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» 2020年10月19日 07時30分 公開

組み込み開発ニュース:村田製作所は全固体電池を2020年度中に量産へ、リチウムイオン電池も高出力化

村田製作所はオンライン展示会「CEATEC 2020 ONLINE」に出展する電池関連製品について説明。全固体電池は開発が順調に進んでおり、2020年度中(2021年3月まで)の量産開始という当初計画に変更はない。また、円筒型リチウムイオン電池については、50〜60Aの大電流出力が可能な製品を開発しており2022年4月に投入する計画である。

[朴尚洙,MONOist]

 村田製作所は2020年10月15日、オンラインで会見を開き、オンライン展示会「CEATEC 2020 ONLINE」(2020年10月20〜23日)に出展する電池関連製品について説明した。注目を集めている全固体電池は開発が順調に進んでおり、2020年度中(2021年3月まで)の量産開始という当初計画に変更はない。また、円筒型リチウムイオン電池については、50〜60Aの大電流出力が可能な製品を開発しており2022年4月に投入する計画である。【訂正あり】

【訂正】当初はオリビン型リン酸鉄を用いる円筒型リチウムイオン電池「FORTELION(フォルテリオン)」で大電流出力化を計画しているとしましたが、FORTELIONを含めた円筒型リチウムイオン電池全般の計画でした。これに合わせて記事本文を修正しました。

 同社は、2019年10月開催の「CEATEC 2019」において、最大で25mAhの電流容量を持つ全固体電池を発表した。それまでに製品化されている全固体電池の電流容量は1mAh以下のものが多かったこともあり、大きな注目を集め、「CEATEC AWARD 2019」の経済産業大臣賞も受賞している。

全固体電池の構造 全固体電池の構造(クリックで拡大) 出典:村田製作所

 会見では、全固体電池の製品展開として、高容量型と超小型の2種類で展開する方針を示した。特に、高容量型については、長さ5.6×幅9.6×厚さ4.5mmの場合に電流容量が10mAhになるという製品仕様を一例として示した。「全固体電池は表面実装可能だが、一般的な表面実装部品と同サイズの超小型はもちろん、高容量型も表面実装に対応する。電池は部品の一種とはいえ、これまでは他の部品と同じように取り扱うことはできなかった。全固体電池はコンデンサーと同様に部品として扱えるので、バッテリー搭載型製品の設計の仕方も変わっていくだろう」(村田製作所の担当者)。

高容量型と超小型の2種類で展開高容量型を含めて表面実装が可能 高容量型と超小型の2種類で展開(左)。高容量型を含めて表面実装が可能なことも特徴の一つ(クリックで拡大) 出典:村田製作所

 また、50mWまでの出力特性を有していることからワイヤレスイヤフォンなどまで適用可能であり、さまざまなIoT(モノのインターネット)製品の可能性を広げられるという。動作温度範囲も高温が125℃まで広がるため、従来はリチウムイオン電池を適用できなかった環境でも展開できるとした。

全固体電池の出力特性全固体電池の動作温度範囲 全固体電池の出力特性(左)と動作温度範囲(右)(クリックで拡大) 出典:村田製作所

 一方、ソニーのリチウムイオン電池事業を継承した村田製作所の電池事業では、正極材にオリビン型リン酸鉄を採用し、長寿命と高い安全性を特徴とする円筒型リチウムイオン電池「FORTELION(フォルテリオン)」について、電池セル単体だけではなく、鉛バッテリーを代替するバッテリーモジュールや、電池盤、バッテリーシステムといった販売展開にも注力している。

 また、現在開発中の円筒型リチウムイオン電池製品では、現行のハイパワー品で30〜40Aとなっている電流出力を、低抵抗化の技術にさらなる磨きをかけて50〜60Aまで高めることを目指している。これによって、小型エンジンを用いるような製品の電動化に対応していく考えだ。

村田製作所のリチウムイオン電池のラインアップ 村田製作所のリチウムイオン電池のラインアップ。右側の赤色で示されているエリアが開発中の大電流出力の製品(クリックで拡大) 出典:村田製作所

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