ISO26262のASIL D認証を取得、RISC-V Vector Extension実装プロセッサで車載ソフトウェア

エヌエスアイテクスが開発するDFP「DR1000C」が、「ISO 26262 ASIL D Ready」認証を取得した。同社によると、同認証を受けたRISC-V Vector Extension実装プロセッサは、DR1000Cが世界初だという。

» 2021年07月27日 11時00分 公開
[MONOist]

 エヌエスアイテクスは2021年7月13日、同社が開発するDFP(Data Flow Processor)「DR1000C」が、SGS-TUVの「ISO 26262 ASIL D Ready」認証を取得したと発表した。同社によると、同認証を受けたRISC-V Vector Extension実装プロセッサは、DR1000Cが世界初だという。

 DR1000Cは、セーフティクリティカルシステム向けの車両制御マイクロコントローラーでのモデル予測制御やAI(人工知能)推論、センサー処理といった高負荷演算処理をオフロードするのに適した並列プロセッサIPだ。最大16個のハードウェアスレッドにより、ベクトルプロセッサを効率的に使用できる。

 メモリの誤り訂正コード(ECC)やプロセッサ部のデュアルコアロックステップ機構など、ハードウェアのランダム故障を検出する機能を統合しており、外部の安全機構なしでASIL Dの安全要求を満たせる。車載品質に対応すべく、ISO 9001品質マネジメントシステムにも準拠した。

 ベクトルプロセッサ部は、ロックステップ診断とソフトウェア診断を切り替えて使用できる。ロックステップ診断によりASIL D基準に適合する他、今後リリースを予定しているソフトウェア診断ライブラリと組み合わせることで、ベクトルプロセッサの演算性能を最大限に発揮しつつ、ASIL C基準に適合できる。

 同社では、同じくASIL D基準に準拠し、開発期間の短縮に寄与するソフトウェア開発キット「DR1000C-SDK」の開発を進めている。その他、ハードウェアセーフティキットの「DR1000C-HSK」では、故障モード影響診断解析(FMEDA)、セーフティマニュアル、セーフティケースレポートおよび「ISO 26262」関連のドキュメントを提供する。これにより、車両制御マイコンの機能安全解析と認証取得期間を短縮する。

キャプション 「DR1000C」ブロック図 出典:エヌエスアイテクス

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