EV用モーターの事業成長を狙う明電舎、最大17万台生産可能な新工場を建設電気自動車

明電舎は2020年10月19日、グループ子会社である甲府明電舎の敷地内にEV用モーターの新工場を建設し、本格稼働を開始したことを発表した。明電舎は「中期経営計画2020」の中で、EV事業を産業システム事業分野における成長事業と位置付ける。新工場建設で、生産設備や開発能力の増強を目指す。

» 2020年10月26日 14時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 明電舎は2020年10月19日、グループ子会社である甲府明電舎の敷地内に電気自動車(EV)用モーターの新工場を建設して、本格稼働を開始したことを発表した。工場の延べ床面積は3500m2で、年間生産台数は最大で約17万台を見込む。

甲府明電舎の新工場外観 甲府明電舎の新工場外観[クリックして拡大]出典:明電舎

 明電舎は「中期経営計画2020」の中で、EV事業を産業システム事業分野における成長事業として位置付け、生産設備や開発能力の増強を目指している。今回の新工場建設も事業成長に向けた投資の一環として実施したものだ。

 今回、甲府に新工場を建設した理由について、明電舎の担当者は「甲府には当社のEVモーターの既存ラインがある。生産実績もある上、生産人員や人材も確保されている。こうした要素に加えて、事業の継続性や生産品目、デリバリーを踏まえて総合的に判断した」と説明している。今後はEV用モーターの生産を担う中核工場として、生産ラインの増強を通じ、事業規模のさらなる拡大を目指していく。なお、生産するモーターの出力や、出荷先については非公開である。

 新工場では欠品検出の他、ネジ穴やケーブル位置の検出、締め付け位置の管理を行うための画像検出技術を導入するなど、徹底した品質管理体制を敷いている。この他、焼きばめ条件や接着剤硬化条件を管理するための温度管理や、一元管理する工程データをトレーサビリティーデータベースと組み合わせることで製品品質を保証する仕組みなどを採用している。

 また、環境への影響を配慮した設備や設計を多数取り入れている。屋上には出力250kwの太陽光発電設備を設置して、自然エネルギーの活用を進める。窓や屋根、外壁には断熱効果が高い材料を使用して、個別分散型エアコンや全熱交換器の設置によって空調エネルギーの使用量削減を図る。節水型衛生器具を使用することで水の使い過ぎも防止する。住宅性能評価・表示協会が定める「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」で最高評価に当たる5つ星を取得するなど、省エネ性も評価されている。

→その他の「電動化」関連ニュースはこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.