考えてこられなかった状況がある。ここまで見てきたようにエッジコンピューティング用途のサーバに求められる要件などをしっかり考えなければ、スマート工場を進める中で思わぬところで足を取られる可能性がある。こうしたことを回避するためには、エッジコンピューティング用途のサーバについてしっかり検討していく必要がある。その場合、エッジコンピューティングに最適な豊富なハードウェアやサポートを用意するDell Technologiesは有力なパートナーになってくれることだろう。

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提供:Dell Technologies
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2020年7月31日