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» 2020年07月02日 15時00分 公開

医療技術ニュース:大気圧プラズマを感知する生体分子の実体を解明

東北大学は、大気圧プラズマを感知する生体分子の実体が、イオンチャネルタンパク質「TRPA1」「TRPV1」であることを明らかにした。これらは大気圧プラズマによって活性化され、細胞内カルシウム濃度上昇を引き起こすことが分かった。

[MONOist]

 東北大学は2020年6月12日、大気圧プラズマを感知する生体分子の実体が、イオンチャネルタンパク質「TRPA1」「TRPV1」であることを明らかにしたと発表した。同大学大学院医工学研究科 准教授の神展氏らの研究グループによる成果で、プラズマ医療の発展につながることが期待される。

キャプション 大気圧プラズマによって活性化されるイオンチャネルタンパク質「TRPA1」「TRPV1」(クリックで拡大) 出典:東北大学

 TRPA1とTRPV1は、カルシウムイオンを透過させるイオンチャネルタンパク質。今回の研究では、TRPA1とTRPV1が人工的に生成した大気圧プラズマによって活性化され、細胞内カルシウム濃度の上昇を引き起こすことが分かった。これは、TRPA1とTRPV1が細胞機能の制御に関与している可能性を示している。

キャプション プラズマ反応性のある細胞のTRPA1とTRPV1の発現量を減少させると細胞内カルシウムの上昇がほぼ消失する(クリックで拡大) 出典:東北大学

 また、アミノ酸配列の特定部位に変異を導入したTRPA1とTRPV1の大気圧プラズマに対する応答性を解析。チャネル分子の細胞内領域に存在する、複数のシステイン残基が関与していることが分かった。

キャプション 大気圧プラズマによる調節メカニズムは複数のシステイン(Cys, C)残基が関与している(クリックで拡大) 出典:東北大学

 これらの成果から、大気圧プラズマ照射により生成される特殊な活性酸素種や活性窒素種が、システイン残基を化学修飾することで、活性化を引き起こすという調節機構が関与していることが示唆された。

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