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» 2020年08月18日 06時00分 公開

日系乗用車メーカーの生産は回復傾向に、2020年上期生産を振り返り自動車メーカー生産動向(3/3 ページ)

[MONOist]
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スズキ

 日産同様に厳しい結果となったのがスズキだ。同社生産の半数を占めるインドでは、2018年後半から続く市場低迷に加えて、COVID-19が直撃した。その結果、2020年上期のグローバル生産台数は、前年同期比38.0%減の99万7611台と2年連続の前年割れとなった。前年比の落ち幅では日産に次ぐ大きさとなった。

 中でも厳しいのが海外で、同46.8%減の60万2627台で2年連続のマイナス。海外生産としては8社で最大の落ち込みとなった。このうちインドは同47.0%減の46万6941台。景気低迷やローンの貸し渋り、保険料の引き上げなどによる販売減少の他、COVID-19感染拡大によるロックダウンで工場を停止した。国内生産は同17.3%減の39万4984台と3年連続のマイナス。国内販売の減少や完成検査問題の対策として工場のラインスピードを落としたことに加えて、感染拡大が海外で調達する部品供給に影響を及ぼし稼働停止を余儀なくされたこともマイナス要因となった。

 ただ、足元の生産は回復傾向を示しており、6月単月のグローバル生産は、前年同月比32.4%減の14万8432台だった。6カ月連続の減少ではあるものの、マイナス幅は5月より49.0ポイント改善した。国内生産は国内販売や、欧州向け「イグニス」などの輸出が好調で、同15.3%増の8万3173と3カ月ぶりにプラスへ転じた。一方、海外生産は同55.7%減の6万5259台と6カ月連続のマイナス。ただ、減少幅は5月に比べて37.0ポイント改善するなど回復傾向は続いている。COVID-19の感染が広がっているインドは同54.6%減だった。

マツダ

 マツダの2020年上期のグローバル生産台数は、前年同期比34.7%減の48万8191台と2年連続の減少となった。中でも国内生産の減少が大きく、同44.4%減の29万2029台と3年ぶりのマイナス。新型車「CX-30」の純増があったものの、グローバルの旗艦車種である「マツダ3」や「CX-5」が半減した。マツダはグローバル生産に占める国内生産の割合が高く、世界各国でのロックダウンによる影響で輸出が同48.2%減と大幅に減少。その結果、国内生産のマイナス幅は8社中最大となった。一方、海外生産は同11.9%減の19万6162台と2年連続のマイナスであったものの、マイナス幅は8社中最小となった。これは世界に先駆けて市場回復が進んだ中国での生産がプラスとなった他、メキシコがCX-30の生産開始により同15.4%増と2桁成長を示したためだ。

 6月単月のグローバル生産台数は、前年同月比40.1%減の7万1515台と10カ月連続で減少し、減少幅は5月比で22.8ポイント改善した。国内生産は同59.4%減の3万4181台で、9カ月連続のマイナス。輸出が半減しており、中でもCOVID-19の影響により在庫を調整している欧州向けが同77.3%減と大幅減となった。一方、海外生産は同6.4%増の3万7334台と5カ月ぶりに増加へ転じた。タイは稼働停止により同72.1%減となったものの、中国が同33.5%増と感染拡大前の水準に戻っている他、メキシコは米国向けの需要拡大で同110.2%増と倍増した。

三菱自動車

 他社に比べて回復が遅れているのが三菱自動車。6月単月のグローバル生産は前年同月比54.6%減の4万9363台で10カ月連続の減少。5月に比べて22.7ポイント改善したものの、前年比としては8社中最も低い数値となった。国内は同54.6%減の2万4675台と3カ月連続のマイナスだった。フルモデルチェンジした「eKスペース」シリーズなどが貢献した一方、主力の「デリカD:5」や「eKワゴン」が半減した他、輸出も同67.1%減と落ち込みが目立った。海外も同54.6%減の2万4688台と9カ月連続のマイナス。主力拠点のタイが同60.9%減と大幅減となり、アジアトータルでは同54.6%減だった。さらに市場が回復している中国でも伸び悩み、同4.5%減と前年を割り込んだ。

 三菱自動車の2020年上期のグローバル生産台数は、前年同期比34.9%減の44万372台と2年連続で減少した。国内は同31.7%減の21万1991台で2年連続の前年割れ。2019年3月にフルモデルチェンジしたeKワゴンのプラス効果はあったものの、「エクリプスクロス」やデリカD:5などの減少が響いた。輸出も最もボリュームの大きい欧州向けが同43.6%減と振るわなかった。海外も同37.7%減の22万8381台と2年連続のマイナス。タイが同29.7%減となった他、COVID-19が直撃した中国は同50.0%減と大きく落ち込んだ。

スバル

 一連の完成検査問題が一段落し、回復の兆しを見せていたSUBARU(スバル)もCOVID-19感染拡大の影響を受けた。2020年上期のグローバル生産台数は、前年同期比25.8%減の36万2832台と3年連続で前年実績を下回った。ただ、マイナス幅は8社中最も少なかった。国内は同20.7%減の22万6704台で4年連続のマイナス。2019年1月に「インプレッサ」や「フォレスター」に採用した電動パワーステアリングの不具合で多くの車種の生産を停止した反動や、品質問題にめどをつけて2019年秋からラインスピードを高めるといったプラス要因はあったが、4月以降の生産停止を受けて、上期トータルではマイナスとなった。海外も同32.9%減の13万6128台と2年ぶりに減少。唯一の海外拠点である米国工場は、インディアナ州の外出禁止令により3月下旬から生産を停止していた。

 6月単月は国内外で明暗が分かれた。海外生産は前年同月比18.7%増の3万1442台と4カ月ぶりにプラスへ転じた。米国市場の回復が進んでいることに加えて、前年が「レガシィ/アウトバック」の新型への切り替えに伴い落ち込んでいたのも要因となった。一方で国内生産は同46.3%減の2万9881台と3カ月連続で減少した。国内販売が減少した他、COVID-19の影響による生産調整で輸出も同61.7%減と落ち込んだ。その結果、グローバル生産は同25.3%減の6万1323台と4カ月連続のマイナスとなった。ただ、回復基調は鮮明で、減少幅は5月より56.9ポイント改善している。

→過去の「自動車メーカー生産動向」はこちら

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