「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像

ステアリングから手を離せる「ハンズオフ」が出そろった!自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)

» 2021年04月10日 08時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
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 レベル3の自動運転について、トヨタグループであるWoven Planet Holdings(ウーブン・プラネット・ホールディングス)のCTOである鯉渕健氏は「自動運転のレベルを上げればユーザーがうれしいのか、使いこなすのが難しいのではないか、システムからドライバーへの運転交代が多発するとわずらわしいのではないか、と考えてきた。使いやすさ、便利さ、嬉しさのバランスを試しながら分析している」と述べています。

 レベル3の自動運転に対応したホンダ「レジェンド」も、取り扱いの説明などで一人一人のユーザーに丁寧に対応するため100台限定のリース販売としています。ドライバーが周辺監視から離れるというのは、今までのADASの進化にはない大きなステップで、クルマのことを十二分に理解した上で使ってもらう必要があります。決して、なんとなくで使える機能ではないのです。

 渋滞中に一定以下の速度であれば使うことができる機能と考えると、どれだけうれしいのか乗らずにイメージするのは少し難しいです。しかし、これまでの経験からいえば、アクセルペダルやブレーキペダルの操作から解放されるのは小さなことのようでありがたい機能でした。渋滞中のレベル3の自動運転も、きっと使ってみるとうれしい進化なのだろうと思います。

春なのでおすすめしたい、「いまさら聞けない」シリーズ

 今週公開した記事についても紹介します。まずは、カッパッパ氏の連載「いまさら聞けない自動車業界用語」の最新回「チーフエンジニアや経営企画でなくても、クルマの未来を考えることが必要だ」です。規制やコストのことは一旦置いておいて、自動運転車やコネクテッドカー、モビリティサービスによって将来がどうなるかを考えてみませんか……という回です。

 今年は何事もなければ東京モーターショーが開催される年です。また以前のようにモーターショーが開催されるのであれば、さまざまなコンセプトカーや開発中の技術が見られるでしょう。コンセプトカーの多くは、そのまま量産することが難しいけれども未来を描いたアイデアが満載です。モーターショーで感じられるそういう前向きさが、個人的には大好きです。

 開発職ではないのでクルマの未来を考えるのは自分の仕事ではない、と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、アイデアが今の仕事にどうつながるかは分かりません。週末に目の前の業務のことを考えるのはしんどいですが、現実的なあれこれを忘れてゆるゆると考えられるテーマなら、いいアイデアが浮かんでくるかも知れません。

 最後に、新年度で新しいお仕事に携わった方に読んでいただきたい、自動車関連の「いまさら聞けない」シリーズをご紹介します。

おすすめのいまさら聞けないシリーズ

 何か1つでもお役に立てれば幸いです。こちらにも連載や特集をまとめていますので、ぜひご覧ください。→オートモーティブ 連載・特集一覧

今週はこんな記事を公開しました

→過去の「自動車業界の1週間を振り返る」はこちら

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