AIによる加工制御と構造最適化で性能を強化した形彫放電加工機の新中型機種FAニュース

三菱電機は、形彫放電加工機の新中型機種「SG28」を発表した。AIによる加工制御や機械構造の最適化で加工性能が向上しており、独自の数値制御装置が段取りから加工まで効率的な操作をサポートする。

» 2021年07月07日 07時00分 公開
[MONOist]

 三菱電機は2021年7月1日、AI(人工知能)による加工制御や機械構造の最適化で加工性能を高めた形彫放電加工機の新機種「SG28」を発売した。価格は2390万円(税込)。年間100台の販売を目指す。

キャプション 形彫放電加工機「SG28」(クリックで拡大) 出典:三菱電機

 新しい中型機種のSG28は、同社のAI技術「Maisart(マイサート)」を搭載しており、加工状態に合わせて最適なリアルタイム制御ができる。また、ヘッド部の鋳物形状や剛性の改良など機械構造を最適化することで、安定した高速加工が可能になり、さまざまなアプリケーションに対応する。

 従来機「EA28VM ADVANCE」との比較で、電極とテーブル間の最小面間距離を約150mm縮小し、Z軸の移動距離を50mm伸ばして、対応可能なワークの種類を拡大。また、低浮遊容量電源が加工開始時に突発的に発生する異常放電を抑制し、加工面質を向上する。加工後のミガキ作業を従来機比で30%削減した。

 標準搭載の数値制御装置「D-CUBES(ディーキューブ)」は、19インチのスクリーンで段取りから加工まで効率的な操作をサポートする。D-CUBESの新インタフェースは座標数値からワーク寸法を計算できるため、従来は手作業でやっていた確認や計算が不要となる。さらに、「加工槽高さ自動調整機能」により、ワークごとの加工液面の高さ設定も不要だ。

 機械寸法は2620×2600×2745mm、軸移動量はX軸650×Y軸450×Z軸400mm。自動昇降式の加工槽は内寸が1100×810×450mmとなっている。

 オプションで、IoT(モノのインターネット)を活用した独自のリモートサービス「iQ Care Remote4U」や、クラウド環境の構築を支援する「iQ Care Remote4U Edgecross版(イントラネット版)」、通信プロトコル「MT Connect」にも対応する。

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