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» 2021年02月01日 09時00分 公開

複数の関節が連動する複雑な動作を高精度で認識するAI技術を開発製造ITニュース

富士通研究所は、複数の関節が連動する複雑な動作を高精度で認識できるAI技術を開発した。工場での作業手順の確認や、公共機関における危険行動検知などでの活用が見込まれる。

[MONOist]

 富士通研究所は2021年1月13日、開梱作業など、複数の関節が連動する複雑な動作を高精度に認識するAI(人工知能)技術を開発したと発表した。人の複雑な行動を各関節の位置や接続関係から高精度に認識できるため、工場での作業手順の確認や公共機関における危険行動検知などでの活用を見込む。

 同技術では、関節位置をノード(頂点)とし、人体構造に基づいて隣り合う関節を結んだエッジで構成されるグラフを採用。グラフ構造の畳み込み演算をする、グラフ畳み込みニューラルネットワークの新しいAIモデルを開発した。

キャプション 開発技術の概要(クリックで拡大) 出典:富士通研究所

 関節の時系列データを用いてこのモデルをあらかじめ学習することで、近接する関節同士の接続強度(重み)が最適化され、行動認識に必要な接続関係を得られる。従来の深層学習を活用した映像認識技術では、各関節位置の時間的変化を基にした簡単な行動パターンしか認識できなかったが、連動する関節の特徴量を抽出できるため、複雑な行動を高精度で認識可能になった。

 行動認識分野における骨格データを用いた世界標準のベンチマークで評価したところ、立つ、座るなどの単純な行動では従来技術と同等の正解率を維持した。また、開梱作業や物を投げるなどの複雑な行動認識では、従来技術より正解率が向上。全体として、7%以上も認識精度が改善した。

キャプション 開発技術による正解率(%)の改善 出典:富士通研究所

 今後、このAIモデルを同社の行動認識AI「行動分析技術 Actlyzer(アクトライザー)」の基本動作100種類に追加し、複雑な行動を高精度に認識するモデルを短時間で構築可能にする。併せて、2021年度中の実用化を目指す。

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