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» 2021年02月15日 07時30分 公開

「EV化で工作機械需要が20%減る」は誤解、市況の緩やかな回復を見込むDMG森精機製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

DMG森精機は2021年2月12日、2020年度(2020年12月期)の業績を発表。市場環境は2020年4〜6月を底に回復しつつあるもののDMG森精機は2021年2月12日、2020年度(2020年12月期)の業績を発表。市場環境は2020年4〜6月を底に回復しつつあるものの通期では連結受注額が32%減となった他、受注残高も前年度末に比べて500億円減少するなど、厳しい状況を示した。

[三島一孝,MONOist]

 DMG森精機は2021年2月12日、2020年度(2020年12月期)の業績を発表。市場環境は2020年4〜6月を底に回復しつつあるものの通期では連結受注額が32%減となった他、受注残高も前年度末に比べて500億円減少するなど、厳しい状況を示した。

業績は第2四半期を底に緩やかに回復

photo DMG森精機 取締役社長の森雅彦氏

 DMG森精機の2020年度の業績は、売上高が前年度比32%減の3283億円、営業利益が同71%減の107億円、税引き前利益が同84%減の51億円、当期純利益が同91%減の17億円という結果となった。また、連結受注高は同32%減の2797億円だった。

 DMG森精機 取締役社長の森雅彦氏は「コロナ禍による影響は第2四半期(2020年4〜6月)を底に回復してきている。2021年は市場環境も平常化するが回復は緩やかな見込みだ。2023〜2024年に完全回復するだろう。市場の回復に合わせて製品の提供などもタイムリーに進められるように準備を進めていく」と述べている。

photo DMG森精機の2020年度の実績(クリックで拡大)出典:DMG森精機

 ただ一方で、前回の経済危機であったリーマンショック時の経営状況と比較し「当時は受注高が3分の1に落ち込み、大幅な赤字となったが、今回は受注高が約半分になった状況で、黒字を確保できている。損益分岐点の引き下げなどの取り組みに加え、不況下で進む安売り競争などに巻き込まれず、高速化や高精度化、5軸化や複合化、ターンキー化、自動化により、1台当たりの販売単価を維持できていることが要因だ」と森氏は語っている。

photo 1台当たりの機械受注単価推移(クリックで拡大)出典:DMG森精機

 受注状況を地域や業種で見た場合は明暗が分かれる状況が生まれている。地域別では「米国や中国の需要は早く回復し、2020年度は地域別比率が高まる状況となった。欧州もまずまず回復傾向にある。慎重な姿勢で緩やかな回復となったのが日本とドイツだ」と森氏は各地の状況について語る。

 業種別では「半導体や金型分野が伸びている。電気自動車(EV)関係の新素材加工や軽量化ニーズにより動きが出ている。その他では航空宇宙領域では航空機向けの需要は下がったものの、宇宙分野向けがアディティブマニュファクチャリング対応モデルなどで大きく成長している。また、地球温暖化対策の観点でエネルギー効率化を造船や発電などの大規模設備で行うケースも増えており、こうした大型受注が増えている」森氏は各業種の動向を述べている。

photo 地域別、業種別などの連結受注構成(クリックで拡大)出典:DMG森精機

受注は回復もCOVID-19で売り上げ計上は不透明に

 2021年度(2021年12月期)の業績予想は「市場環境が緩やかな回復を示す中で、2020年度並みの業績を維持する」(森氏)。売上高は2020年度比0.5%増の3300億円、営業利益は同2.8%増の110億円、税引き前利益は同27.5%増の65億円、純利益は同135.3%増の40億円を見込んでいる。連結受注高は同35.9%増の3800億円を見込む。ただ、この状況については「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン次第だ」(森氏)としている。

 「期初の受注残高は前年度に比べて500億円少ないものの、受注状況は好転してきており2021年度の受注額は4000億円に到達するかもしれない。しかし、製品を納品するだけで売り上げが立つものについてはよいが、システム製品など、顧客が立ち合い検収に来て、据え付けエンジニアが微調整をしてようやく納品となる製品では、人が動く必要があり、COVID-19次第で納品が遅れる可能性がずっと残る。機械を作るところ以外でいかにリードタイムを削減できるかがポイントであり、そこでデジタル技術を活用して短縮する。差を生み出していきたい」と森氏は語っている。

photo 2021年度通期の業績予想(クリックで拡大)出典:DMG森精機
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