ニュース
» 2021年04月20日 06時00分 公開

火災のルネサス那珂工場は予定通りに生産再開、大半の設備が4月中に調達完了へ車載半導体

ルネサス エレクトロニクスは2021年4月19日、オンラインで会見を開き、ルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリングの那珂工場(茨城県ひたちなか市)で発生した火災からの復旧状況について説明した。

[齊藤由希,MONOist]

 ルネサス エレクトロニクスは2021年4月19日、オンラインで会見を開き、ルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリングの那珂工場(茨城県ひたちなか市)で発生した火災からの復旧状況について説明した。

 火災は2021年3月19日午前2時47分、300mmウエハーの生産ラインであるラインN3棟1階の一部工程で火災が発生、同日午前8時12分に鎮火した。出火元はN3棟の1階にあるめっき装置で、過電流が発生したことで発火に至った。人的被害や工場の建屋への被害はなかったが、N3棟1階のクリーンルーム1万2000m2のうち5%に相当する600m2が焼損した。

 2021年3月末の時点では、火災から1カ月以内にクリーンルームを復旧させて生産を再開すること、4月末までに必要な製造設備が調達できれば、5月下旬から残存する仕掛品を製品出荷できることを見通しとして示していた。当初の見込み通り、火災から1カ月以内となる4月17日に生産を再開。また、焼損した製造設備の調達はほとんどが4月中に完了できるメドが立った。当初は納期が5月以降、納期未定だった製造設備が少なくなかったが、大半が4月中に繰り上がった。また、一部の設備はすぐに調達できなくても、既存の装置の能力増強や、代替生産によって当面は生産能力を回復できることが明らかになった。

製造設備調達の見通し(クリックして拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 現在、火災前の10%程度の生産能力で稼働しているが、4月23日までに火災前の30%、4月中に火災前の50%まで段階的に引き上げる。5月中に火災前の水準まで生産能力が回復する見通しだ。なお、製品出荷の回復は、3月末の想定よりもやや後ろ倒しとなる。製造装置の立ち上げに当たって不具合への対処や部品交換、洗浄などを継続しており時間を要している。ルネサス エレクトロニクス 代表取締役社長兼CEOの柴田英利氏は「もともとが野心的なスケジュールだった。想定外の後ろ倒しではない」とコメントした。

製品出荷の回復の見通し。青いラインが今回発表した予測で、当初の見通しである赤いラインよりもやや後ろ倒しとなる(クリックして拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 社内外での代替生産は、当初の見込みよりも早く立ち上がり、出荷量の回復遅れをカバーする。また、2カ月分を代替生産する場合について、生産能力の増強などにより外部で製造可能な量が当初よりも増えた。停電が発生した代替生産先もあるが、供給に大きな影響はないとしている。

 火災の根本的な原因は現在も特定できていない。火元となった設備と同じ機能のめっき装置は3台が焼損し、4台が残っている。火元となった設備とは異なる電源配線構造を採用し、今回と同じ原因での発火を防止するという。また、CO2消火器も導入する。火災報知機や煙、熱のセンサーと連動させ、6月以降は自動で消火機能が作動するようにしていく。

めっき装置の火災対策(クリックして拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

→その他の「車載電子部品」関連記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.