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» 2021年04月27日 10時00分 公開

“効果を生み出し続けるAI活用”に必要なこと、異常検知のその先製造現場向けAI技術

製造現場でのAI活用への注目が高まっているが、成果を生み出すのに苦労している企業も多い。その中で簡単に成果を生み出せる異常検知ソリューションとして、多くの製造現場から支持を得ているのが、ブレインズテクノロジーの「Impulse」だ。その秘訣とImpulseが描くAI活用の将来像を紹介する。

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 人手不足やコロナ禍により製造現場での自動化ニーズが急速に高まっている。スマート工場化などへの取り組みが広がる中、特に現場での活用で人手による負荷軽減で期待を集めているのが、機械学習などを含むAI(人工知能)関連技術の活用である。ただ、実際には成果までのハードルは高く、求める結果を得られていない企業も多い。学習データの準備やデータ取得の枠組み、得られる効果とビジネス価値との整合性の問題など、乗り越えなければならないハードルが数多く存在するからだ。

 こうした中で、ターンキー型の現場向け異常検知ソリューションを打ち出し、いち早く製造現場での導入を広げ、実際にそれぞれの製造現場で成果を生み出し続けているのが、ブレインズテクノロジーである。同社では機械学習技術を軸とした異常検知ソリューション「Impulse(インパルス)」を展開し、製造現場で多くの実績を生み出し続け、さらにその先として「使い続けても期待通りの成果を生み出し続ける」という新たな取り組みを進めている。

現場の課題を自ら解決できる異常検知ソリューション

 ブレインズテクノロジーは2008年創業のエンタープライズAI分野に特化した企業である。異常検知ソリューションの「Impulse」と、企業内全文検索エンジン「Neuron Enterprise Search(ニューロンエンタープライズサーチ)」を2本柱として展開している。

 Impulseは2014年に展開を開始。異常検知や不良品検出、要因分析、外観検査など現場の声を反映した機能を取りそろえ、クラウドやエッジ、オンプレミス環境などさまざまな環境でモデル学習と推論の実行が可能な柔軟なアーキテクチャとなっている。機械学習の専門スキルを持っていなくてもAIと対話しながら、センサーデータ、静止画・動画といった多様なデータから精度の高いモデルを構築できる他、学習履歴を蓄積・再利用する機能も充実しているため、組織横断型のAI活用にも使えるのが特徴だ。

photo Impulseの基本的な仕組み(クリックで拡大)出典:ブレインズテクノロジー
photo ブレインズテクノロジー 取締役兼最高技術責任者(CTO)の中澤宣貴氏

 Impulseの強みについて、ブレインズテクノロジー 取締役兼最高技術責任者(CTO)の中澤宣貴氏は「分析ツールではなく、分析した後に現場業務にどう反映させるかというところまで、カバーしているところが特徴です。製造ラインの中に組み込んで使用できる点が強みだと考えています」と語る。こうした「使いやすさ」が高い評価を受け、製造現場のさまざまな機械設備の異常検知用途で活用されている。

 例えば、発電設備やコージェネレーションシステム、産業機械(産業用ロボット、ポンプ、モーター)、製造機械(射出成形、ドリリング)、建設機械(タワークレーン、エレベーター)における予知保全や保守で活用されている他、自動車部品製造(トランスミッション、ギア、ドライブシャフト、バンパー、塗装など)、化学製品製造(フィルム製造、セラミックス製造など)、鋳造製品製造(生型砂処理設備など)、食品製造(異物検出、包装不良の外観検査など)における品質管理や改善などで導入が進んでいる。中澤氏は「2014年から現在まで100社を超えるエンドユーザでの利用実績があります。その中でImpulseが作り出した2万1000を超えるAIモデルが活用されています」と中澤氏は実績について語る。

 2020年9月にリリースした「Impulse 2.0」では、「学習の仕方を学習する」など、“AIモデルを作成する作業そのものをAIがサポートする”という機能を拡充。より短期間で効果的にAIモデルを構築し、実業務での成果につなげられるようにしている。「多様化するデータや各組織の分析テーマを横断的に扱うDX専門組織も、目の前の課題をAIで手軽に分析したいという製造現場も、より容易にImpulseを業務に取り入れることができます」と中澤氏は訴える。

AIが期待通りの成果を生み出し続けるために

 Impulseではさらにその先を見据えた開発も進めている。生産ラインでAIを活用していく中で「立ち上げ」や「初期稼働」で成果を生み出しても、「展開」や「安定運用」など適用を広げていく中でデータのばらつきが増えることでモデルが劣化し、期待通りの成果が得られなくなる場合がある。

 中澤氏は「立ち上げ期や初期稼働時は、事前準備をするデータなどを活用して学習するために、データそのもののばらつきが小さいが、展開を進めていく中では予想もしなかったばらつきが生まれることがある。こうしたデータを学習してしまうことで、AIモデルそのものが求める成果から離れていってしまうことがある。これらを避けるためにはある程度、ばらつきを予測したデータで学習する必要がある。また、AIモデルそのものを管理し、学習したデータと生まれたモデルの相関関係を明らかにしていくことで、どういう学習をすればどういうモデルが生まれるのかというのを効率化していくことができる」と構想について語っている。

 これらの「AI活用で期待する成果が得られない」とする課題を解消する開発をさらに進めていく計画だ。例えば、立ち上げ期の「検査高度化」、初期稼働時の「ばらつきの自動学習」、展開時の「AIモデル管理」などである。

photo ライフサイクルでのAIの価値を高める取り組みを強化(クリックで拡大)出典:ブレインズテクノロジー

 具体的に「検査高度化」の中で、進めているのが、3Dや動画への対応だ。「定量化や自動化が進み、しきい値で判別できる品質検査や比較的シンプルな加工物の外観検査などでは2Dでも対応できます。ただ、非常に複雑な形状の中に発生した微妙な異常を検知するとなれば、やはり3Dで見るしかありません」と中澤氏は語る。

 また、動画を用いた異常検知にもアプローチする。「動画は情報量が多いので、静止画で発見することができなかった動きの変化を捉えた異常検知を行うことができます。可動部を持った設備の故障はもちろん、例えば人の動作に着眼すれば不良発生につながる作業手順の違反や不正、不慣れを発見するといった、多岐にわたる分析を行うことが可能となります」と中澤氏はその狙いを示す。

 さらに、これらも含めてマルチモーダルな検査の実現にも取り組む。静止画による「見た目」、動画で捉えた「動き」に加え、例えば産業用ロボットに流れる「電流の変化」、作業に伴って発生する「音」など、状態を読み取るさまざまなデータを複合的に捉えて分析することで、多様な製造現場の状況にあった高精度の異常検知を実現していくという。

photo 3D CADデータや動画など高度なデータを活用(クリックで拡大)出典:ブレインズテクノロジー

 「ばらつきの自動学習」については、製造や撮影のばらつきなどを自動生成し、あらかじめばらつきも織り込んだ上で学習する仕組みを取り入れていく方針だ。具体的には深層学習(ディープラーニング)を用いて2Dデータから3D構造を理解する手法の開発を進める他、3D CADの画像を基に、異物や変形、寸法違いデータなどを自動作成し、事前学習する仕組みなどの開発を進めている。

中澤氏は「レンダリングや照明などを自動で変化させる仕組みなども含め、なかなか不良や異常のリアルデータが得られない製造現場でも効率的な学習を行える仕組みの開発を進めています」と中澤氏は述べる。実際にこれらの3D化の技術は、これまで自動化が難しく人に頼っていた外観検査にも応用されているという。

photo 3D CADデータからばらつきを創出して学習(クリックで拡大)出典:ブレインズテクノロジー

 「AIモデル管理」については、モデルの管理を進めることにより、学習とモデルの相関性を解き明かし、求める成果を生み出していく方針だ。「AIの横展開を進める中で、求める精度が出ない場合も多く生まれます。チューニングによりこれらを解決できるような仕組みができれば、AI活用をより広げることができます。既に展開済みの2万1000モデルの実績を生かし、これらの相関性を解き明かしていきたいと考えています」と中澤氏は語っている。

photo モデル活用の高度化を推進(クリックで拡大)出典:ブレインズテクノロジー

Azureのメリットを最大限に活用して製造業のDXを推進

 将来を見据えて拡張を続けていくImpulseだが、その進化をしっかりと支えているのがMicrosoft Azureである。Impulseでは、IoTデバイスとクラウド間の双方向通信を担うAzure IoT Hubやデータベースなど、データの収集から蓄積、作成されたAIモデルの製造現場への展開まで、Microsoft Azureのマネージドサービスをフルに活用して基盤を構築することも可能だ。また、膨大な計算量の高速処理が求められる機械学習のモデル作成には、GPUを搭載したAzure上の仮想マシンも活用している。

 Microsoftとしても、クラウドとエッジを組み合わせ「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」の実現に向けて、Azure IoT Edgeを活用したエッジ側での推論環境の構築を強化している。工場や建設現場など大規模データの処理に適したネットワーク設計が取れない中でAIを活用した設備点検や予兆保全を実施するためには、エッジデバイス上にAIを実装することが非常に重要であり、既にいくつかの顧客向けにはAzure IoT Edge上にImpulseを構築して実証実験に取り組み、コストメリットなどの大きな成果が得られているという。

 中澤氏は「Impulseにとってこれらの基盤はもちろんですが、Power AppsやPower BIとの連携は非常に大きな価値を生むと考えています。例えば、生産ラインの設備管理を行っている担当者には、データサイエンティストが利用する機械学習の分析画面とは異なるユーザーインタフェースが必要です。製造現場が求める結果を直感的に表示するグラフィカルなアプリケーションやダッシュボードをノーコード/ローコードで開発することができるという点は、製造ラインでの活用を考えると重要です」と語っている。

 さらに中澤氏は「Impulseの提供を開始した2014年当時と比べ、現在では製造業においてもクラウドに対する抵抗感はほとんどなくなりました。Microsoft Azureのメリットを最大限活用しImpulseに取り入れていくことで、日本の製造業の課題解決に共に取り組んでいきます」と今後の抱負について、語っている。

 「製造装置単体の異常検知」から「製造業の業務全域におけるAI活用拡大」へ。ブレインズテクノロジーが描くエンタープライズAIによる新たな世界はまだまだとどまるところを知らない。

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アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2021年5月30日