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新型iPad ProのLiDARを活用した3Dスキャンアプリ、課金なしでもフル機能3Dスキャナーニュース

プロノハーツは、Appleが2020年3月に発売した新型「iPad Pro」のLiDARスキャナを活用し、対象物のメッシュ情報を取得してファイル出力できる3Dスキャンアプリ「pronoMeshScan」を、App Storeにて提供開始した。

» 2020年06月29日 06時30分 公開
[八木沢篤MONOist]

 プロノハーツは2020年6月25日、アップル(Apple)が同年3月に発売した新型「iPad Pro」のLiDAR(ライダー)スキャナを活用し、対象物のメッシュ情報を取得してファイル出力できる3Dスキャンアプリ「pronoMeshScan」を、App Storeにて提供開始したことを発表した。

スキャンアプリ「pronoMeshScan」 3Dスキャンアプリ「pronoMeshScan」のアイコン ※出典:プロノハーツ [クリックで拡大]

 pronoMeshScanは、iPad Proに搭載されているLiDARスキャナを用いることにより、対象物のメッシュ情報を取得できる。アプリ上で取得したメッシュ情報のプレビュー表示や、glTF(glb)形式でのファイル出力にも対応する。出力したglTF形式のファイルは、一般的な3D CADやCGツールにインポートして利用できる他、同社のVRシステム「pronoDR 3.0」に取り込んで、VR空間で表示することも可能だ。

 3Dスキャンの需要は、製造業だけでなく、建設業や土木、測量、さらには個人ユースまで幅広い。従来3Dスキャンを行うには高額な装置が必要であったが、LiDARスキャナを搭載するiPad Proの登場により、導入障壁が下がった。こうした背景から、同社はiPad ProのLiDARスキャナを活用した3Dスキャンとその応用に関する研究を始め、pronoMeshScanの開発に至った。

「課金なし」でも全機能利用可能、ただしポリゴン数の制限あり

 pronoMeshScanの使用方法は次の通りだ。アプリを起動後、対象物にiPad Proをかざしてスキャンを行う。対象物の画像の上には、取得できたメッシュがオーバーラップ表示される。また、スキャン途中のメッシュ情報だけを表示することも可能だ。スキャンしたデータは、glTF(glb)形式で書き出せる。

スキャン中の画面スキャンデータのプレビュー表示 (左)スキャン中の画面/(右)スキャンデータのプレビュー表示 ※出典:プロノハーツ [クリックで拡大]

 また、保存したスキャンデータをファイル名一覧から選択して、ビュワーで再度表示したり、「iCloud」などを介して他のデバイスなどにコピーしたりすることもできる。例えば、pronoDR 3.0にスキャンデータ(glTF)をインポートすることで、VR空間での形状確認や計測なども行えるという。

VRシステム「pronoDR 3.0」にインポートして利用可能 VRシステム「pronoDR 3.0」にインポートして利用可能 ※出典:プロノハーツ [クリックで拡大]

 pronoMeshScanは、App Storeから入手可能だ。課金なしの場合、取得できるポリゴンの最大数が約1万点に制限されるが、全機能利用可能でファイル出力にも対応する。課金(370円)することでポリゴン数の制限を解除できる。同社は、月間100本のダウンロード数を見込む。

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