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» 2020年08月12日 10時00分 公開

ステイホームでDIYを極める! 玄人志向なモノづくり(1):最低限そろえておきたいDIYツール一式とコストに関する考え方 (1/3)

ステイホームで注目を集める「DIY」をテーマに、設計から製作までのプロセスを、実際の製造業におけるモノづくりの視点を交えながら解説することで、DIY素人の皆さんに“玄人のエッセンス”を伝授する。第1回は、最低限そろえておきたいDIYツール一式とコストに関する考え方について取り上げる。

[藤崎 淳子/Material工房・テクノフレキス,MONOist]

はじめに

 皆さん、こんにちは! Material工房・テクノフレキスの藤崎です。

 中国・武漢に端を発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は、世界中の都市で、都市封鎖や緊急事態宣言が発出されるほど深刻な事態となり、今なお収束(終息)の兆しが見えません。

 そんな中、感染拡大を長期間にわたって防ぐために提言された「新しい生活様式」に沿うよう、人々の時間の使い方と消費行動は徐々に変化しているようです。

 不要不急の外出が減る一方、ステイホーム時間を使って新しい趣味に挑戦する人も少なくありません。SNS上では、新たに家庭菜園や料理などを始める人たちと並んで、家具やインテリアづくりに挑戦する“DIY初心者さん”たちの頑張る様子を目にすることが増えました。

 中には「この人は絶対に本職だろうな」と思しきとても器用な方もいらっしゃいますが、「自分で作ってみたい! で、どうしたらいいの?」といった、熱量と知識がアンバランスな初心者さんもチラホラ……。

 DIYの最大の魅力は何でしょうか。それは「自分の手で、唯一無二の作品を作り上げること」です。そんな魅力的なDIYをせっかく始めるのであれば、設計・製造に携わるモノづくりのプロの思想とそのエッセンスを取り入れてみてはどうでしょうか?

 そう、今回スタートする新連載「ステイホームでDIYを極める! 玄人志向なモノづくり」では、ステイホームで注目を集めるDIYをテーマに、作品の設計から製作までのプロセスを、実際の製造業におけるモノづくりの視点を交えながら解説することで、DIY素人の皆さんに“玄人のエッセンス”を紹介していきたいと思います。目指せ、DIY素人の玄人化!

DIYを始めるなら、最低限これは持っておきたい道具

かつての「DIY」といえば…… 図1 かつての「DIY」といえば……(iStock.com/nisi)

 かつては「DIY」という言葉から、日曜日にお父さんがノコギリと金づちを振るって頑張る“日曜大工”が連想されたかと思います。作るモノといったら、「大工」とある通り、本棚やげた箱といった木工作品がほとんどでした。

 それが今では、自宅で使えるデスクトップ型のCNCフライス、板金加工機らに加えて、無償で使える3D CADや廉価な3Dプリンタが登場したことで、デザインと製作の一部が“デジタル化”され、木工に限らず、さまざまな部品を自作できるようになりました。DIYでできることの幅が一気に広がったというわけです。

 もちろん、DIYには昔ながらの道具も必要で、むしろこちらの方が重要だったりします。ということで、記念すべき連載第1回は「DIYを始めるなら、最低限これは持っておきたい道具」を取り上げたいと思います。

 筆者がピックアップしたDIY必須ツールは以下の通りです(表1)。

No. 名称 主な用途
1 直尺 150mm ステンレス製の定規。0.5mm刻みで測れる
2 ノギス 150mm(デジタル推奨) 直尺で測れない幅や直径、深さを測る
3 プロトラクター 角度を測る
4 コンベックス(金属の巻き尺) ストッパー付き推奨。4m以上あればより便利
5 ケガキ針 材料を切断したり穴を開けたりする際の目印を付ける針
6 OLFAカッターL(刃幅18mm) ダンボールからバルサ材まで切断できる
7 OLFAアートナイフ 細かい切り取り、切り抜き作業に便利
8 ニッパー 150mm 針金や電線のカットに使う
9 ペンチ 150mm 針金などの引っ張り、ねじり、カットに使う
10 モンキーレンチ 口開き0〜24mm ボルトやナットの頭をつかむので2本あるとよい
11 プラスチックハンマー くぎ打ちその他、たたく作業に使う
12 センターポンチ ドリル穴開け用のガイドを打つために使う
13 ボールポイント六角レンチセット ロング、2面幅 1.5〜10までの9本セット推奨
14 ピンセット 細かい部品のピックアップに使う
15 +−ドライバー +は2番(M3〜5用)、−は75(先端幅5.5)
16 組ヤスリ(※5本組/中目) 平/丸/角の3種類あれば十分
17 精密ヤスリ(※8本組) 平1本あれば十分
18 グルーガン 紙、木、樹脂のパーツを熱で溶かしたノリで接着する
19 電動ドリル 変速機能付きが便利(店頭での現物確認をオススメする)
20 ドリルセットΦ1.5〜Φ6.5 シンニング加工品を選ぶと金属への食い付きがよい
21 卓上バイス 穴開け作業などで材料を固定するもの
22 結束バンド(タイラップ) 電線の結束の他、部品の仮止めにも使える
23 マスキングテープ 部品の仮固定や位置決めのマーキングに使える
24 絶縁テープ(ビニールテープ) 電気回りの補修用に1巻備えておくと便利
表1 DIYを始めるなら、最低限これは持っておきたい道具 ※ヤスリの「○本組」とは、“○本セット”という意味ではなく、ヤスリの幅サイズの意味。5本組>8本組>12本組……と、数字が大きくなるとヤスリの幅が小さくなる

 表1以外の道具については、必要に応じて買いそろえてください。ここでは基本的な道具を列挙したので、大型ホームセンターなどでまとめて購入できるはずです。また、人混みや密を避けたければネット通販を利用するのもよいでしょう。ちなみに、最近は100均(100円ショップ)でもDIY系グッズの品ぞろえが充実していますが、品質や耐久性の面でやや不安もあるため、筆者はあまりオススメしません。

 これだけたくさんの道具を手に入れたら、「管理」についても考えなければなりません。購入した道具は必ず決まった場所に保管するようにし、使用したら必ず元の場所に戻すクセを付けてください。これは製造業のモノづくり現場でも基本中の基本です。いざというとき、大切な道具が見当たらずあたふたする……といったこともなくなります。

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