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» 2021年06月04日 08時00分 公開

三菱電機が新中計、5つの重点成長事業で2025年度に売上高5兆円と営利10%目指す製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

三菱電機が2021〜2025年度の中期経営計画について説明。2025年度目標として、売上高5兆円、営業利益率10%、ROE10%、5年間累計のキャッシュジェネレーション3.4兆円を掲げるとともに、重点成長事業に定めた、FA制御システム、空調冷熱システム、ビルシステム、電動化/ADAS、パワーデバイスの5事業に資源投入を重点配分する方針を打ち出した。

[朴尚洙,MONOist]
三菱電機の杉山武史氏 三菱電機の杉山武史氏 出典:三菱電機

 三菱電機は2021年6月3日、オンラインで経営説明会を開き、2021〜2025年度の中期経営計画について説明した。2025年度目標として、売上高5兆円、営業利益率10%、ROE(株主資本利益率)10%、5年間累計のキャッシュジェネレーション3.4兆円を掲げるとともに、重点成長事業に定めた、FA制御システム、空調冷熱システム、ビルシステム、電動化/ADAS、パワーデバイスの5事業に資源投入を重点配分する方針を打ち出した。

 同社 執行役社長の杉山武史氏は会見の冒頭で「当社は2021年2月1日に創立100周年を迎え、次の100年に向けて経営方針に全ての活動に通じたサステナビリティの実現への貢献を加えた。また、近年発生した一連の労務問題や不正アクセスによる情報漏えい、品質不適切行為などについても厳粛に受け止めて深く反省し、再発防止も含めた諸課題にグループを挙げて取り組んでいく。次の100年も必要とされる三菱電機であり続けるように努めていきたい」と語る。

 また、創立100周年を機に企業理念体系を改定した。企業理念を「私たち三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します。」に変更し、これまでの「7つの行動指針」を基にした「私たちの価値観」を定め、コーポレートステートメントの「Changes for the Better」をコミットメントに改めた。特に「私たちの価値観」では、「7つの行動指針」になかった「人」の項目が加わり、労務問題で指摘された課題に対応すべく「改めて人を大切にする姿勢をより明確にした」(杉山氏)という。

創立100周年を契機に企業理念体系も改定 創立100周年を契機に企業理念体系も改定。「私たちの価値観」に「人」の項目を加えた(クリックで拡大) 出典:三菱電機

事業ポートフォリオを4つに分類、宇宙システムが価値再獲得事業に

 新中計では「事業ポートフォリオ戦略の強化」「統合ソリューション提供の拡大」「経営基盤の強化」に加え「脱炭素化の対応を含むサステナビリティへの取り組み」などを織り込んだ。

 まず、「事業ポートフォリオ戦略の強化」では、事業の成長性と収益性を基に、重点成長事業、レジリエント事業、育成事業・新規事業、価値再獲得事業の4象限で分類した。

事業ポートフォリオを4象限で分類した 事業ポートフォリオを4象限で分類した(クリックで拡大) 出典:三菱電機

 重点成長事業は、成長市場においてグローバルトップとなるポテンシャルを有し、社会課題解決に資するイノベーションを実現する成長ドライバーであり、集中的な成長投資で規模拡大と収益性向上を目指す。FA制御システム、空調冷熱システム、ビルシステム、電動化/ADAS、パワーデバイスの5事業が対象となる。これら5事業の累計で、2025年度売上高は2兆6000億円、営業利益率は13%、2020〜2025年度までの年平均成長率で8%を目標としている。

5つの重点成長事業で推進する取り組み 5つの重点成長事業で推進する取り組み(クリックで拡大) 出典:三菱電機

 レジリエント事業は、安定的な需要を有し、市況変動時においてもレジリエントな経営に貢献することが期待されている。社会インフラ事業のうち交通システムや社会システム、発電システム・再エネ関連など、自動車機器事業のうちEPS(電動パワーステアリング)モーター・制御製品やカーメカトロニクス、情報通信システム事業のうち防衛システムなどが対象となる。2025年度売上高は1兆円、営業利益率は9%を目標としている。

 育成事業・新規事業は、データ連携・活用型ソリューション事業の拡大や、既存事業の事業モデル変革、次世代事業の創出によって生み出されるもので、次期中計以降に重点成長事業となることが期待される事業だ。

 価値再獲得事業は「開発や製造の価値が、現時点において市場や顧客に十分に認められていない事業」(杉山氏)である。顧客に価値が認められるように事業モデル転換を図りながらレジリエント事業への移行を目指すものの、一定期間を経て収益性の改善か見られない場合は課題事業に位置付けて売却や撤退を検討する。売却や撤退で生まれたリソースは重点成長事業に投入し収益向上につなげたい考えだ。現時点で価値再獲得事業になっているのは、受配電システム、配電制御機器、宇宙システム、高周波・光デバイス、住宅設備などだ。

 特に宇宙システムは、前中計で8つの成長けん引事業の1つに指定されていたものの、民間の小型衛星との競争で人工衛星事業の収益性が悪化するなどしており価値再獲得事業に指定された。杉山氏は「人工衛星は受注から納品まで3〜5年かかることもあり今回の中計期間で課題事業になるか否かの結論は出ないが、収益性が低いという状態をずっと抱えるわけにはいかない。大型の電波望遠鏡も。数年に1回しか受注がない中でどのように技術を維持するのかなど課題が多い。これまで宇宙システムは“やるべき事業”と捉えられてきたが、あらためてさまざまな面から検討すべきと考えた」と説明する。

三菱電機の事業セグメントと新中計のポートフォリオ戦略の相関図 三菱電機の事業セグメントと新中計のポートフォリオ戦略の相関図(クリックで拡大) 出典:三菱電機
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