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» 2020年06月25日 10時00分 公開

セミナーレポート:製造業の働き方改革と現場の課題解決は両立できる、カギは「3Dデータ活用」

働き方改革や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する緊急事態宣言の発出により、働き方を巡る状況にかつてない変化が訪れている。オートデスクとデルはオンラインセミナーを開催し、この時代において効率化を推進しながら、よりクリエイティブに働くための処方箋を示した。

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 わが国では2019年から働き方改革関連法案が段階的に施行されている。また、2020年4月には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対策で緊急事態宣言が発出され、自宅での業務を余儀なくされる人が増加した。その一方で、このような状況を前向きに捉え、従来の枠に縛られない新たな働き方を模索する企業も次々と現れている。

 こういった状況を踏まえ、設計者向けに幅広いソリューションを提供するSB C&Sは、オンラインセミナー「『設計業務効率化 8つのヒント』など、製造現場の課題に向き合う 60分でわかる『今知るべき、製造業の働き方改革』」を2020年6月12日に開催した。

世界で進むニーズの多様化と働く環境の変化

 オートデスク 技術営業本部 シニアテクニカルセールススペシャリストの清水元氏は「Autodeskが語る製造の未来と実現できるテレワーク」のタイトルで講演し、昨今の製造業の課題に対して、さまざまな工程を通じて効果を発揮する3Dデータによる解決策を提案した。

 世界的にみると、人口増加に伴い必要な資源や工業製品も増加している。だが高度なスキルを持つ熟練技能者は減少しているという現実がある。一方で、製品のニーズは多様化しており、マスカスタマイゼーションの流れは確実だ。また、3DプリンタやIoT(モノのインターネット)技術の活用は、製品に新たな価値を付与しつつある。

 製品を作る環境も大きく変わろうとしている。「従来より行われてきた物理的なプロセスが、ニーズにきめ細かく素早く応えるための障害になってきた。だが、そういった足かせはどんどんなくなるのではないか」と清水氏は指摘する。

減らないムダな作業

 オートデスクは長年にわたり、顧客の各部署に対してヒアリングを行い、現場にある課題を調査してきた。そこから分かるのは、部署によって認識している課題が大きく異なるということだ(図1)。

各部門によって悩みは異なる 出典:オートデスク

 経営陣が指摘するのは、新規ビジネスの創出や設計における標準化、ノウハウ継承などに関する課題である。一方、設計部門での悩みは、単純ミスの削減が最も多く、データが整理されておらず、人に聞かなければ分からないことが多いという点だ。解析に関する課題もある。営業部門の場合は、社内の情報連携や見積もりの精度、原価管理などを課題に挙げる。そして、生産部門では、部品表の精度の低さや、組み立てができないこと、製作手順が不明といった課題が発生している。

 部門ごとに課題が異なれば、対処法もバラバラなように思える。だがオートデスクでは、全ての部門の課題を聞きアドバイスしている。その際、重視しているのが、「データの流れ」である。データの流れを軸に、全てのワークフローがスムーズに流れるよう提案することが、効率化にとって大切だと考えているからだ。オートデスクは多くの課題を解決する方法として、3Dの導入によって可能になる8つの設計業務効率化のヒントを提案した(図2)。

設計業務効率化のヒント 出典:オートデスク

 ここ数年間、製造業における労働時間はほとんど減っていない。設計部門を例に挙げると、データの修正のために週に24時間以上費やしている人が14%、週に4時間以上を費やしている設計者が49%というデータがある。製造業で働く人が減少し、利益率の低下も課題とされる中、ムダな作業を極力減らすことは、避けては通れない。

 3Dの導入で最も取り組みやすく、効果も大きいのが干渉チェックだという。実は、製造業向け3D CAD「Inventor」は2Dデータも扱える。2D図面だけでの干渉チェックも不可能ではないが、Inventor上では気になる箇所をクリックすると、その部分だけ3D化することができる。干渉チェックを行えば問題点を早期に発見できるため、手戻りの時間を少なくできる。

 3Dモデルであれば形状が一目で分かるため、設計意図が伝わりやすく、設計者以外に対してもデータを介することで意思疎通が容易になる。設計だけでなく工場のレイアウトの検討といったことにも応用可能だ。さらにモデルを3D化すれば、各種の解析も可能になる。金属疲労といった、実験に非常に時間がかかり、製品の機能の良しあしに直結する試験に対しても、とくに解析は有効だ。3D活用は、部門を超えて課題解決に貢献するといえる。

可能な部分から3D活用を進めていくことができる 出典:オートデスク

他社と差別化できる設計を

 また、清水氏がぜひ使ってほしいと語ったのが、自動化の機能である。自動設計は、形状は同じだがバリエーションがほしいといったときに力を発揮する。作れるサイズを指定しておき、バリエーションにないものを入力するとNGを出すといったことが可能だ。実際の仕事におけるルールを保存しておけるため、工数削減とともにミスをなくすのにも役立つ。さらに自動化を使いこなすことで、これまで以上に意味のある仕事に時間を割くことが可能になる。

 清水氏は、「新規の仕事を取っていこうとする場面では、ジェネレーティブデザインが有効だ」と語った。ジェネレーティブデザインはクラウド上のAI(人工知能)を活用し、必要強度を確保した上で軽量化するための形状を多数提案する。3Dプリンタだけでなく、レーザーカッターや切削、鋳物など製造方法も加味することができる。軽くて強いということは、他社と差別化する有効なアドバンテージとなる。

 ベテランのノウハウをデジタル化し、蓄積できるのも3D化あってのことだ。InventorにはCAM機能もあるため、ベテランの作成した切削加工のパスをデータとして保存できる。加工順序や送りの速度、工具の選び方などがノウハウとして記録されるため、新人はどのように削っていくかを学習、シミュレーションすることができる。

 ここまで紹介した機能は、「Autodesk Product Design & Manufacturing Collection」のワンパッケージに全て入っている(図4)。設計や生産、営業までどの部門でも活用できる場面があるはずだ。

オートデスク製造業向けコレクション 出典:オートデスク

場所にとらわれない新たなワークスタイル

 オートデスクの製品において「テレワークができる環境はすでに整っている」と清水氏はいう。まずシングルユーザーサブスクリプションの登録ユーザーであれば、1ライセンスで3台までのPCにソフトウェアをインストール可能だ。自宅や外出先でも会社と同じ環境で利用できる。

 離れていても複数でコラボレーションできる機能も充実している。自社のクラウドストレージアプリ「Autodesk Drive」に加えて外部のクラウドストレージサービスとも連携しており、タブレット端末やスマートフォンなどワークステーション以外のデバイスや、離れた場所にいる取引先と最新のデータをシームレスにやりとりすることができる。閲覧できるメンバーをコントロールできるため、セキュリティ面も安心だ。また、Inventorでは、3Dモデルや設計データを共有ビューで見ながら共同作業ができる。図面や3Dモデルのビューイングだけでなく、断面を切ったり、分解したり、注釈を入れたりといった作業ができ、やりとりの履歴も残せる。

最小最薄WSをはじめテレワーク向けが充実

 デルはワークステーションのシリーズ「Dell Precision」について、最小・最薄のミッドレンジ製品を中心にモバイルワークステーションを豊富に取りそろえている。テレワークに適した周辺機器なども充実している。デル クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアントテクノロジストの村上朝久氏は、「世界で最も選ばれているDellワークステーションのご紹介」と題して、そのラインアップや搭載されている最新技術などについて語った。

 デルは20年以上にわたりワークステーション市場をけん引しており、ワークステーションのシェアは世界でトップクラスを誇る。用途に合わせたラインアップも豊富だ。それだけでなく顧客満足度も非常に高い。それは正社員やエンジニアによるテクニカルサポートの充実度からもうかがうことができる。またDell Precisionシリーズの特徴として、業務用のソフトウェアは事前に動作を確認、保証しているのも強みだ。もちろんオートデスクのInventorやAutoCADなど各種ソフトウェアも動作確認済みである。

 現在のモバイルワークステーションは飛躍的に性能が向上しており、現行製品「Dell Precision 5540」では、重量は1.78kg、サイズは厚さ11.48〜16.82mmを実現しており、過去のベストセラー機種「Dell Precision M4800」と比較すると、GPU性能は5.5倍以上、重さは3分の2、厚さは半分以下となった。ワークステーションのモバイル性がぐっと高まったといえる。現在、グローバルでは市場の50%がモバイルワークステーションを選んでいる。今後、日本でもモバイルワークステーションへの移行が加速しそうだ。

 さらに、ワークステーションのパフォーマンスをチューニングする「Dell Precision Optimizer」によって、使用するソフトウェアに合わせて性能を最適化することも可能だ。「Dell Precision 7920 Tower」において、Inventorの場合、チューニング後は出荷時設定の状態よりもパフォーマンスが88%もアップした。また、対応していないソフトウェアや自社開発のアプリであっても、AI技術をベースとしたパフォーマンスチューニングが可能である。使用状況をAIに学習させることで、自動で最適なチューニングを行う。この内容はプロファイルとして保存し、他のマシンに配布、適用することも可能だ。

 モバイルワークでは、ディスプレイモニターの良しあしも生産性を左右する。デルはディスプレイでも世界トップクラスのシェアを誇り、設計業務に向いた2画面用やワイド製品なども取りそろえる。また、モバイルワークに必要な各種の周辺機器も充実している。必要最低限の入出力端子のみを備える薄型モバイルワークステーションで活躍するモバイルアダプターは、6種類の端子と接続できる。Web会議やオンラインセミナーなどに欠かせないヘッドセットも用意される。デルでは「ワークステーションから周辺機器まで豊富なラインアップで、企業の多種多様な業務形態をサポートしていきたい」(村上氏)という。

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アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2020年7月22日