連載
» 2021年04月27日 11時00分 公開

環境負荷が高いアパレル産業だからこそ目指す持続可能性、5つの観点とはモノづくり最前線レポート(1/2 ページ)

ファッションワールド東京(2021年3月23〜25日、東京ビッグサイト)では「第1回 国際サステナブルファッションEXPO」が開催されたが、その中で日鉄物産 事業開発部 部長の木下祥一氏が登壇。「サプライチェーン全体で取り組みます!日鉄物産の『COCOROSUS』について」をテーマとし、同社が取り組むサプライチェーン全体で取り組む原材料循環の取り組みについて紹介した。

[長町基,MONOist]

 ファッションワールド東京(2021年3月23〜25日、東京ビッグサイト)では「第1回 国際サステナブルファッションEXPO」が開催されたが、その中で日鉄物産 事業開発部 部長の木下祥一氏が登壇。「サプライチェーン全体で取り組みます!日鉄物産の『COCOROSUS』について」をテーマとし、同社が取り組むサプライチェーン全体で取り組む原材料循環の取り組みについて紹介した。

環境負荷の高いアパレル産業をより持続可能な形に

 日鉄物産は、鉄鋼、機械、繊維、食糧など幅広い分野の製品を取り扱う専門商社である。繊維事業では、アパレルメーカー向けOEM(Original Equipment Manufacturer)生産を主軸とし、素材の開発から製品の企画、生産、物流までを一貫して手掛けるメーカー型商社の機能を強化している。グループ全体の従業員は7970人。2019年度の実績は、売上高2兆4800億円、経常利益332億円で、繊維事業の売上高は1300億円、経常利益24億円となっている。

photo 日鉄物産 事業開発部 部長の木下祥一氏

 繊維事業部は早い時期からサステナブル(持続可能性)を意識した取り組みを強化しており、2018年にはアパレルや靴製品を主な対象にした、国際的なサステナブル推進団体の「Sustainable Apparel Coalition(SAC)」へ加盟した。SACは環境への負荷を最小限に抑えるサプライチェーンの構築と労働環境改善を目指す米国に拠点を置く団体である。2020年で255社が加盟しており、日本からは日鉄物産を含め7社が参加している。

 このように、サステナビリティに対し取り組みを進めてきた日鉄物産が、新たなコンセプトとして訴えているのが「COCOROSUS」である。木下氏は「COCOROSUSとは日鉄物産のサステナブルへの取り組みの総称となる。サステナブルの原点は、地球にやさしい生き方や自然環境と共生する暮らしにある。そして、日本人は古来より自然と共生する知識と感性を脈々と受け継いできた。未来の子どもや持続可能性のある地球のため、技術、知識、感性により新たな社会の在り方と価値観の創出を目指す」とその意義について語った。

「Our Five Goods」で進めるサステナビリティへの取り組み

 COCOROSUSのベースには「Our Five Goods」というステートメントがある。同社では資材開発から、製品企画、生産、物流のサプライチェーンを保持するグローバル企業としてSDGs(Sustainable Development Goals)に基づき、5つのポイントでサステナビリティを確保する取り組みを進めている。

 5つのポイントは具体的には「グッドマテリアルズ」「グッドケミカル」「グッドエナジー」「グッドウォーター」「グッドヒューマン」の5つである。グッドマテリアルは、環境負荷を低減し、動物愛護の観点から、選別された正しい原材料の使用を目指すものだ。グッドケミカルでは、最低限の化学品の使用と、有害規制物質の排除を目指す。グッドエナジーについては、地球にやさしく再生可能なクリーンなエネルギーの使用、エネルギー使用そのものの削減などを目的としている。グッドウォーターでは、排水、汚水管理によりきれいでみんなが使いやすい水環境の実現と、節水を進める。グッドヒューマンは、公正で安全な労働環境の促進と維持に取り組む。「この5指標に乗っ取って、当社の掲げるCOCOROSUSを実現していく」(木下氏)方針だ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.