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» 2021年05月27日 06時00分 公開

デンソーが人工光合成システムを開発中、回収した炭素はカーボンナノチューブに製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

デンソーは2021年5月26日、オンラインで事業戦略説明会を開き、2035年のカーボンニュートラル達成に向けたロードマップを発表した。

[齊藤由希,MONOist]

 デンソーは2021年5月26日、オンラインで事業戦略説明会を開き、2035年のカーボンニュートラル達成に向けたロードマップを発表した。工場のCO2排出ゼロ、自動車や空のモビリティの電動化とモビリティ運行の最適管理によるエネルギー削減、CO2回収の3つの柱で取り組む。

 工場から排出するCO2は、現在190万トンで、2012年からは40%削減。今後、2025年までにクレジットを利用して排出ゼロにし、2035年には200カ所の工場においてクレジットなしでCO2排出ゼロ達成を目指す。

工場のCO2排出削減に向けたロードマップ(クリックして拡大) 出典:デンソー

 まずは省エネの徹底と再生可能エネルギーによる電力の活用に取り組む。自社での再生可能エネルギーによる発電も導入する。2035年に向けて、材料や工法、設備まで抜本的な改革を行う。分子結合を利用した新工法の採用や、工場IoTの本格活用による生産ロスや無駄の削減、省エネ設備の開発も進める。

 カーボンニュートラルを先行して達成するのはデンソーの安城製作所だ。2021年度中に電力とガスの両方でカーボンニュートラルを達成する。また、欧州6拠点やフィリピンでも電力のカーボンニュートラル化に向けた準備を進めている。こうした取り組みはデンソー社内にとどまらず、サプライチェーン全体に広げていきたい考えだ。

工場のカーボンニュートラルに向けて多角的な取り組みを展開する(クリックして拡大) 出典:デンソー

 モビリティの電動化では、2025年に売り上げを現状からほぼ倍増の1兆円に引き上げる。電動駆動システムやサーマルシステム、エネルギーマネジメントなどさまざまな電動パワートレインに共通する製品の他、水素エンジン向けインジェクターのような新技術や、空のモビリティの電動推進システムにも取り組む。

 デンソーは2019年からハネウェルと電動航空機用推進システムの共同開発で協業しており、このほど共同事業を開始した。共同事業ではエアタクシーや貨物機など都市型のエアモビリティを対象に、推進システムの開発と設計、生産、販売、アフターサービスを手掛ける。2022年には試験飛行を行う。

 電動航空機用の推進システムは、自動車以上に軽量化が重視される。高出力のモーターやSiCパワー半導体を使った高効率で高駆動周波数のインバーターを開発する。その中で自動車技術を応用するだけでなく、エアモビリティで得た知見を自動車にも取り入れていく。

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