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» 2021年03月15日 10時00分 公開

データを使った設備保全や品質改善で突き当たる課題とその解決策製造現場のデータ活用

スマート工場化などに大きな関心が集まり、製造現場で「データ」を活用した設備予防保全や品質向上、トレーサビリティー確保などの取り組みが広がっている。ただ、実際に取り組み始めるとさまざまな障壁でうまくいかないケースが多いのも現実である。これらを乗り越えるために何が必要だろうか。

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 製品の多様化や複雑化、製造現場での人手不足への対応などから、製造現場ではスマート工場化への取り組みが加速している。「データ」を基軸とし、設備予防保全や品質向上、トレーサビリティー確保などに取り組む動きは既に多くの製造現場で進められている。ただ、多くの実証は進められているものの、実際に取り組むと障壁が多く、現場で運用し成果に結び付く前に、プロジェクトがストップしてしまうケースも数多いのが現実である。

 障壁として大きいのが「データを活用する前」の負荷が非常に大きいということだ。製造現場には、データ活用を前提としていないさまざまな機器が稼働しており、複数の機器群でのデータを活用するためにはそれぞれの機械が生み出すデータ項目や、通信プロトコルなどを取りまとめていく必要がある。また、集めたデータを活用するにもさまざまなアプリケーションに合う形に変換する必要があり、こうした作業を個々の企業で行うには大きな負担となる。

 こうした製造現場(エッジ)でのデータ活用の負荷に関する共通課題を、複数企業で協力して解決していこうとしているのがEdgecrossコンソーシアムである。

350社が参加し2800ライセンスが販売

 Edgecrossコンソーシアムは、2017年11月にアドバンテック、オムロン、NEC、日本IBM、日本オラクル、三菱電機の6社が幹事会社となって設立。その後日立製作所も幹事会社として加わり、この7社を中心に運営を進めている団体である。「企業・産業の枠を超え、エッジコンピューティング領域を軸とした 新たな付加価値創出を目指す」をミッションとしており、エッジ領域のデータ活用を支える「エッジコンピューティング領域のソフトウェアプラットフォーム」を目指している。2018年5月から、エッジコンピューティングの共通基盤となる「基本ソフトウェア」とデータ連携を実現する「データコレクタ」、基本的な活用方法をパッケージ化した「エッジアプリケーション」などが展開されている。

 発足から3年が経過した、2021年1月末時点で350会員以上の企業・団体が参加しており、これらの企業から認定製品は57製品、ECサイトであるEdgecrossマーケットプレイスでは71製品が提供されている。既に基本ソフトウェアは2800ライセンス以上が販売され、実導入による成果が本格的に増加してきた状況だ。Edgecrossコンソーシアム 事務局長の徳永雅樹氏は「発足当初の5カ年計画で考えると、ライセンス販売数や会員数など、既に目標を超えているものもあり、順調だという手応えだ」と語っている。

photophoto 提供されているデータコレクタ一覧(左)、エッジアプリ一覧(右)(クリックで拡大)出典:Edgecrossコンソーシアム

生産性を20%改善、住友ベークライトや飯山精機の事例

 さらに、2020年度はこれらの対応製品の拡大などを含め、実際に製造現場で成果を生み出した成功事例が増えてきたことが特徴である。

 その1つとしてプラスチック製品の開発や製造を行う住友ベークライトでの事例がある。住友ベークライトでは、国内基幹工場の主力生産ラインで、デジタル化を推進。装置から稼働データや品質情報を収集し、そのデータを分析し、自動監視や自動制御を行う取り組みを進めているが、この稼働データの収集で障壁となったのが、異なる装置メーカーの出力情報を一元化するところだった。ここにEdgecrossを活用し、通信規格の差異を吸収し、複数種類のデータを工場全体で分析できる環境を構築した。最終的には工場のデジタル化による生産効率20%向上を達成できたという。

photo 住友ベークライトの生産ラインデジタル化の取り組み。データ収集の部分でEdgecrossを採用している(クリックで拡大)出典:NEC

 また、長野県で産業用機械部品を製造する飯山精機では、工作機械の実稼働時間の算出や現場作業者の効率改善を進めるために、生産現場のデータ活用を進めることを決めた。ただ、マルチベンダー環境に対応し、これらの情報を既存の上位システムに連携させる仕組みに課題があり、これを解決するためにEdgecrossを採用した。Edgecross認定データコレクタにより現有の工作機械の実稼働データを収集し、Edgecrossの上位連携インタフェースで既存の生産システムとの連携を実現。これにより実稼働データをリアルタイムで容易に把握できるようになった他、製品ごとの進捗を高度に把握できるようになった。さらに、既存生産管理システムとの連携で、段取り替えの準備の効率化やリモート監視やリモート補正なども実現できるようになったという。

photo 飯山精機での工作機械からのデータ収集の事例(クリックで拡大)出典:Edgecrossコンソーシアム

 その他でも、素材メーカーでの製造工程での品質ロス削減や、稼働監視や設備分析、自動車メーカーでのエネルギー管理や使用分析、輸送機メーカーでのリアルタイムな設備分析と稼働監視など、実際に製造現場で数多く活用され成果を生み出しつつあるという。徳永氏は「活動開始から3年がたち、ようやく実際に製造現場での成果も数多く生まれるようになってきた。引き続き、現場でのリアルな成果をより多く発信していきたい」と語っている。

エッジコンピューティングの活用環境をさらに拡大し定着へ

 Edgecrossコンソーシアムでは、これらの実際の活用事例を拡大するとともに、エッジでのデータ活用を促進するためにマーケティング部会と、テクニカル部会の2つの部会でさまざまな活動を進めている。マーケティング部会には約60社の企業が参加し、勉強会の開催やネットワーキング活動などを支援。先進的な取り組みを行った対応製品を評価する「Edgecrossアワード」なども展開する。

 また、業種に特化したソリューションを構築するための検討も進めている。具体的には金属加工業に特化したソリューション構築の要件などを導き出す金属加工業ワーキンググループと、食品製造業に特化した食品製造業ワーキンググループでの活動を行っている。「参加企業の要望などにより、他の業界のソリューション構築なども含めて活動の枠組みを増やしていきたい」(徳永氏)。

 テクニカル部会には約30社が参加。Edgecrossの仕様策定や認定試験の仕様作成、要求仕様策定、セキュリティガイドラインなど、技術的な問題に関する取り組みを進めている。徳永氏は「活動当初は知名度を特に重視していたが、導入事例も徐々に増え、より現実的な価値を提供する形でシフトしてきた。2021年度も着実に利用される環境を広げていく」と語っている。

 製造現場でのデータ活用に取り組み、負担が大きすぎてうまくいかないというケースで悩む企業は多いが、そうした企業にとって、350社・団体が参加し協力してエッジでのデータ活用環境を広げる取り組みを進めているEdgecrossコンソーシアムは、データ活用の負荷を一緒に低減してくれる大きな助けとなるだろう。2021年3月26日にはオンラインイベント「Edgecrossフォーラム 2021春」も開催予定となっており、製造現場のデータ活用に悩む企業は、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。

Edgecrossフォーラム 2021春 開催!【参加費:無料】

 2021年3月26日にはオンラインイベント「Edgecrossフォーラム 2021春」を開催予定です。Edgecrossの導入事例などを数多く紹介予定です。オンラインでの開催ですので、お気軽にご参加下さい。

photo イベント申し込みページ(クリックで申し込みページへ)

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提供:一般社団法人Edgecrossコンソーシアム
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2021年4月14日