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» 2020年08月04日 14時00分 公開

車載電子部品:海外自動車メーカーの試験規格に準拠、OKIエンジが低温塩水サイクル試験開始 (1/2)

OKIエンジニアリングは2020年8月20日から、低温環境の中で塩水シャワーを用いてECUやPCUなど車載部品向けの低温塩水サイクル試験サービスを開始する。主に欧州、北米など海外自動車メーカーで求められる試験規格に対応することで、部品納入を行う国内サプライヤーなどからの需要を見込む。同年8月からは、高電圧用遮蔽電源システムを用いたEV/HV自動車部品の試験サービスも開始する。

[池谷翼,MONOist]

 OKIエンジニアリングは2020年8月20日から、低温環境の中で塩水シャワーを用いてECU(Electronic Control Unit)やPCU(Power Control Unit)など車載部品の信頼性評価を実施する、低温塩水サイクル試験サービスを開始する。主に欧州、北米など海外自動車メーカーで求められる試験規格に対応することで、部品納入を行う国内サプライヤーなどからの需要を見込む。また同年8月からは、高電圧用遮蔽電源システムを用いたEV(電気)/HV(ハイブリッド)自動車部品の試験サービスも開始する。

低温塩水サイクル試験サービスで用いる低温塩水サイクル試験装置の外観[クリックして拡大] 低温塩水サイクル試験サービスで用いる低温塩水サイクル試験装置の外観[クリックして拡大]

高まる海外自動車メーカーとの取引ニーズに応える

 低温塩水サイクル試験サービスでは、専用の低温塩水サイクル試験装置を用いて、試験品に腐食や劣化などが生じないかを検査する。試験装置の槽内に試験品を置き、試験装置内上部にあるシャワー口から塩水を送り込む。それから、槽内の壁面に設置された洗浄装置で槽内を洗い流した後、槽内を乾燥。その後、湿度の高い槽内環境に変化させ、最後に−40℃程度の低温環境にする。この塩水シャワー、乾燥、湿潤化、低温化のサイクルを何度も繰り返す中で、試験品に腐食などの異常が起こらないかを確認する。

低温塩水サイクル試験装置の槽内の様子。塩水シャワー口(左)と槽内の洗浄用シャワー口(右)[クリックして拡大]

 低温塩水サイクル試験装置には2つ大きな特徴がある。1つは塩水を送り込む方式を、従来一般的だった噴霧ではなく、シャワーで行う方式にした点だ。海外自動車メーカーの試験規格では、塩水噴霧ではなく塩水シャワーによる試験の実施が求められるため、これに合わせた。

 もう1つは、従来の塩水サイクル試験に低温化のプロセスを組み込んだ点である。これまで国内の塩水サイクル試験では、JIS規格で定められた「JIS C 60068 2 52」に即して、塩水噴霧と乾燥、湿潤化をワンセットとして試験サイクルを回していた。これにより塩害の影響を受けやすい沿岸地域や、乾燥/高湿度地帯など、厳しい実環境下を模擬して車載部品の信頼性を検査することが可能となっていた。しかし海外自動車メーカーは降雪地域での使用を想定し、低温環境下での試験も求める。これに対応するため低温化プロセスを加えた形だ。

低温塩水サイクル試験の実施例[クリックして拡大]出典:OKIエンジニアリング 低温塩水サイクル試験の実施例[クリックして拡大]出典:OKIエンジニアリング

 このように海外自動車メーカーを意識した試験サービスを開始する意図について、OKIエンジニアリング システム評価事業部 北関東試験センターの小宮有太氏は「現在、ティア1、ティア2に当たる国内の自動車部品サプライヤーの間では、これまで部品を納入していた自社系列の国内自動車メーカーだけでなく、欧州や北米などの自動車メーカーとの取引に乗り出す動きが活発化している。その結果、これまで欧州や北米自動車メーカーが行っていた信頼性試験を、国内のティア1、ティア2でも実施する必要が出てきた。こうした海外自動車メーカー規格での試験ニーズに応えるため、今回のサービス開始に至った」と説明した。なお、将来的には北米、欧州に自動車輸出を計画する国内自動車メーカーも顧客になる可能性があると想定しているという。

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