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» 2020年12月04日 16時00分 公開

マンツーマン品質を実現、シチズンマシナリーがオンラインNC自動旋盤講習を展開FAニュース

シチズンマシナリーは2020年10月20日、NC自動旋盤の操作技術をオンライン形式で学ぶ「オンラインNCスクール実技講習」を開講した。Web会議システムやスマートグラスなどを組み合わせることで、NC自動旋盤の操作技術を自社工場で学べる仕組みを用意する。

[池谷翼,MONOist]

 シチズンマシナリーは、NC自動旋盤の操作技術をオンライン形式で学べる「オンラインNCスクール実技講習」を2020年10月20日に開講した。顧客の工場とシチズンマシナリーの軽井沢本社(長野県北佐久郡)をネットワークでつなぎ、専門講師がNC自動旋盤の操作方法やメンテナンス方法などを遠隔で指導する。Web会議システムやスマートグラスなどを組み合わせることで、NC自動旋盤の操作技術を自社工場にいながら学べる仕組みを実現した。

オンラインNCスクール実技講習で使用するNC自動旋盤「Cincom」シリーズの「L-12」[クリックして拡大]

スマートグラスなどを駆使して実技講習を「オンライン化」

 オンラインNCスクール実技講習では、シチズンマシナリーが展開するNC自動旋盤「Cincom」シリーズの「L-12」を学習用機材として用いる。受講生はRealwearのスマートグラス「HMT-1」を着用して、L-12を操作している手元の様子などをHMT-1のカメラで撮影する。撮影した映像はリアルタイムで軽井沢本社の講師が確認。「操作盤のどのボタンを押すか」「どのような点に気を付けるべきか」など状況に応じて適切なアドバイスを受講生に伝える。

 カリキュラムは「外形バイトの取り付け」や「バッテリー交換方法」など全部で17個。1回の講習時間は180分で受講料は4万円、都合の良い日時を指定して受講できる。

オンラインNCスクール実技講習の指導イメージ。HMT-1で講師と会話しながら操作方法を学ぶ[クリックして拡大]

 L-12正面にはタブレット端末が設置されている。講師自身が軽井沢本社にあるL-12を操作している映像などを映すことで、操作方法を視覚的に分かりやすく伝えられる。映像の送受信にはWeb会議システムの「Zoom」や「Microsoft Teams」などを用いる。HMT-1にはマイクとスピーカーが搭載されているので、ハンズフリーで講師と会話できる。有線機器は採用せず、講習中の予期せぬ事故発生を防ぐ。

L-12正面にはタブレット端末を設置[クリックして拡大]

 シチズンマシナリー 営業本部 顧客支援ICT推進室 室長の松丸肇氏は「リアルの講習では1人が複数人の生徒を相手に講習を行うことになるが、オンラインだとマンツーマンのプライベートレッスンのような形になる。高密度かつ丁寧な講習が行えるのが利点だ」と説明する。

 スマートグラスやタブレット端末などは無料でレンタル可能。併せて、自社工場内に十分なネットワーク回線がない企業でも受講できるように、LTE回線対応のモバイルルーターやVPNなどをパッケージ化した「alkartstation(アルカートステーション)」も無料で貸し出す。

オンラインに最適な教材開発を目指す

 実際に、筆者もデモ用の加工研修プログラムを体験した。同プログラムではネジの製作を目標に、L-12の電源投入や機器内への材料の適切な設置、自動運転設定での材料加工や顕微鏡による品質確認、部品の微調整など一連の加工作業を実施。約30分ほどのプログラムだったが、講師による操作指示が的確に行われる上、マイクの音声も聞き取りやすい。HMT-1のカメラ画角を調整するのにやや手間取ったが、全体として大きな不便さは感じなかった。松丸氏が言う通り「マンツーマン」状態で指導してもらえるので、疑問点は即座に講師に尋ねて解消できるのも利点だろう。

 「今後、注力したい点の1つが、オンライン講習に最適化した教材の開発だ。最終的には、新入社員がワークの微調整を1人で行える技術レベルに達するような教材やカリキュラムの開発を目指す。これまでリアルの実技講習は、丁寧な説明文や図解をふんだんに用いた当社のオリジナルテキストを使いつつ指導していた。だが、オンラインではテキストを見ながら、というのは難しい。講師からの指示内容もできるだけ具体的にするよう心掛けるなど、受講生に配慮する」(松丸氏)

 今後の展望について、松丸氏は「直近1〜2週間で複数の問い合わせをもらっている。2020年末までには事業として本格的に展開し、同年度中に10件以上の受講企業獲得を目指したい」と語った。

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