日系乗用車メーカーの生産・販売で「過去最高」相次ぐ、新型コロナからの回復進む自動車メーカー生産動向(1/2 ページ)

日系乗用車メーカーの生産が着実に回復している。日系乗用車メーカー8社の2020年10月のグローバル生産実績は、9月と同様に5社が前年比プラスを確保した。このうちトヨタ自動車とスズキは10月として過去最高を更新。世界販売で見てもトヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツ工業が10月の過去最高を記録するなど、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で大きなダメージを受けた自動車市場が好転していることが伺える。

» 2020年12月07日 06時00分 公開
[MONOist]

 日系乗用車メーカーの生産が着実に回復している。日系乗用車メーカー8社の2020年10月のグローバル生産実績は、9月と同様に5社が前年比プラスを確保した。このうちトヨタ自動車とスズキは10月として過去最高を更新。世界販売で見てもトヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツ工業が10月の過去最高を記録するなど、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で大きなダメージを受けた自動車市場が好転していることが伺える。一方、足元ではCOVID-19感染拡大の第3波が世界的に広がっており、回復した新車需要に水を差すことも懸念される。

 8社のうち、グローバル生産がプラスだったのは、トヨタ、ホンダ、スズキ、マツダ、SUBARU(スバル)の5社。国内生産は日産自動車と三菱自動車(以下、三菱自)を除く6社で増加した。海外生産はトヨタ、ホンダ、スズキ、マツダの4社がプラスだった。地域別では世界各国に先駆けて市場回復が進んだ中国の他、北米や日本などがけん引したが、依然として東南アジアの回復遅れが目立っている。

2020年10月の乗用車メーカー各社の生産実績
国内 海外 (うち北米) (うち中国) 合計
トヨタ 309,582 535,525 184,110 136,873 845,107
12.0 7.4 5.3 10.3 9.0
ホンダ 66,509 386,231 164,995 158,722 452,740
18.4 3.7 ▲ 1.4 25.6 5.7
日産 54,967 333,492 111,178 143,410 388,459
▲ 19.8 ▲ 14.2 ▲ 23.6 10.5 ▲ 15.1
スズキ 91,760 212,436 - - 304,196
11.3 35.4 - - 27.1
ダイハツ 96,245 53,169 - - 149,414
22.6 ▲ 30.5 - - ▲ 3.6
マツダ 85,095 42,593 15,171 20,763 127,688
2.8 8.3 57.6 ▲ 2.0 4.5
スバル 61,277 31,261 31,261 - 92,538
34.4 ▲ 12.2 ▲ 12.2 - 14.0
三菱自 39,718 38,185 - 6,948 77,903
▲ 21.7 ▲ 41.7 - ▲ 47.5 ▲ 33.0
合計 805,153 1,632,892 506,715 466,716 2,438,045
※上段は台数、下段は前年比。単位:台、%。北米は、米国、カナダ、メキシコの合計

 メーカー別に見ると、トヨタの10月のグローバル生産台数は、前年同月比9.0%増の84万5107台と2カ月連続で増加するとともに、9月に続き当月の過去最高記録を2カ月連続で塗り替えた。国内生産は同12.0%増の30万9582台で2カ月連続のプラス。好調な輸出に加えて、国内市場向け「ハリアー」「ヤリス」といった新型車の販売が伸長した。海外生産も同7.4%増の53万5525台と2カ月連続のプラス。海外は生産、販売ともに10月として過去最高を更新した。

 生産の地域別では、主力市場の北米が前年同月比5.3%増と4カ月連続で前年を上回った。米国市場の回復が堅調に推移しており、「タコマ」や「RAV4」などのライトトラックの他、「カムリ」や「ハイランダー」などのハイブリッド車(HV)も好調だった。アジアは、同13.3%増と2カ月連続の増加。好調な中国は「カローラ」や「レビン」の販売が伸びて同10.3%増だった他、東南アジアの主力拠点のタイが「ハイラックス」や「フォーチュナー」の販売増により同35.3%増と大幅な回復を見せている。

 その半面、インドネシアは前年同月比29.3%減と回復の遅れが目立っている。欧州はロックダウンなどの措置が取られているものの、生産・販売面への影響は限定的で、ヤリスやカローラなどHV販売の好調さにより生産台数は同3.1%増とプラスを確保した。中南米も市場自体は回復傾向にあるが、アルゼンチンで生産車種の切り替えによる稼働停止を実施したため同15.0%減と前年割れとなった。

ホンダとスズキ

 ホンダの10月のグローバル生産台数は前年同月比5.7%増の45万2740台と2カ月連続で増加した。中でも国内生産が好調で、同18.4%増の6万6509台と2カ月連続のプラスとなった。国内向け「フィット」や「N-WGN」が新型車効果で大幅な伸びを示した他、「フリード」や「N-BOX」が安定した販売をキープした。海外生産も同3.7%増の38万6231台と2カ月連続の増加となった。地域別では、国別で最多の生産を誇る中国は好調が続いており、同25.6%増と5カ月連続で増加するとともに10月の過去最高を更新。その結果、アジアトータルでも同16.1%増と2桁パーセント増を記録。4カ月連続で増加し、10月の過去最高を記録した。

 一方、ホンダにとって中国に並ぶ主力市場である北米は、米国が前年同月比0.5%増と微増を確保したものの、北米トータルでは同1.4%減と2カ月ぶりのマイナスだった。生産撤退を表明している欧州は同23.4%減と30カ月連続で減少した。

 8社の中で最も高い伸びを示したのがスズキだ。10月のグローバル生産は、前年同月比27.1%増の30万4196台と3カ月連続で増加するとともに10月の過去最高を更新した。成長の原動力がグローバル生産の半数以上を占めるインドで、COVID-19感染拡大の影響が懸念される中、祭事期に向けた特需なども重なり1カ月間の販売台数としては過去最高記録を塗り替えた。生産台数も同52.9%増と3カ月連続で増加し、10月としての過去最高を更新。その結果、海外生産は同35.4%増の21万2436台と2カ月連続のプラスを確保するとともに10月の過去最高となった。

 国内生産では「ハスラー」の新型車効果や、「ジムニー」「スイフト」などの販売増加が要因となった他、欧州向けを中心に輸出が前年同月比38.9%増と大幅に伸長。加えて前年が完成検査問題で落ち込んでいたこともあり、国内生産は同11.3%増の9万1760台と5カ月連続のプラスとなった。

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