アルミ並みの強化が可能、ナイロンベースのESD対策専用3Dプリンタ材料を発売3Dプリンタニュース

Markforgedは、電子機器や電子部品の開発、製造に必要となるESD対策プラスチックマテリアル「Onyx ESD」を発売した。ナイロンベースにマイクロカーボンファイバーと添加剤を配合し、ESD性能を備えた。

» 2021年01月07日 13時00分 公開
[MONOist]

 Markforgedは2020年12月9日、電子機器や電子部品の開発、製造に必要となるESD(Elecro Static Dissipative:静電気拡散)対策プラスチックマテリアル「Onyx ESD」を発売した。ESD対策専用に開発され、強度、精度、表面品質を併せ持つ。

 3Dプリンタの一般的な材料は、対象物に静電気放電を発生させる可能性があるため、静電気に弱い電子機器や部品の利用に適していない。Onyx ESDは、ナイロンベースにマイクロカーボンファイバーと添加剤を配合し、ESD性能を備えた。これにより、電子基板の治具や固定具、搬送トレイなど静電気放電の防止が必須となるさまざまな用途で使用できる。

Markforgedの産業用3Dプリンタ Markforgedの産業用3Dプリンタ(クリックで拡大) 出典:Markforged

 ESD対策専用に開発され、強度、精度、表面品質も併せ持つ。表面抵抗値は、105〜107Ωを維持し、理想的な静電気拡散性能を持つ。曲げ強度は83MPaだが、カーボンファイバー、 ファイバーグラス、ケブラーなどの長繊維と一緒にプリントすれば、アルミ並みの最大540MPaに強化できる。

 同社の産業用3Dプリンタ「X3」「X5」「X7」の3機種に対応し、部品や付属品の試作、治具、工具、ケースの製作、少量ロット最終製品などの用途で利用できる。3Dプリントを使ってこれらを内製化することで、製造コストとリードタイム削減につながる。また、クラウド上に接続されたプリンタに、データをワンクリックで出力することも可能だ。

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