作りたいモノをよく観察し、市販部品をうまく活用しながら構想を練っていくステイホームでDIYを極める! 玄人志向なモノづくり(2)(3/3 ページ)

» 2020年09月15日 10時00分 公開
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リニアシャフトを支える部品はどうする?

 リニアシャフトを左右で支える部品については、いろいろなアイデアが出てきそうですが、ひとまずこんな感じでどうでしょうか。

リニアシャフトを支える部品のイメージ 図9 リニアシャフトを支える部品のイメージ [クリックで拡大]

 アクリル板を使ってリニアシャフトを押し込むブロックを2つ作ります。このとき、シャフトを差し込む穴は貫通(素通し)では困るので、「ドリルストッパー」を使って貫通させないようにします。この貫通させない行き止まりの穴のことを「止まり穴」と呼びます。

ドリルストッパー(筆者所有物) 図10 ドリルストッパー(筆者所有物) [クリックで拡大]

 こうすると、「刃先から○○mm」と決めた深さまでしかドリルが入らないので、うっかり貫通させてしまう心配がありません。ただ、樹脂製のタイプは長持ちしないので、たびたび使うようであれば金属製ストッパーへの買い替えをオススメします。

 ブロックの背中にはL型金具を取り付けて、ブロックと土台の板を接続させます。L型金具は穴なし、穴あり、長穴が開いているものなど、たくさんの種類が市販されています。

参考リンク:

⇒ YHT NET SHOP|八幡ねじ


 図11のように、2面に長穴が開いていると「高さ」「横方向」2つの調整ができます。今回の計画では2面長穴付きのL型金具を使用することにしましょう。

2面長穴付きのL型金具を使用する 図11 2面長穴付きのL型金具を使用する [クリックで拡大]

 L型金具の取り付けには、丸木ネジを使います(図12)。専門業者のネット通販などでは、箱売りになっていることがほとんどですが、ホームセンターでは小分けで入手できます。

(+)丸木ねじ 図12 (+)丸木ねじ(品番:M5.1×16) ※出典:MonotaRO(モノタロウ) [クリックで拡大]

 ひとまずの構想はこんなところでしょうか。

購入する/自作するものをリストアップ

 ここまでに紹介した参照リンク先で部品の価格を確認できるので、購入する部品にかかる費用はおおよそつかめるはずです。

 以下、購入する部品と自作する部品をそれぞれリストアップします。

  • 【購入するもの】
    • 雲台とカメラネジ1/4:各1個
    • リニアシャフトφ12×500mm:2本
    • スライドユニット(SU12UU):2個
    • L型金具:4個
    • スライドユニット取り付け用ネジ M5×15六角穴付きボルト:8本(ネジサイズは一例)
    • L型金具取り付け用ネジ(土台側) M5.1×16丸木ネジ:4本
    • L型金具取り付け用ネジ(シャフト固定台側) M4×25:4本(ネジサイズは一例)
    • M4ナット:4個
    • ベースにする板(ベニヤやMDFなど):1枚
  • 【自作するもの】
    • カメラ固定台(アルミ板に穴を開けて作る):1個
    • シャフト固定台(アクリル板に穴を開けて作る):2個


 次回は、これらのリストに従って手描きで構想を詰めていきます。 (次回に続く

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Profile

藤崎淳子(ふじさきじゅんこ)

長野県上伊那郡在住の設計者。工作機械販売商社、樹脂材料・加工品商社、プレス金型メーカー、基板実装メーカーなどの勤務経験を経てモノづくりの知識を深める。紆余(うよ)曲折の末、2006年にMaterial工房・テクノフレキスを開業。従業員は自分だけの“一人ファブレス”を看板に、打ち合せ、設計、加工手配、組み立て、納品を一人でこなす。数ある加工手段の中で、特にフライス盤とマシニングセンター加工の世界にドラマを感じており、もっと多くの人へ切削加工の魅力を伝えたいと考えている。

・筆者ブログ「ガノタなモノづくりママの日常」


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