自動車ボディーなどの3次元座標を数10μmの精度で取得できる非接触測定機FAニュース

ニコンは、大きな対象物の3次元座標を非接触かつ高精度に取得できる測定機「APDIS」シリーズを発売した。自動車のボディーや航空機など、大きな対象物の3次元座標を数10μmの精度で取得できる。

» 2020年11月17日 07時00分 公開
[MONOist]

 ニコンは2020年10月27日、子会社のニコンソリューションズが、大きな対象物の3次元座標を非接触かつ高精度に取得できる測定機「APDIS(アプディス)」シリーズを発売したと発表した。対象物までの距離が0.5〜30mの「APDIS MV430」「APDIS MV430E」、0.5〜50mの「APDIS MV450」「APDIS MV450E」の4タイプを用意している。

 APDISシリーズは、自動車のボディーや航空機など大きな対象物の3次元座標を数10μmの精度で取得できる大規模空間非接触測定機。小型で軽量なため、ロボットアームなどに搭載し、生産ラインで高精度な検査を実施できる。

キャプション 大規模空間非接触測定機「APDIS MV430」(クリックで拡大) 出典:ニコン
キャプション ロボットアームに搭載できる(クリックで拡大) 出典:ニコン

 非接触式3次元測定機による高精度測定は、主に対象物に反射板を貼付する手法を用いる。同シリーズは、ニコン独自の光利用技術を採用することで、反射板を使わずに高精度な3次元座標の取得が可能だ。

 ロボットアームへの搭載を想定し、従来製品「Laser Radar」より約25%小型化、約40%軽量化した。ロボットアーム搭載時の強い加速度や、上下の反転に耐えられる機構を採用しており、被検物を検査室へ持ち込むことなく、生産ラインで高精度な検査を実施できる。

 また、振動測定に対応し、Laser Radarの約2倍の高速測定モデルMV430E、MV450Eをラインアップ。小型ながら保護等級IP54の耐環境性能を備え、設置場所の幅が広がるとともに、起動、測定時間を大幅に短縮するなど検査工程の効率化に貢献する。

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