ワーケーションの自社導入に「興味がある」、企業の約5割が回答キャリアニュース

あしたのチームが「ワーケーションと働き方改革」に関するレポートを発表した。ワーケーションの自社導入に「興味がある」と企業の約5割が回答。一方で、ワーケーションでの人事評価の難しさを7割近くが課題と感じていた。

» 2020年10月01日 09時30分 公開
[MONOist]

 人事評価サービスを提供するあしたのチームは2020年9月18日、「ワーケーションと働き方改革」に関するレポートを発表した。レポート作成のための調査は、あしたのチームをはじめとした3社合同で実施した。

 コロナ禍の中、緊急事態宣言期間後もテレワークを取り入れている企業はあるが、在宅勤務形態でのテレワークには、健康面や家庭内で就業する上での弊害など課題もある。特に首都圏では、居住スペースに書斎のような空間が確保されていないケースが多いことから、本人にも家族にも負担がかかる懸念がある。

ワーケーションの自社導入に「興味がある」と50.4%が回答

 昨今、テレワークの応用編、進化系と言える「ワーケーション」が提唱されている。観光地やリゾート地で休暇とうまく切り替えながら仕事をするワーケーションは、企業の福利厚生とも関連することから、企業の経営者に、ワーケーション制度を自社で導入することに興味があるかを尋ねた。

 その結果、「非常に興味がある」が20.4%、「少し興味がある」が30.0%となり、興味を持っている企業が50.4%と半数を占めた。企業側が持つ、魅力的な人事制度を組み立てたいという考えや、テレワークを発展的に継続できる可能性があれば試してみたいという考えが、ワーケーションへの興味につながったようだ。

キャプション ワーケーション制度の取り組みについて、可能であれば自社での導入に興味があるか 出典:あしたのチーム

 また、ワーケーションには、福利厚生や社会的に求められるテレワークの継続という観点だけでなく、地方創生という観点もある。ワーケーションの導入に「興味がある」との回答が半数を占めたことは、観光業を支援する「GoToトラベルキャンペーン」の延長線上にあるワーケーションを、地方創生につながる社会貢献と考える経営者が一定数いることをうかがわせる。

 次に、ワーケーションの自社導入に「非常に興味がある」「少し興味がある」と回答した企業に、実際に自社で導入する場合、どのような課題があると思うかを尋ねた。その結果、上位3項目は「休暇中の仕事の適切な評価が難しい」(71.4%)、「休暇中の業務の勤怠管理が難しい」(70.5%)、「仕事環境の整備が難しい」(70.5%)となった。

キャプション ワーケーションを実際に自社で導入する場合、どのような課題があると思うか 出典:あしたのチーム

 ワーケーションに関して、「休暇中の仕事の適切な評価が難しい」の回答が7割を占めた背景には、テレワークとは異なり、ワーケーションはリモートであることに加え、時間が固定されていないフレックス制であるため、テレワーク以上に人事評価が難しいことが挙げられる。

 あしたのチームでは、意義あるワーケーションを実施するには、ジョブ型雇用の第一段階である職務記述書を作成し、一人一人の目標設定と仕事の細分化による工数見積もり、1時間単位で業務を遂行することが必要としている。1時間単位で目標を設定することにより、生産性を下げずに、従業員が滞在先で業務を組み立てる仕組みができれば、ワーケーションは働き方改革のゴールにつながる取り組みになり得るという。

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