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» 2021年01月18日 10時00分 公開

スマート工場を実現する4Mデータ解析、画像解析との融合が新たな価値を生む4Mデータ×画像解析

日立製作所は、自身が製造業でもある強みを生かしさまざまなソリューションでスマート工場化の取り組みを支援している。その代表的なソリューションである4Mデータ解析と、目視検査AIアプリケーション「Hitachi Visual Inspection Application」の事業担当による対談をお送りする。4Mデータと画像解析の融合によってどのような可能性が生まれるのだろうか。

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 デジタル技術の急速な進展を受けて、世界中で社会やビジネスの環境と構造が大きく変化している。グローバル競争が加速する製造業もまた例外ではなく、多様化する市場ニーズの変化にスピーディーに対応可能なモノづくりの実現が急務となっている。そこで今、製造業各社が加速しているのが、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)をはじめとした先端技術を活用することで、データドリブンな生産活動と、適切な経営判断を可能とする「スマートファクトリー」の実現に向けた取り組みである。

 日立製作所(以下、日立)では、自身が製造業でもある強みを生かし、ITとOT(制御技術)を組み合わせたさまざまなソリューションでスマートファクトリー化の取り組みを支援している。中でも独自の切り口となっているのが、製造現場の4M(huMan:人、Machine:設備、Material:材料、Method:方法)データの活用である。そのさらなる進化に向けて、画像データを用いたAI技術の導入も始まっている。日立による画像データを用いたAI技術の応用例として挙げられるのが、目視検査の自動化を支援する目視検査AIアプリケーション「Hitachi Visual Inspection Application(HVIA)」だ。今後は、製造現場の4Mデータ活用とHVIAの融合にも期待が集まる。

 そこで今回は、HVIA事業を担当する日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部 IoT・クラウドサービス事業部 エンタープライズプロダクツ本部 担当部長の及川充氏から、製造業向け4Mデータ活用ソリューションの事業展開を統括する日立製作所 産業・流通ビジネスユニット ソリューション&サービス事業部 産業製造ソリューション本部 産業FAソリューション部 部長の榎堀武氏に、コロナ禍における製造現場の課題や4Mデータ活用ソリューションの進展状況、画像データ活用への期待などについて話を聞いてもらった。

日立製作所の榎堀武氏と及川充氏 日立製作所 産業・流通ビジネスユニット ソリューション&サービス事業部 産業製造ソリューション本部 産業FAソリューション部 部長の榎堀武氏(左)と同社 サービスプラットフォーム事業本部 IoT・クラウドサービス事業部 エンタープライズプロダクツ本部 担当部長の及川充氏(右)

業種を問わず課題に直面する製造業

及川氏 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受けて、現在そしてこれからはWithコロナ/Afterコロナの時代になっていくといわれています。これまでと大きく様変わりする時代を迎えるに当たって、製造業が直面している課題とはどのようなものだと考えますか。

榎堀氏 世界的なDX(デジタルトランスフォーメーション)による変革の流れを受けて、われわれのお客さまをはじめ多くの製造業がデジタルシフトへとかじを切り始めましたが、大きな壁に直面する企業が多いという印象を受けています。さまざまな製造業のお客さまから、デジタル化に向けて「なかなかうまく進められない」もしくは「解決すべき課題が分からない」といった悩みを伺う機会が増えているのです。

 こうした課題解決のキーワードとして日立が掲げているのが「協創」です。お客さまと日立の協創によって「価値ある課題」を発見し、一緒に解決を目指していくことこそ、「お客さまのめざす未来をDXで実現する」ための日立のアプローチであると確信しています。

 予測を超えた経営環境の変化への対応が求められる時代となり、製造業の悩みの種は多岐にわたっています。まず、需要の急激な変動にどう対応するのかという課題があり、しかも限られた現場の人員リソースで対応しないといけません。急激に需要が増えても、コロナ禍などによってサプライチェーンが分断されていては原材料が製造現場に届かないこともあるでしょう。加えて、COVID-19の影響によって“非接触”を実現するコンタクトレスやソーシャルディスタンスが製造現場に求められており、そうした中でいかに事業継続性を確保するのかも大きな課題となっているのです。

With/Afterコロナ時代における製造現場の課題と変遷 With/Afterコロナ時代における製造現場の課題と変遷(クリックで拡大)

及川氏 そうした課題というのは製造業の業種ごとに違いはありますか。

榎堀氏 基本的に業種を問わず満遍なくあるものだと考えていいでしょう。ただし、特に影響を受けた業種としては自動車業界が挙げられます。自動車業界はコロナ禍を受けて一気に需要が減って、その後また一気に需要が回復しています。そのため、車体を組み立てる工場や企業などでは、一つでも部品が届かないと完成させられないため、歯痒い思いをするケースがかなりあったと聞いています。

4Mデータを最大限に活用する日立のソリューション

及川氏 先ほどお話しいただいた課題はどれも全製造業に共通した課題といえるわけですよね。ではそれらの課題解決に向けて製造業としてやるべきこととは何でしょうか。

日立製作所の榎堀武氏 日立製作所 産業・流通ビジネスユニット ソリューション&サービス事業部 産業製造ソリューション本部 産業FAソリューション部 部長の榎堀武氏

榎堀氏 まずは、対応する人員や設備を大幅に変えられない中で、需要が大きく変化しても、いかにして効率よくモノづくりを行えるかがポイントになります。そのための具体的なアプローチは大きく分けて3つあります。1つ目は、限られた製造リソース内での最大化です。ここではデータに基づく客観的なムダの可視化がカギとなります。2つ目は、サプライチェーン分断に備えた対応で、これはバリューチェーンのシームレスな接続により実現します。そして3つ目は、コンタクトレス、ソーシャルディスタンスの実現で、これは主に製造現場のリモートワーク化により対応していくことになるでしょう。

及川氏 そこで、日立の4Mデータ解析ソリューションはどのように貢献するのでしょうか。

榎堀氏 生産現場の4Mデータを収集、解析して、生産ロス、品質ロスなどの製造現場で起きる製造業のお客さまの課題を解決するのが4Mデータ解析ソリューションです。その中でも引き合いが強いのが、生産性の向上を支援する「4Mロス分析サービス」です。

 機械加工系工場の生産現場では、設備や作業者に応じて発生する生産性のバラつきが稼働率を低下させるボトルネックになっています。工場全体の生産性向上には、このボトルネックの解消が不可欠なわけですが、刻々と状況が変化する生産現場においてその要因、すなわちロス要因を特定することは容易ではありません。

 しかし、4Mロス分析サービスは、加工機ログや構内物流データ、作業員動線データなどの相関分析を行うことで作業待ちや滞留といったロス要因を特定、可視化することで生産性の向上を実現できます。ここで重要なのが、機械のデータだけを取得してもそれほど大きな効果は得られないことです。人と機械の関係や、材料、方法に関するデータも含めて解析することが重要なのです。そうすることで、ロス要因の特定を自動化、可視化し、そのロス要因への対策の早期検討と実施が可能になります。

「4Mロス分析サービス」の概要 「4Mロス分析サービス」の概要(クリックで拡大)

及川氏 なるほど、4Mデータを横串に刺して稼働率を解析することがポイントのようですね。

榎堀氏 その通りです。当社では4Mデータの解析についてモデル化しており、4Mデータ解析ソリューションでは、ロス内容分析ロジックや品質要因解析ロジック、故障予兆診断ロジックなど、多様なロジックを用いて4Mデータの解析を行うことができます。その際に最も難しいのが“人”に関する解析なのですが、ここを現在は画像データの解析で対応しています。現場にカメラを設置して、そこから得られた画像データを解析することで、“人”に起因して発生しているロス要因なども特定できるわけです。

画像解析の活用イメージとその魅力とは

及川氏 4Mロス分析サービスでも、画像データを用いて人の動線を解析しているそうですね。

日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部 IoT・クラウドサービス事業部 エンタープライズプロダクツ本部 担当部長の及川充氏 日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部 IoT・クラウドサービス事業部 エンタープライズプロダクツ本部 担当部長の及川充氏

榎堀氏 4Mデータ解析で肝となるのは人の動きです。人の動きを解析する際には、人にセンサーを付けるという手法もありますが、やはりカメラから得られる画像データを解析する方が人にとっての煩わしさが少なく汎用性も高い。現時点の4Mロス分析サービスでは、現場に人がいるかいないかという意味合いでの利用にとどまっていますが、今後は人の動きのより詳細な解析にも活用範囲を広げようとしているところです。

 また、今後は機械の動きについても画像解析はかなりの効果を発揮すると見ています。機械データを取得するのは、メーカーや機器の違い、プロトコルの違いなどへの対応などを含めて意外と手間が掛かる側面があり、全体を俯瞰して見るのであれば画像データの方が適しているかもしれないからです。今後、モノづくりの現場により多くのロボットが入ってくるとなればその動きを解析する必要もあるでしょう。

 将来的に画像解析技術がより高度化していけば、4Mデータ解析の全てにまずは画像解析を適用して、より精度の高い解析が必要な場合にのみ機械データを用いるといった方向に向かっていくのではないでしょうか。画像データの取得はカメラだけあればできてしまうので、その設置のしやすさは、とりわけ製造業にとってかなり魅力的なはずです。

現在の「4Mロス分析サービス」に、より多くの画像データ解析を融合させることで新たな価値を生み出すことも可能だ 現在の「4Mロス分析サービス」に、より多くの画像データ解析を融合させることで新たな価値を生み出すことも可能だ(クリックで拡大)

製造業における画像解析への期待と今後の可能性

及川氏 これまでのお話から、製造業がスマートファクトリーを実現するに当たって、画像解析が非常に重要になってくることがよく分かりました。そしてまた、われわれの部門で取り扱っている、AIを活用した目視検査工程の本番システム構築や運用管理を低コストかつスムーズに行えるように設計されたアプリケーションプラットフォームであるHVIAが大きく役立つであろうことも確信できました。

 これまでのHVIAは目視検査の自動化、つまり画像分類を中心に事業を展開してきましたが、今後は画像解析を含めてより広い範囲で製造業に貢献できると考えています。

榎堀氏 製造業における画像データ活用への期待はとても大きいと言えます。しかしながら、現場に役立つAIモデルを作るとなると、現場のさまざまなソリューションとしっかりつなげていくことが欠かせません。そういった観点からも、4Mデータ解析とHVIAというそれぞれ異なったソリューションを取り扱っている互いの連携をより深めながら、お客さまの「価値ある課題」の解決を実現していこうじゃありませんか。

及川氏 はい、4Mデータ解析と連携し、画像AIアプリケーションプラットフォームという新たな取り組みでお客さまにより貢献してまいります。本日はありがとうございました。

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提供:株式会社 日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2021年2月17日