次世代HDD記録技術「HAMR」の開発で協業、5GやDXによるデータ増に対応へ組み込み開発ニュース

昭和電工は、Seagateとの間で、HDDの次世代記録技術「HAMR」対応HDメディアの共同開発契約を締結した。今後、増大が予想されるデータセンター向けHDDの高容量化に貢献する。

» 2021年06月17日 08時00分 公開
[MONOist]

 昭和電工は2021年6月10日、Seagate Singapore International Headquarters(Seagate)と、HDDの次世代記録技術「HAMR(熱アシスト磁気記録)」対応HDメディアの共同開発契約を締結したと発表した。

 HAMRは、データの記録時に、磁性膜を局所的に加熱して記録を助ける技術だ。従来の磁気記録方法を用いたHDメディアの記録密度が1インチ当たり約1.14Tビットであるのに対し、HAMRは将来的に1インチ当たり5T〜6Tビットとなり、3.5インチHDD1台当たり70T〜80TB程度の記録容量が想定される。

 昭和電工は、HAMR対応HDDの製品化に向けて、強力な磁性材料で耐食性にも優れたFePt(鉄白金)新磁性体を開発。これまで困難とされていたFePt合金の超高温規則化温度と、量産可能なメディア製造技術にめどがついたとしている。

 昭和電工とSeagateは今後、昭和電工のFePt新磁性体と両社が共同開発する同磁性体を評価し、HAMR対応HDD関連技術の開発を進める。これにより、5GサービスやIoT(モノのインターネット)、DX(デジタルトランスフォーメーション)の普及に伴って今後増大が予想される、データセンター向けHDDの高容量化に貢献する。

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