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» 2020年09月24日 06時00分 公開

燃料電池車:ダイムラーの大型トラック電動化戦略、まずはEV、今後10年でFCVも

ダイムラートラックは2020年9月16日、大型トラックの電動化戦略を発表した。2024年からバッテリー駆動の電動(EV)トラックを量産し、今後10年以内に燃料電池(FC)トラックも投入する。欧州だけでなく、北米と日本向けにも同様のモデルを展開する計画だ。

[齊藤由希,MONOist]

 ダイムラートラックは2020年9月16日、大型トラックの電動化戦略を発表した。2024年からバッテリー駆動の電動(EV)トラックを量産し、今後10年以内に燃料電池(FC)トラックも投入する。欧州だけでなく、北米と日本向けにも同様のモデルを展開する計画だ。

 同日、FCトラックのコンセプトモデル「GenH2 TRUCK」を世界初公開した。2023年からトライアルを開始し、今後10年以内に量産するとしている。エネルギー密度が高い液体水素を使用することにより、同等の車格のディーゼルエンジントラックとそん色ないパフォーマンスを発揮させるという。また、液体水素を使うことでタンクのサイズを小さくできる点もメリットだとしている。液体水素は水素ステーションなど定置用で使われているが、車両でも使用するための技術開発を進めていく。

FCトラックのコンセプトモデル「GenH2 TRUCK」(左)と電動(EV)トラック「eActros LongHaul」(右)(クリックして拡大) 出典:ダイムラートラック

 あわせて、2024年から量産するバッテリー駆動の電動(EV)トラック「eActros LongHaul」も披露した。1回の充電で500kmを走行する。物流事業者の実際の長距離輸送において、500km以上の走行距離は不要だと見込む。また、EUではトラックドライバーの休憩時間について規定されているため、休憩時間を利用して充電することで必要な電力をまかなえるとしている。

 GenH2 TRUCKは、車両総重量が40トン、積載量が25トンとなる。2つの液体水素タンクとFCシステムによって1000km以上の長距離走行を実現する。水素タンクはステンレス鋼製で、水素貯蔵量はタンク1本あたり40kgだ。2つのタンクは、真空断熱のチューブで接続している。FCシステム全体の出力は300kWで、バッテリーからは一時的な電力として400kWを供給できる。FCとバッテリーの理想的な動作温度を維持し、耐久性を高めるための冷却・加熱システムも搭載する。駆動用モーターは2基搭載し、1基で最高出力330kW、最大トルク1577Nmを発揮する。

 ダイムラートラックは、2020年4月にボルボグループと折半出資の合弁会社を設立すると発表。2020年代後半に長距離輸送で利用可能な燃料電池(FC)大型トラックを展開することを目指しており、両社のリソースや知見を持ち寄ることで開発コストを下げる。ダイムラーの燃料電池事業は、完全子会社のMercedes-Benz Fuel Cellが担ってきたが、ボルボグループとの合弁会社設立に合わせてダイムラーはMercedes-Benz Fuel Cellの業務をダイムラートラックに移管した。

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