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» 2020年08月19日 08時30分 公開

3Dスキャナーニュース:黒色塗装面や光沢面を高精度に、3Dスキャナーの弱点を克服した「MetraSCAN 3D」 (1/2)

アメテック クレアフォーム事業部(Creaform)は2020年8月4日、都内で新製品3Dスキャナー「MetraSCAN BLACK」に関する記者発表会を開催し、製品概要の説明と併せて、実機によるデモンストレーションを披露した。

[小林由美,MONOist]
新製品の上位モデル「MetraSCAN BLACK Elite」 画像1 新製品の上位モデル「MetraSCAN BLACK Elite」 ※出典:Creaform [クリックで拡大]

 アメテック クレアフォーム事業部(以下、Creaform)は2020年8月4日、都内で新製品3Dスキャナー「MetraSCAN BLACK」に関する記者発表会を開催し、製品概要の説明と併せて、実機によるデモンストレーションを披露した。

 MetraSCAN BLACKは、同社の“メトロロジー・グレード(寸法検査レベル)”をうたう3Dスキャナーシリーズ「MetraSCAN 3D」における最上位機種で、「BLACK」と「BLACK Elite」の2モデルを備える。

3Dスキャナーシリーズの最上位機種「MetraSCAN BLACK」

 新製品は、従来のレーザー式3Dスキャナーが苦手とする黒色の塗装面や光沢面の詳細で複雑な形状のスキャンを可能にするなど優れた性能を発揮する。起動と校正は数分程度で完了し、すぐに測定を開始できる。スキャンしたデータは、その場でメッシュデータとして生成され、PC画面上でプレビューを確認することが可能だ。測定データは、STLやOBJといった主要なメッシュデータ(ポリゴンデータ)の他、点群データとしても取得できる。

光沢のある測定物でも精度の高いデータ取得が可能に画像2のホイールを実際にスキャンした結果 画像2(左) 新製品「MetraSCAN BLACK」では、光沢のある測定物でも精度の高いデータ取得が可能に/画像3(右) 画像2の車両のホイールを実際にスキャンした結果 [クリックで拡大]

 新製品の本体寸法は289×235×296mmで、重さ1.49kgと、片手での取り扱いが可能だ。測定解像度は0.025mm、容積精度(9.1m3)は0.064mmで、メッシュ解像度は0.1mmとなる。スキャン範囲は310×350mmで、焦点距離は300mm。推奨の測定物寸法は0.2〜6mの範囲である。

 新たにレーザー光色を従来の赤色から青色に変更したことで、光沢面や反射面のスキャンにより強くなったという。上位モデルであるBLACK Eliteは、15本の青色レーザー走査線を搭載したことで測定領域がより広くなったことに加え、測定点数が1秒当たり180万点に向上し、測定スピードがアップした。一方、下位モデルのBLACKは、7本の青色レーザー走査線を搭載した機種であり、測定点数は1秒当たり80万点となる。

 なお、同製品の性能評価は、測定・校正に関する国際規格「ISO/IEC 17025」および光学式測定規格「VDI/VDE2634 パート3」認定を取得するアメテックの試験設備で実施しており、今回公表した数値も同試験設備での性能評価に基づくものであるという。

 新製品は、小型家電の筐体に刻印された微細な文字なども高精細にスキャンできる。以下に示す画像4は、車両のホイールのスキャンデータである。左の従来製品のスキャンデータでは、文字の刻印部が影を多くとらえてしまっていることから全体的に黒っぽくなり文字の内部のデータが欠落しているが、右の新製品でのスキャンデータでは影がなくなり微細な凹部で構成される文字のデータが取得できている。

光沢表面における従来製品のスキャンデータ(左)と新製品のスキャンデータ(右)の比較 画像4 光沢表面における従来製品のスキャンデータ(左)と新製品のスキャンデータ(右)の比較 ※出典:Creaform [クリックで拡大]

 実際にスキャンを行う際は、ハンディースキャナー本体の他、測定箇所を検知する光学式トラッカー(デュアルカメラセンサー)「C-Track」を用いる。左右2つのカメラでスキャン前に測定物の位置情報を取得し、取得データを用いて三角測量を実施する仕組みである。C-Trackを用いて測定環境を一度設定しておけば、スキャナーや測定対象、トラッカー自身をずらしてしまっても正常に測定を継続できる。例えば、車両1台など大型の測定物に対応するには、C-Trackの台数を増やせばよい。

MetraSCAN BLACK(左下)と、C-Track(中央)のセット 画像5 MetraSCAN BLACK(左下)と、C-Track(中央)のセット [クリックで拡大]

 さらに、同社のプローブ(探針)「HandyPROBE」を用いることで、接触式3次元測定との組み合わせ作業も行える。非常に狭く、深さがある箇所など、接触式での測定が必要なケースで併用することで、より詳細な測定が可能だという。

 また、専用ケースも用意されており、測定に必要な道具一式を1つにまとめて収納できる他、PCや校正プレートをセットできるエリアが設けられており、測定現場に作業台などがなくても、作業スペースとして確保できる仕様となっている。

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