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» 2021年01月08日 06時30分 公開

50N対応の協働ロボット用電動3爪ハンド、500gのペットボトルもつかんで持てる協働ロボット

ASPINA(シナノケンシ)は2021年1月7日、把持力を既存モデルの約10倍に強めた50Nモデルの電動3爪ロボットハンド「ARH350A」を発表した。金属加工や精密部品組立、食品・化粧品・医薬品や物流分野などで、協働ロボットとの組み合わせでの提案を進める。

[三島一孝,MONOist]

 ASPINA(シナノケンシ)は2021年1月7日、把持力を既存モデルの約10倍に強めた50Nモデルの電動3爪ロボットハンド「ARH350A」を発表した。金属加工や精密部品組み立て、食品・化粧品・医薬品や物流分野などで、協働ロボットとの組み合わせでの提案を進める。

photo 50Nモデルの電動3爪ロボットハンド「ARH350A」(クリックで拡大)出典:ASPINA

把持力を10倍とした電動3爪ロボットハンド

 ASPINAは「あらゆるものの把持に挑戦」をテーマに2019年11月に産業用ロボットハンド市場に本格参入する方針を示し、把持力が5N(ニュートン)のロボットハンド「ARH305H」を発表した。今回発表した新製品「ARH350A」は、「ARH305H」に対し把持力を約10倍に引き上げた50Nモデルの電動3爪ロボットハンドとなる。

 新製品「ARH350A」は、減速機をハンド内に組み込んだことにより、把持力50N、最大つかみ把持重量3000g、最大つまみ把持重量500gを実現した。「例えば、従来モデルでは500mlのペットボトルは爪に引っ掛ける形でしか持てなかったが、新製品ではつかんで持つことができる。把持力が要求される幅広い用途で活用できる」(ASPINA ALビジネスユニット RT開発課長の佐々木岳氏)。また、ストローク(最大開口径)も従来モデルより大きくした。さらに、停電などの場合も、ブレーキ機能によって対象物(ワーク)を機械的に保持し続けることが可能だ。

photo 「ARH350A」の特徴(クリックで拡大)出典:ASPINA

 また、ロボットハンドの中央部が中空構造となっているため、カメラ機能やライト機能、エアーの活用などさまざまな役割を担わせることが可能だ。さらに、モーターやコントローラーの一体化によって、3爪を交換できる構造とし、用途に応じて2爪などに交換できる。

 従来モデルではユニバーサルロボットの協働ロボットと連携し、プラグ&プレイ(取り付ければ自動的に設定が行われすぐに使える仕組み)での活用を可能としていたが、「ARH350A」ではユニバーサルロボットに加え、台湾のテックマン、ファナックの協働ロボットとプラグ&プレイできるようにした。その他の協働ロボットでも専用アタッチメントで接続することが可能だが「今後プラグ&プレイで使用できる環境を広げていく」(佐々木氏)。

従来モデルと併売し年間1000台の販売目指す

 新製品「ARH350A」と従来製品「ARH305H」は併売する方針としているが、すみ分けについて佐々木氏は「従来製品と新製品は、減速機が搭載されている以外は、モーターと制御の性能は基本的には同じだ。そのため、精密な作業を重視する場合は従来製品の方が適している。一方でより大きな把持力が必要な場合は新製品を使うという形となる」と語っている。

 金属加工や精密部品組み立て、食品・化粧品・医薬品や物流分野などの分野で提案を進め「2製品で年間1000台の販売台数を目指す」(ASPINA 執行役員 ALビジネスユニット長 中込真二氏)。「ARH350A」の価格については「オープン価格であり伝えることはできないが、従来製品と大きく変わらない値段で提供するつもりだ」(佐々木氏)としている。

photo 3kgのダンベルを把持するデモの様子(クリックで拡大)出典:ASPINA

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