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» 2020年08月18日 10時00分 公開

Altair 2020 Global Experience:アルテアCEOが語る、シミュレーション×データ分析×HPCの融合がもたらす価値

Altair Engineeringは、全世界に向け「Altair 2020 Global Experience」をオンラインで開催。同社の創業者であり、会長 兼 CEOを務めるジェームズ・スキャパ氏が、シミュレーションやデータ分析、HPCにおける最新トレンドや同社の戦略について語った。また、新たなライセンスモデルおよびクラウドプラットフォームに関する発表も行われた。

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 米Altair Engineering(アルテアエンジニアリング)は2020年6月3〜4日、「Altair 2020 Global Experience」をオンラインで開催した。

 同イベントでは、アルテアエンジニアリングの創業者であり、会長 兼 CEOを務めるジェームズ・スキャパ(James Scapa)氏が登壇し、シミュレーション、データ分析、HPC(High Performance Computing)を融合させたテクノロジーを提供していく方針を語った。また、新たなライセンスモデルおよびクラウドプラットフォームについての発表も行われた。

アルテアエンジニアリングの創業者で、会長 兼 CEOを務めるジェームズ・スキャパ(James Scapa)氏 ※出典:アルテアエンジニアリング アルテアエンジニアリングの創業者で、会長 兼 CEOを務めるジェームズ・スキャパ(James Scapa)氏 ※出典:アルテアエンジニアリング

顧客の「意思決定プロセスの変革」を担う

 講演の冒頭でスキャパ氏は、「当社はシミュレーションの会社と思われがちだが、われわれの持つ技術はそれだけではない。当社が目指すのは、顧客の『意思決定プロセスの変革』を促すことだ」と語った。

 そのために同社が提供するのが、シミュレーション、データ分析、HPCの統合ソリューションだ。同社は15年にわたり、非常に強力な物理ソルバー群の開発を進めてきた。また、データ分析に関しては、自社開発を進めつつ、約1年半前には大規模な買収に踏み切っている。そして、HPC分野には2003年に参入し、技術開発を重ねてきた。

 こうしたこれまでの歩みを踏まえ、スキャパ氏は「われわれが思い描くのは、“アルゴリズムと数式が意思決定を支える”という未来だ。その未来は、エンジニアリングに限らずマーケティングやビジネス、金融など、あらゆる分野に訪れるだろう」と展望を述べる。

 同社の基本理念の1つは、“未来を見据え、未来を見越して決定を下すこと”である。「われわれは、先例のない新しいテクノロジーとビジネスを常に追求している。どの分野でも先陣を切りたいと考えている」(スキャパ氏)。

アルテアエンジニアリングは、シミュレーション、データ分析、HPCの統合ソリューションを提供していく ※出典:アルテアエンジニアリング アルテアエンジニアリングは、シミュレーション、データ分析、HPCの統合ソリューションを提供していく ※出典:アルテアエンジニアリング

世界的なスマート化とコネクテッド化が後押し

 そして、シミュレーション、データ分析、HPCの融合が特に求められる領域として、世界的な“スマート化とコネクテッド化の流れ”に注目すべきだとし、スキャパ氏は「かつて、多くの製品は互いに孤立して動作していた。だが、現在は通信機能を持った製品が増え、あらゆるモノにアンテナやセンサーが組み込まれ、さまざまな制御や可視化が容易になった」と語る。

 さらに、制御系/電子機器/機械の統合により、ユーザーエクスペリエンス(UX)が一段と強化されているとし、「統合により、製品価値が向上している」(スキャパ氏)と指摘する。そうした背景から、現在、膨大な設計案を検討するためのツールとして、より高度なHPCやクラウドへの需要が高まっているのだという。

 「以前のスーパーコンピューティングの学会では、そのほとんどがシミュレーションに関する発表だった。しかし、今では半分以上がデータ分析の話題だ。これは、シミュレーションとデータ分析の融合が注目されているからに他ならない。実際にそれらを組み合わせてみると、その利点を肌で感じることができる」(スキャパ氏)

シミュレーションのトレンド

 次にスキャパ氏は、シミュレーション、データ分析、HPCの各領域における動向と、同社の優位性について詳しく語った。

 まず、シミュレーション分野では、シミュレーションに、データおよび機械学習(マシンラーニング)、そして人間の想像力が加わることにより、「美しさと機能性、製造性を兼ね備えた製品を作ることが可能になる。また、それらは製造後の運用においても役立つものとなる」(スキャパ氏)という。

 また、シミュレーションは、スマート製品の開発にも欠かせない。その開発内容には、設計やアプリケーション、機器の管理、データ分析などが含まれ、製品が収集する情報をクラウドではなくローカルで処理する場合には、エッジオーケストレーションも必要になる。スキャパ氏は「こうしたスマート製品の開発における意思決定の判断材料として、シミュレーションを活用し、デジタルツインを手早く実現すべきだ」と説明する。

 同社のシミュレーション分野のアプリケーションについては、メッシュレスのCAEソフトウェア「Altair SimSolid」やハイエンド構造解析ソルバー「Altair OptiStruct」の注目度が特に高いという。また、ユーザーが急速に増えているのが、構造解析ソルバー「Altair Radioss」である。Radiossは、自動車開発における車両の衝突解析で定評があるが、近年は電子機器の仮想落下試験での採用も増えているとのことだ。

データ分析のトレンド

 データ分析の領域において、スキャパ氏は「ビッグデータと時系列データベースにおいて注目の技術がめじろ押しだ。また、オープンシステムとオープンソースのアルゴリズムにも注目しておきたい」と語る。

 特に、深層学習(ディープラーニング)のアルゴリズムとGPUベースの処理は、非常に複雑な問題に適用でき、その応用は自動運転車技術にとどまらず、急拡大していくとみられている。さらに「継続的なインテリジェンス」、つまりデータを基に機械学習モデルや深層学習モデルを絶えず更新し、進化させ続ける「自動化機能とアルゴリズム選択にも注目だ」(スキャパ氏)という。

 同社は、IoT(モノのインターネット)機器のストリームデータ処理と異常検知を効率良く行える「Altair Panopticon」を提供する。構造・非構造化データに対応し、あらゆるデータ形式を扱うことが可能で、クラウド化により、製造業を含む多くの産業分野で導入が増えると見込んでいる。

 また、データ準備ツール「Altair Monarch」はクラウド化がほぼ完了しており、データサイエンスツール「Altair Knowledge Studio」もクラウド化が進行中だ。スキャパ氏は「顧客からも『Altair Monarchのおかげで手入力作業の負担が大きく減った。時間とコストの節約効果は計り知れない』といった声をいただいている」と説明する。

HPCのトレンド

 HPCに関しては、「今やシミュレーションでの利用だけでなく、自動車分野のADAS(先進運転支援システム)やAI(人工知能)での応用も進んでいる。また、エクサスケール(次世代スーパーコンピュータ)の取り組みも大きな動きの1つだ。他にも、ストレージ認識型スケジューリングや、高度なスケーリングおよびクラウドバースティング、クラウドのコストとスループットの最適化などがトレンドとして挙げられる」(スキャパ氏)という。

 クラウドバースティングは、オンプレミスをメインで使用しながら、クラウドにも負荷を分散したいときに、プロセッサ数を超高速に増やすことができる技術だ。スキャパ氏は「インフラの使用制限を設けずに自由にジョブを実行できる状態だと、コストを抑えることは難しい。なぜなら、クラウドの使用量が膨れ上がってしまうからだ。そこで必要となるのが、スループット時やジョブの緊急性に見合ったコストに抑えることだ」とし、ユーザーが求めるものに対して積極的に取り組む同社の姿勢を強調する。

HyperWorks Unitを刷新し、新たなライセンスモデルへ

 同社は、全てのソフトウェアを“バージョン2020”にアップデートした。そのことについて、スキャパ氏は「バージョン2020は、史上最大規模のアップデートになった」と表現する。バージョン2020の提供に併せ、新たなソリューションについても発表した。その1つが「Altair Units」である。従来のライセンスモデルである「HyperWorks Unit」を刷新したものだ。

 「HyperWorks Unitは21年前に導入した、ソフトウェアへの投資にムダを生じさせない革新的なモデルだったが、今では取り扱う製品の数が大幅に増えた。そこで、料金体制に柔軟性を持たせようと、新しいライセンスモデルへと刷新することにした」(スキャパ氏)

Altair Unitsは用途別に7種類が用意される ※出典:アルテアエンジニアリング Altair Unitsは用途別に7種類が用意される ※出典:アルテアエンジニアリング

 Altair Unitsでは、各ユーザーに応じた多様な製品ラインアップを展開し、ユーザーはさまざまなツールを、共通のユニットを消費することで使用できる。計算コアの料金は同時使用ベースのため、大規模な計算を高速に行う用途などに最適だ。「大規模並列計算も、大量の小規模のジョブも、効率良く処理できる。計算データの大きさや緊急性に応じてパワーとスピードを調整し、処理能力を極限まで高めることも可能である。最大の利点は、ライセンスの保有場所やジョブの実行場所を問わないことだ」とスキャパ氏は述べる。

 また、「Enterprise Suiteでは、ユーザーごとにそれぞれの価格で個別のプールを組み合わせることもできる。ユニットは、オンプレミスだけでなくクラウドでも使用でき、どの場所からでも計算能力を自由に拡張することが可能だ」(スキャパ氏)。

新クラウドプラットフォーム「Altair One」登場

 さらに、新たなクラウドプラットフォーム「Altair One」の発表も行われた。

 Altair Oneは、同社の全製品にアクセスでき、サポートのリクエストやツールのダウンロード、クラウドでの計算実行などを実現する。さらに、同社の全製品だけでなく、多数のパートナー企業のアプリケーションも一覧することが可能だ。「長年の開発を経て、2020年7月15日にリリースすることができた。サポートとコミュニティーとライセンスが、Altair Oneに統合されるということだ」とスキャパ氏は説明する。

Altair Oneは製品ダウンロード、ライセンス管理、サポート、コミュニケーション、アプリケーション実行などが可能なクラウドプラットフォームである ※出典:アルテアエンジニアリング Altair Oneは製品ダウンロード、ライセンス管理、サポート、コミュニケーション、アプリケーション実行などが可能なクラウドプラットフォームである ※出典:アルテアエンジニアリング

 Altair Oneでは、ツールの実行やチームとの連絡、データの確認だけでなく、クラウド上の計算リソースが利用できるようになる。いつでもどこでも、安全かつ容易にアクセスでき、難しい問題を数分で解くといったことも可能だ。「Altair Oneにより、開発環境は劇的に変わるだろう」(スキャパ氏)。

 製品群は順次拡大中で、数カ月後にはオンデマンドでの計算リソースの利用や、クラウド版アプリケーションの実行、クラウドやオンプレミスでの実行機能も実装予定だ。

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提供:アルテアエンジニアリング株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2020年9月17日