ガンプラ工場の新館が完成、国内外の需要拡大に向け生産能力を4割増工場ニュース

BANDAI SPIRITSは、2019年8月に建設を発表していたアニメ「機動戦士ガンダム」のプラモデル(以下、ガンプラ)などを生産する新工場「バンダイホビーセンター新館」(静岡市葵区)が2020年11月30日に完成し、同年12月1日から稼働を開始したと発表した。

» 2020年12月02日 07時30分 公開
[朴尚洙MONOist]

 BANDAI SPIRITSは2020年12月1日、2019年8月に建設を発表していたアニメ「機動戦士ガンダム」のプラモデル(以下、ガンプラ)などを生産する新工場「バンダイホビーセンター新館」(静岡市葵区)が2020年11月30日に完成し、同年12月1日から稼働を開始したと発表した。

バンダイホビーセンターの外観 バンダイホビーセンターの外観。左側が新たに建設した新館。右側は既存のバンダイホビーセンターで、今後は「本館」となる(クリックで拡大) 出典:BANDAI SPIRITS

 バンダイホビーセンター(新館の完成により本館となる)が完成した2006年度のガンプラの年間出荷数は722万個だったが、その後のガンプラの需要に対応すべく同工場内に多色成形機を増設するなどしたこともあり、2019年度の年間出荷数は2006年度比4.3倍の3126万個に拡大している。

 今後も、横浜の山下ふ頭で18mの実物大の動くガンダムを展示する「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」が2020年12月19日にオープンし、中国の上海でもフリーダムガンダム立像の建設がスタートする予定だ。さらに2021年に開催される「ドバイ国際博覧会」の日本館アンバサダーにガンダムが任命されており、米国のハリウッドでガンダムの実写映画が制作される予定もある(公開時期未定)。これらの取り組みによって引き続き国内外でガンプラの需要が高まることを想定し、中長期的に安定した生産体制を整えるため新館の建設を決めた。

 バンダイホビーセンター新館は2019年12月18日に着工。全体敷地面積が1万2261m2のバンダイホビーセンターの敷地内に建設された成形建屋であり、多色成形機6台を増設した。これによりバンダイホビーセンターの多色成形機の台数は35台となる(電動25台、油圧10台、グループ会社貸与含む)。生産能力も2019年時点の1.4倍まで拡大する。延床面積は、3階建ての本館の8767m2に対して、平屋の新館は1488m2となる。バンダイホビーセンター全体の従業員数は2020年11月時点で133人(請負を含めた従事者数は167人)。

 新館では、2台の小型AGV(自動搬送機)の導入によって効率化の向上を図る。また、2021年3月をめどに生産成形管理システムを導入し、“見える化”によるリアルタイムでの生産状況の把握や効率性の向上も目指すとしている。

バンダイホビーセンター新館の内外観や導入した設備 バンダイホビーセンター新館の内外観や導入した設備。6台の4色射出成形機や小型AGVなどを導入している(クリックで拡大) 出典:BANDAI SPIRITS

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