マテリアル・インフォマティクス用SaaSサービスの立ち上げを支援製造IT導入事例

日本アイ・ビー・エムの支援により、長瀬産業は、マテリアルズ・インフォマティクス用SaaSサービスを核とした新材料探索プラットフォーム「TABRASA」を開発した。素材に関する文献やデータをAIが解析し、ユーザーが求める新材料を提案する。

» 2020年12月04日 09時00分 公開
[MONOist]

 日本アイ・ビー・エム(IBM)は2020年11月18日、長瀬産業が提供するマテリアルズ・インフォマティクス用SaaSサービス(Software as a Service)の構築を支援したと発表した。

 化学系の専門商社である長瀬産業は、素材メーカーに提供する新サービスとして、材料探索にAI(人工知能)やデータ処理技術を活用するマテリアルズ・インフォマティクスの利用を検討していた。

 IBMは、このサービス創出を約10カ月間にわたって支援した。ユーザーが利用しやすいSaaSサービスの設計、サービス提供のための体制構築、サービス運営に必要な工程とフローの設定などをサポートし、プロジェクトの進行管理やマテリアルズ・インフォマティクスを核としたプラットフォーム構想を形にするための計画立案にも携わった。

 こうして、新材料探索プラットフォーム「TABRASA(タブラサ)」が完成。TABRASAは、素材に関する膨大な文献や実験データをAIが読み込んで解析し、ユーザーが求める新材料を推測、提案する。また、物質の化学構造や物性値の関連性を学習し、化学構造式として提示することもできる。長瀬産業では、同年11月18日にTABRASAのサービス提供を開始した。

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