無料時間帯に電動車を充電してもらう実証実験、ダイナミックプライシングの実用化へ電気自動車

MCリテールエナジーと三菱自動車は2020年10月5日、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の充電時間帯が集中するのを避けるダイナミックプライシングの実証事業を開始すると発表した。実証期間は2020年10月〜2021年2月まで。

» 2020年10月06日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 MCリテールエナジーと三菱自動車は2020年10月5日、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の充電時間帯が集中するのを避けるダイナミックプライシングの実証事業を開始すると発表した。実証期間は2020年10月〜2021年2月まで。

 実証事業は、経済産業省が環境共創イニシアチブを通じて公募する「令和2年度 ダイナミックプライシングによる電動車の充電シフト実証事業」に採択された。対象となるのは、東日本三菱自動車販売と西日本三菱自動車販売の販売エリア(岡山県と島根県、離島を除く)だ。三菱自動車のEVやPHEVを所有していること、戸建て住宅に住んでおり、自宅に充電設備の設置があることが条件となる。

 実証事業では、日本卸電力取引所(JEPX)の電力量単価が最も安い時間帯の4時間を「充電無料時間」として設定。メールなどで前日にその時間帯をユーザーに通知し、その時間帯に自宅で充電してもらう。これにより、小売電気事業者での事業性や電動車ユーザーの行動の変化、電力系統への影響などを検証する。

今回の実証事業のイメージ(クリックして拡大) 出典:三菱自動車

 今後、EVやPHEVの普及により各ユーザーが充電する時間帯が集中すると、電力系統への負荷が増大することが懸念されている。ダイナミックプライシングは電力の需給状況などに応じて電気料金を変動させる仕組みで、電力系統が混雑する場合などに電気料金を高く設定し、電力供給に余剰のある安い時間帯に充電するよう誘導する。これにより、発電量が不安定な再生可能エネルギーの利用拡大や、需給調整力の確保、電力系統の増強にかかるコストの低減を図る。

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