新型コロナの消毒作業を自動化、オムロンが“足”を提供へ産業用ロボット

オムロンは2020年6月26日、紫外線(UVC)光照射器を搭載した除菌ロボットを開発する世界各地のパートナー企業に、オムロンのモバイルロボットを提供し、各種感染症拡大防止への取り組みを広げていくことを発表した。

» 2020年06月29日 07時30分 公開
[三島一孝MONOist]

 オムロンは2020年6月26日、紫外線(UVC)光照射器を搭載した除菌ロボットを開発する世界各地のパートナー企業に、オムロンのモバイルロボットを提供し、各種感染症拡大防止への取り組みを広げていくことを発表した。

photo 紫外線光照射器を搭載したオムロンのモバイルロボット(クリックで拡大)出典:オムロン

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のため、消毒・除菌作業の重要性は高まっているが、2次感染のリスクなどもあり、医療現場はもちろん、経済再開後のさまざまな環境でも対応に苦慮しているのが現状である。そこで、これらのリスクや作業負荷を下げるためにロボットで消毒作業を行い自動化する動きが世界中で増えつつある。

 こうした動きに対応するためオムロンでは、世界各国のロボットシステムインテグレーターと協力し、消毒ロボット用の“足”としてモバイルロボットの提供を強化しているという。既に、フランスやシンガポールをはじめ世界各国のUVC光照射器ロボットを開発するパートナー企業にモバイルロボットを提供し、UVC光照射器ロボットの展開の支援を進めており現在10カ国以上で使用されている。また開発検討中のパートナー企業はグローバルで20社以上となり、オムロンからこれらの企業に30台のモバイルロボットを提供しているという。

 オムロンでは「ロボットパートナー側から声をかけてもらい、2020年4〜5月くらいから話が進んだ形だ。コロナ禍の対応は今後グローバルで継続的に必要になるので積極的に支援やソリューションを提供していきたい」(広報)としている。

 オムロンのモバイルロボット「LDシリーズ」は、従来のAGV(無人搬送車)とは異なり、自律的に障害物を避けて走行でき、小型で小回りが利くことが特徴だ。そのため、オフィスなど室内で使用できる他、レイアウト変更などが不要であり、さまざまな領域の除菌に最適だと評価を受けているという。消毒方法についてはさまざまな手段があるが「現状ではUVC光照射器との組み合わせで話をもらっているケースがほとんどだ」(広報)としている。

UVC光照射器を搭載した除菌ロボットの使用イメージ。オムロンのロボットパートナーであるカナダのSir Stewardが構築した(クリックで動画再生)出典:オムロン

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