ザイリンクスは5G通信分野の売り上げ好調、ペン氏CEO就任以来の事業振り返り組み込み開発ニュース(2/2 ページ)

» 2021年05月17日 14時00分 公開
[池谷翼MONOist]
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ソフトウェアを含めたプラットフォームビジネスを展開

 ペン氏は就任以来、プラットフォームソリューションの展開にも注力してきた。データセンター向けのAlveo演算アクセラレータカードや、サムスン(Samsung)と開発したコンピューテショナルストレージなどを展開している。産業用途ではKria SOM(システム オン モジュール)など、ドメインごとに最適化したカード製品のラインアップ拡張に努めている。

プラットフォーム ソリューションを強化する※出典:ザイリンクス[クリックして拡大]

 ハードウェアの強化だけでなく、ソフトウェア領域でも顧客志向の開発を続けるとして、ペン氏は「新規ユーザー向けにAPIを充実させる他、ライブラリを拡充したり、開発環境自体を提供したりする必要があると考えている。プログラミング言語ではCやC++、Pythonに、標準フレームワークとしてTensorFlow、PyTorch、Caffeに対応する」と説明した。

ソフトウェア領域の対応も強化している※出典:ザイリンクス[クリックして拡大]

 また、ペン氏は競合他社に対するザイリンクス独自の強みとして、「アダプティブコンピューティング技術によって、AIアプリケーションに合わせたハードウェアの高速化が果たせる点だ」と語った。こうした技術力を表すのがザイリンクスのAIエンジンを搭載したVersalと非搭載のUltraScale+による比較実験で、GoogleNetによる画像分類実験を行った場合、Versalでは20倍の速度で処理ができたという。

AIエンジン※出典:ザイリンクス[クリックして拡大]

 ペン氏はCEO就任以降の事業展開の総括と今後の展望について「2018年以降、成長戦略を大きく進めることができた。コア市場に当たる5G、自動車、ISM、A&Dでは、多くの製品を提供している。アダプティブコンピューティングを加速するための施策を打つとともに、製品のエコシステムを整備することで、既存の顧客にはさらなる付加価値を提供しつつ、新規顧客も呼び込める戦略を実現していく」と語った。

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