中国で2工場を新設、工作機械やEV用リチウムイオン電池向け需要が好調で工場ニュース

THKは2021年7月13日、中国国内における旺盛な需要を受け、中国の連結子会社であるTHK(常州)精工、THK(遼寧)精密工業の2工場の敷地内に新棟を増築し、生産能力を増強することを発表した。

» 2021年07月14日 06時30分 公開
[MONOist]

 THKは2021年7月13日、中国国内における旺盛な需要を受け、中国の連結子会社であるTHK(常州)精工、THK(遼寧)精密工業の2工場の敷地内に新棟を増築し、生産能力を増強することを発表した。

 THKではグローバルでの需要伸長に合わせ、2018年に増築によりベトナムのTHK MANUFACTURING OF VIETNAMでのLMガイドの生産を開始した他、2021年秋にはインドでTHK Indiaの新工場が稼働予定とするなど、生産能力増強を推進している。既存の工場における自動化やロボット化の推進による生産性向上にも取り組んでいるが、2020年後半から中国における需要が顕著に拡大していることから、中長期的な視点から中国市場向けでさらなる生産能力を増強すべく2工場の敷地内に新棟を増築することを決めた。

 中国の江蘇省常州市に拠点を置くTHK(常州)精工では、アクチュエータやユニット製品の製造を行っている。その他、中国域内工場への生産設備の製造、提供により、生産性向上の最大化を図る役割を担う。新たに建設する新棟部分は延べ床面積が1万4296m2で、総工費は約8000万人民元(約14億円)となる。2022年3月の完成を予定している。

 一方、遼寧省大連市に拠点を置くTHK(遼寧)精密工業では、LMガイドをはじめとする直動製品の製造を増強し、主力製品の生産能力を拡大することで長期的な安定供給体制を整える。新棟部分の延べ床面積は2万4571m2で、総工費は約1億5000万人民元(約26億円)となる。2023年1月に完成予定としている。

photophoto (左)THK(常州)精工の新棟完成予想図。正面右が新棟、(右)THK(遼寧)精密工業の新棟完成予想図。正面右奥から真ん中部分が新棟(クリックで拡大)出典:THK

 中国では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響からいち早く回復し、生産活動が正常化したことなどもあり、受注の好調が続いているという。その中でも工作機械、一般機械、エレクトロニクス関連をはじめ、ここ最近ではEV向けリチウムイオン二次電池に関連する設備投資の意欲が高まっている。これらの状況を受け、THKでは今後も中国国内の需要地における製販一体体制の構築を積極的に進めていく方針。さらに、引き続きグローバルでの生産拠点の拡大を機動的に実施するとともに工場の自動化、ロボット化を強化し、生産能力の増強を進めていく。

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