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» 2020年12月22日 06時00分 公開

車載Linuxはデモから製品化重視へ、コロナ禍でも活動を継続車載ソフトウェア

Linuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)は2020年12月2〜4日、開発者向けイベント「Automotive Linux Summit」をオンラインで開催した。基調講演に登壇したLinux FoundationでAGL担当エグゼクティブ ディレクターを務めるDan Cauchy氏が、コロナ禍におけるAGLの取り組みや、今後の活動方針について語った。

[齊藤由希,MONOist]

 Linuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)は2020年12月2〜4日、開発者向けイベント「Automotive Linux Summit」をオンラインで開催した。基調講演に登壇したLinux FoundationでAGL担当エグゼクティブ ディレクターを務めるDan Cauchy氏が、コロナ禍におけるAGLの取り組みや、今後の活動方針について語った。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、自動車業界は大きな打撃を受けたが、AGLとLinux Foundationのスタッフはオンラインでの共同作業を続けることができた。AGLのメンバーについては、2020年に入ってからCOVID-19の影響などで5社減ったが、新たに13社が加盟。メンバー企業数としては160社に上る(自動車メーカー11社を含む)。さらに、2020年内に4〜5社が参加予定である他、2021年1月には自動車メーカー1社が新規に参加を発表するという。

AGLのメンバー企業各社(クリックして拡大) 出典:AGL

 2020年は「UCB(Unified Code Base)」のアップデートがあり、9月には初めてYocto3.1の長期サポートを受けるUCB10.0(Jumping Jellyfish)を発表した。COVID-19の感染拡大があったものの、予定通りにリリースされた。UCB10.0では、全てのボードサポートパッケージとカーネル、修正プログラムがYoctoから提供され、サポートプロセス全体をAGLに移行できるという。また、量産車での採用も新たに公表された。SUBARU(スバル)は「アウトバック」や「レガシィ」の2020年モデルに搭載するインフォテインメントプラットフォームに、UCBプラットフォームのオープンソースソフトウェアを採用すると2020年1月に発表した。

 2020年の最初の3〜4カ月間では何度かAGLの会議が開かれ、今後12〜18カ月の取り組みの優先順位も話し合われた。まずは、展示会など向けのデモ用のソースコードやアプリの作業量や負担を減らす。完全にオンライン開催となった2021年のCESへの出展も見合わせた(なお、CESは2022年にフィジカルなイベントとして開催予定で、2022年のCESではAGLとしてブースを設ける)。

AGLの中期的な戦略(クリックして拡大) 出典:AGL

 UCBやインフォテインメントシステム、インストゥルメントクラスタに関する取り組みは継続する。特にインストゥルメントクラスタは、複数のアプリケーションをサポートすることが優位性につながるため、スズキが主導するエキスパートグループで継続して取り組む。2021年2月にはUCB11.0(Kooky Koi)のリリースを予定している。

 UCBの量産準備や長期サポートへの投資は拡大する。AGLのメンバーであるパナソニックが主導し、統合コックピットを実現する仮想化技術のサポートなどコックピットのアーキテクチャの進化に対応していく。量産仕様のUCBについては、トヨタ自動車が量産モデルのソースコードを多く提供しており、それを基にUCBのプロファイルを作成していく。今後12〜18カ月の間に、トヨタの支援を受けながらAGLに有益なソースコードを統合し、単一のUCBのベースラインとして可能な限り量産に近い状態にインテグレートする。現在はソースコードのコントリビューションが進行中であり、いくつかのレビューは完了しているという。

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