相手に合わせた資料構成とモジュール化技術者のための資料作成とプレゼン講座(1)(3/3 ページ)

» 2021年07月07日 10時00分 公開
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資料作成のウォーミングアップ

 高所からカードを眺めていると、視界の中でカードが動き始めます。まとめるべきカード、分離した方がいいカード、似たカードを何枚か集めてそこに「タイトル」を付けます。タイトルも1枚のカードとして用意します。まさに、“スライド版KJ法”そのものです。そのタイトルがスライドの中のサブタイトルになります(図4)。

スライドのKJ法、グループ化 図4 スライドのKJ法、グループ化 [クリックで拡大]

 1枚のスライドに書き込む内容の「密度」、つまりスライドの「情報粒度」も何となくまとまってきます。このまとまりがモジュール化の基本となります。

 ここまでくれば、かなりアタマの中がまとまってきているはずです。カードのカタマリごとに番号を振ります。1つ目のカタマリには1−1、1−2、1−3……、2つ目のカタマリには2−1、2−2、2−3……といった具合です。ちなみに、筆者は番号を書き込む際、「シャープペンシル」の0.7〜0.9mmのBを使っています。後から順番を変更する可能性があるので消せるようにしています(あまりこだわらず、サインペンで番号を書き込んでも構いません)。

 以上の作業で、資料の構成の屋台骨が出来上がったと思います。

 筆者の場合、この「紙の束」を繰って順番を入れ替えたり、カードを追加/削除したりして、資料のイメージと構成を固めていきます。 (次回に続く

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Profile

栗崎 彰(くりさき あきら)

1958年生まれ。サイバネットシステム株式会社 シニア・スペシャリスト。1983年より37年間、構造解析に従事。I-DEASの開発元である旧 SDRC 日本支社、CATIAの開発元であるダッソー・システムズを経て現在に至る。多くの企業で3D CADによる設計プロセス改革コンサルティングや、設計者解析の導入支援を行う。特に設計者のための講座「解析工房」が人気。解析における最適なメッシュ・サイズを決定するための「OK法」を共同研究で模索中。


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