特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2020年06月25日 08時00分 公開

LiveWorx 20 Virtual:DXを実現し成果を挙げる設計・生産部門、そのカギを握るPTCのテクノロジー (2/2)

[池谷翼,MONOist]
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IoTプラットフォームで工場移転せずにコスト効率改善

 レン氏は生産部門におけるDXの取り組みを紹介した。事例として取り上げたのは自動車のブレーキなど精密加工部品製造を手掛けるVCSTだ。

 同社の課題はベルギーにあった生産施設における生産コストの高止まりにあった。「残されていた選択肢は、工場のコスト効率を大胆に高めるか、さもなければ工場を閉鎖するかの2択しかなかった。その中で、担当者はデジタル変革を通じて工場設備の生産効率を高めるという方針を選択したのだ」(レン氏)。

自動車向け精密加工部品製造を手掛けるVCST[クリックして拡大]出典:PTC

 そこでVCSTの担当者はPTCの産業用IoTプラットフォーム「ThingWorx」を導入して、設備や製品をはじめとする各種アセットの状態と工場の設備効率をすぐに確認できる仕組みづくりを行った。また迅速な保守点検が必要な工場内設備を可視化するとともに、ERPからスペアパーツを照合する機能も開発した。これらの取り組みを通じて、工場全体のコスト効率性を改善することに成功したという。

 またVCSTは「顧客からの苦情ゼロ」を目標とした品質改善にも取り組んでいた。顧客からクレームを受けると、問題解決のために多くのリソースを割かなければならなくなり、これもコスト増加の要因になる。このためThingWorxで工場内設備の状態を計測し、製品ライフサイクル管理(PLM)ソリューションである「Windchill」で情報を分析することで正確な品質管理を実現するなど工夫を行った。

産業用IoTプラットフォーム「ThingWorx」とPLMソリューションの「Windchill」[クリックして拡大]出典:PTC 産業用IoTプラットフォーム「ThingWorx」とPLMソリューションの「Windchill」[クリックして拡大]出典:PTC

 「VCSTの担当者はスマート工場化の取り組みをCOVID-19の影響下でも遅らせることなく、むしろ加速させた。さらにVCSTは現在、生産工程のDXにとどまらず、従業員とデバイス、機械、顧客の全要素をシステムやスマートアプリケーションへと接続し、統合化する試みも進めている。実現すればコスト削減だけでなく、高品質化の達成にもつながるだろう」(レン氏)

 企業のDXを支援するPTCの今後の取り組みについて、レン氏は「COVID-19の影響を受けてはいるが、当社は決して立ち止まらない。今後も変わらず新製品のリリースと製品の修正アップデートを進めていく。当社の顧客が事業継続性を高め、成功できるような道筋を提供していくつもりだ」と語った。

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