日本の伝統工芸の魅力を金属3Dプリンタで昇華した酒器を商品化3Dプリンタニュース

伊福精密は、金属3Dプリンタの可能性を追求するデザインブランド「OshO」の第1弾アイテムとして、金属3Dプリンタで造形した酒器「Syuki」の販売開始を発表した。

» 2020年08月20日 06時30分 公開
[八木沢篤MONOist]

 伊福精密は2020年8月17日、金属3Dプリンタの可能性を追求するデザインブランド「OshO」の第1弾アイテムとして、金属3Dプリンタで造形した酒器「Syuki」の販売開始を発表した。

金属3Dプリンタならではのモノづくりを探求

 Syukiの製造に金属3Dプリンタを用いることで、重なり合った格子形状の中に家紋を配する複雑な一体構造を実現。伝統工芸の風合いを再現しつつ、それを超える芸術性を目指した商品として企画、開発された。

金属3Dプリンタで作られた酒器「Syuki」 金属3Dプリンタで作られた酒器「Syuki」 ※出典:伊福精密 [クリックで拡大]

 素材は、お酒の風味をダイレクトに味わうことができるようステンレスとし、指の温度がお酒に伝わりにくい多層構造を採用した。また、見た目の美しさと、使用時の安全性に配慮し、表面処理としてイオンプレーティング加工を施している。

金属3Dプリンタでなければ表現できないデザイン 金属3Dプリンタでなければ表現できないデザイン ※出典:伊福精密 [クリックで拡大]

 「金属加工の駆け込み寺」をうたう同社は、金属加工のさらなる可能性に挑戦すべく、金属3Dプリンタを導入(2016年11月にソデックの「OPM250L」を、2017年9月にConcept Laserの「Mini-LabR」を導入)し、「3D金属造形サービス」などを手掛けている。そうした中、金属3Dプリンタを用いた加工技術の魅力をもっと広めたいと考え、新ジャンルへの挑戦を決断し、芸術性を追求するデザイン雑貨ブランド(OshO)を立ち上げるに至った。

 その第1弾アイテムとなるSyukiは、日本古来の伝統工芸をモチーフにしつつ、金属3Dプリンタでなければ表現できない独自の魅力をカタチにすべく、デザイン事務所からの指導を受け、同社が培ってきた造形知識を駆使することで商品化を実現した。

 デザインは、飲み口が六角形のもの(六角)、円形のもの(スマート)の2タイプあり、カラーはシルバー、ブラック、ブルーの3色から選択可能。サイズは大/小あり、販売価格は大が6万2000円(税別)、小が3万1000円(同)となる。

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