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» 2021年01月26日 06時30分 公開

CAD/PLM業界もSaaS化へシフト、PTCが「Onshape」日本語版の提供開始を発表CADニュース(1/2 ページ)

PTCジャパンは、SaaS型製品開発プラットフォーム「Onshape」の“日本語版”の提供開始に併せ、オンライン記者説明会を開催。Onshapeの詳しい特長とともに、同社が推進するSaaS戦略のビジョンや今後の展開について語った。

[八木沢篤,MONOist]

 PTCジャパンは2021年1月21日、SaaS(Software as a Service)型製品開発プラットフォーム「Onshape」の日本語版の提供開始に併せ、オンラインで記者説明会を開催した。

「Onshape」の国内展開を本格化、学生向けコンテストも実施

PTC SaaS担当 EVP 兼 プレジデントのジョン・ハーシュティック氏 PTC SaaS担当 EVP 兼 プレジデントのジョン・ハーシュティック氏 ※出典:PTCジャパン

 Onshapeは、CAD業界のパイオニアで、元SOLIDWORKS CEO/共同創業者として知られるジョン・ハーシュティック(Jon Hirschtick)氏らによって設立されたOnshape(製品名と同じ:2012年創業)が開発したSaaS型製品開発プラットフォームで、堅牢(けんろう)なCAD、強力なデータ管理、コラボレーションツールが統合されている。2019年11月にPTCがOnshapeを買収した後、創業者の1人であるハーシュティック氏は、PTC SaaS担当 EVP 兼 プレジデントに就任している。

 Onshapeを手にしたPTCは、インダストリー領域における製品開発向けSaaSソフトウェアの展開をさらに強化。買収以降、Onshapeへの投資を拡大し、教育機関からスタートアップ企業、大企業に至るまで、幅広い市場への展開を推し進めてきた。そして、今回、日本語版を完成させ、PTCジャパンはOnshapeの国内展開を本格化させていく考えだ。

 現在、Onshape日本語版は、販売代理店であるSB C&Sと大塚商会を通じて購入可能だ。今後、多数の販売代理店経由で入手できるようになるとしている。

日本語版の提供を開始したOnshape 日本語版の提供を開始したOnshape ※出典:PTCジャパン [クリックで拡大]

 商用版の他、教育版「Onshape Education Enterprise」も用意する。Onshapeは、既に多くの教育現場でCADの実習や遠隔授業などで活用されており、グローバルで児童や学生のSTEM教育に貢献している。日本の教育機関でも採用が進んでおり、2021年9月末まで無料で利用可能だという。また現在、ロボット開発をテーマにした学生向けコンテスト「完全SaaS型3D CAD“Onshape”学生デザインコンテスト」も開催中だ(応募受付:2021年2月28日まで)。

導入実績(1)導入実績(2) Onshapeの導入実績について ※出典:PTCジャパン [クリックで拡大]

互いに離れた場所から設計の共同作業/コラボレーションが可能に

 Onshapeは、3D CAD、データ&リリース管理、コラボレーションツール、セキュリティやコンプライアンスの制御、分析&レポート、統合&パートナーといった各種機能を1つの環境に統合し、SaaSモデルで提供する製品開発プラットフォームだ。

Onshapeが提供する機能 Onshapeが提供する機能 ※出典:PTCジャパン [クリックで拡大]

 Webブラウザさえあれば、どのようなデバイスからでも利用でき、従来のオンプレミスによる製品開発環境のように、3D CADやデータ管理のためのPDMなどを個別にインストールする必要はなく、各ツールのバージョン管理などの手間も不要となる。また、データはクラウド上で一元管理され、SSOT(Single Source of Truth:信頼できる唯一の情報源)を実現し、煩わしいファイル管理/版管理に悩まされることなく、全ての設計者が同じデータにアクセスしながら設計、コラボレーションすることができる。

 記者説明会では、実際に互いに離れた場所にいる2人のデモンストレーション担当者が、OEMとサプライヤーに扮(ふん)して、コラボレーションしながら設計業務を共同で推進する様子を見せた。

 OEM担当者が、サプライヤーの担当者に製品の3D CADデータへのアクセス権を付与し、それぞれがOnshape上で同じ3Dモデルを開くことができる様子や、OEMがサプライヤーから受け取った部品を製品に組み付けると、それが瞬時にサプライヤー側の環境に反映される様子を紹介。さらに、OEMがチャット機能やマークアップ機能を用いてサプライヤー側に修正指示を出したり、それを受け取ったサプライヤーが修正作業を行い、部品を再度リリースしたりする様子などもデモで示した。

それぞれがOnshape上で同じ3Dモデルを開いている様子 それぞれがOnshape上で同じ3Dモデルを開いている様子 [クリックで拡大]
OEM担当者(画面左側)がチャット機能でサプライヤー(画面右)へ修正指示を出している様子 OEM担当者(画面左側)がチャット機能でサプライヤー(画面右)へ修正指示を出している様子 [クリックで拡大]

 なお、部品の変更履歴についても自動で版管理され、変更前と変更後の部品形状の変化を視覚的に確認できる。その他、図面作成、Onshapeと連動して動作するサードパーティー製アプリが利用できるApp Storeや、各担当者の稼働状況やタスク進捗(しんちょく)をダッシュボード形式で確認できる機能などの紹介も行われた。

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