エッジコンピューティングの逆襲 特集

インテルがIoTエッジ向けプロセッサに10nmプロセスを採用、TSNや機能安全対応も組み込み開発ニュース(1/2 ページ)

インテル(Intel)が産業機器などのIoTエッジ向けに10nmプロセスを採用したプロセッサ製品群を発表。低消費電力を特徴とする「Atom」の新たな製品ライアップとして「Intel Atom x6000Eシリーズ」を投入し、より性能を重視した用途向けには「第11世代 Core プロセッサ ファミリー」をIoTエッジ向けに最適化した製品を展開する。

» 2020年09月24日 06時30分 公開
[朴尚洙MONOist]

 インテル(Intel)は2020年9月23日(現地時間)、製造業向けのユーザーイベント「Intel Industrial Summit 2020」の開催に合わせて、産業機器などのIoT(モノのインターネット)エッジ向けに10nmプロセスを採用したプロセッサ製品群を発表した。低消費電力を特徴とする「Atom」の新たな製品ライアップとして「Intel Atom x6000Eシリーズ」を投入し、より性能を重視した用途向けには同年9月初旬に発表した「第11世代 Core プロセッサ ファミリー」をIoTエッジ向けに最適化した製品を展開する。

インテルの10nmプロセスを採用したIoTエッジ向けのプロセッサ製品群 インテルの10nmプロセスを採用したIoTエッジ向けのプロセッサ製品群。「Intel Atom x6000Eシリーズ」と「第11世代 Core プロセッサ ファミリー」を展開する(クリックで拡大) 出典:インテル

 Atom x6000Eシリーズ(開発コード:Elkhart Lake)は、2020年2月に発表した5G無線基地局向けの「Intel Atom P5900 プロセッサ」と同様に、第7世代のAtom向けマイクロアーキテクチャとなる「Tremont」を採用している。4コアもしくは2コアのプロセッサコアを搭載しており、動作周波数は1.0G〜1.9GHzで、ターボブースト動作機能を持つ品種は最大3.0GHzまで上昇させられる。グライフィックス機能の「Intel UHD グラフィックス」はEU(実行ユニット)が16もしくは32基あり、3台のディスプレイに4K映像を出力できる他、映像のエンコード/デコードやAI(人工知能)の処理性能も向上している。

「Intel Atom x6000Eシリーズ」の特徴「Intel Atom x6000Eシリーズ」の特徴 「Intel Atom x6000Eシリーズ」の特徴(クリックで拡大) 出典:インテル

 また、インタフェースとして2.5GbEを搭載するとともに、「Intel TCC(Time Coordinated Computing)」の導入によって産業機器への採用が広がりつつあるTSN(Time Sensitive Networking)に対応した品種をそろえた(「Intel Atom x6000REシリーズ」と「Intel Atom x6000FEシリーズ」)。さらに、IEC 61508やISO 13849などの機能安全規格で最も高い安全要求レベルにも対応可能とするための新機能「Intel Safety Island」を搭載する品種も用意している(Intel Atom x6000FEシリーズのみ)。

 なお、Atom x6000Eシリーズと同じTremontを採用する製品群として「Pentium」や「Celeron」のブランド名でも製品を展開する。ただし、PentiumとCeleronは、ECC(誤り検出訂正)メモリやTSN、機能安全規格には対応しない。

「Intel Atom x6000Eシリーズ」の製品ラインアップ 「Intel Atom x6000Eシリーズ」の製品ラインアップ。「Pentium」や「Celeron」のブランド名でも製品を展開する他、TSNや機能安全などに対応した機能を搭載する品種を展開する(クリックで拡大) 出典:インテル

 新製品となる「Pentium J6425」と従来品の「Pentium J4205」との性能比較では、シングルスレッドの処理性能が1.7倍、マルチスレッドの処理性能が1.5倍、グラフィックス性能を示す「3DMark11」のベンチマーク結果が2倍になったという。なお、消費電力を示すTDPは10Wで同じである。

新製品と従来品の比較 新製品の「Pentium J6425」と従来品の「Pentium J4205」の性能比較(クリックで拡大) 出典:インテル
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