3Dプリンタでのリアルなフルカラー・複数材料造形がより身近に、もっと使いやすく最新3Dプリンタ事情

“妥協のないデザイン検討が可能”とうたわれる製品デザイン検証用3Dプリンタ。しかし、現実にはその仕上がりに物足りなさを感じたり、うまく使いこなせなかったりといった課題に直面し、期待外れに終わってしまったというケースも珍しくない。そのような経験を持つ現場や今まさに導入を検討している企業にあらためて紹介したいのが、ストラタシスのPolyJet方式3Dプリンタ「Jシリーズ」だ。きっと、3Dプリンタに対する認識そのものが変わるに違いない。

» 2021年07月26日 10時00分 公開
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 アイデアを形にするために、あるいは製品デザインのCMF(Color:色/Material:材料/Finishing:仕上げ)といった細部を検討するために、モックアップやプロトタイプの製作を専門業者に依頼するケースは珍しくない。しかし、市場ニーズが多様化し、製品開発スピードが求められる現在、これまでのやり方では限界が生じつつある。モックアップを手にするまでに数週間を要し、都度コストが発生するため多くのバリエーションを作って試すことが難しく、限られた時間の中、どこかで妥協せざるを得なくなっているのが実情だろう。

 こうした状況を打破する存在として、近年、3Dプリンタが注目されるようになり、導入する企業も増えてきた。しかし、導入した3Dプリンタの機種や造形方式によっては、単一材料しか使えなかったり、色や質感の再現性や仕上がりなどに物足りなさを感じたり、そもそも取り扱いが難しく気軽に使えなかったりといった課題に直面し、「思うように活用できていない」といった声も聞かれる。もしかすると「3Dプリンタは期待外れだった」と思われている方もいるかもしれない。

 このような課題や従来の不満を一気に解決してくれるのが、ストラタシス・ジャパンの3Dプリンタ「Jシリーズ」だ。ストラタシスは、2018年に初めてのフルカラー3Dプリンタを発売して以来、機能、性能、使い勝手、また材料のバリエーションや品質を向上させてきた。ストラタシス独自の造形方式「PolyJet」テクノロジーによって、これまでの3Dプリンタにありがちな物足りなさが解消できる上に、非常に幅広い質感を再現でき、かつデザイナーのデスクサイドに設置できる機種も取りそろえ、身近な道具としての使いやすさも兼ね備えている。本稿を一読いただければ、きっと今日から、3Dプリンタに対する認識が変わるはずだ。

ストラタシスのPolyJet方式3Dプリンタ「Jシリーズ」 ※提供:ストラタシス・ジャパン ストラタシスのPolyJet方式3Dプリンタ「Jシリーズ」 ※提供:ストラタシス・ジャパン [クリックで拡大]

色や質感など、高い表現力を組み合わせたハイレベルな造形が可能

 PolyJetとは、液体の光硬化樹脂を吹き付けて、瞬時にUV(紫外線)ランプで硬化させるというプロセスを繰り返し、目的の形状を造形していく技術のことで、PolyJet方式を採用するJシリーズは、他の造形方式の3Dプリンタにはない優れた特徴を備える。

 まず、特筆すべきは再現性の高さだ。非常に高精細で、肉眼では積層ピッチが見分けられないほど滑らかな表面に仕上がる。フルカラー対応の機種であればPANTONE対応を含め、ほぼ無限ともいえる50万色以上の色を再現できる。質感については、複数の材料を組み合わせる「デジタルマテリアル」によって、硬質、不透明、透明、あるいはゴムライクまで再現可能。このデジタルマテリアルは、ストラタシスのPolyJetにしかできない技術だ。Jシリーズであれば、色や質感を高いレベルで再現できるため、デザインイメージ通りのまるで本物であるかのような外観、手触りの造形物を手軽に出力できる。

 例えば、完全に不透明な素材ならば、デザインを検討する上で重要となる正確な発色やコントラスト、グラフィックスをシャープに表現できる。また、ゴムライクな材料は硬さを変えることも可能で、パッキンの機能評価などにも役立つ。透明な材料は、文字通り透明なのでガラスをシミュレーションすることも可能だ。こういった高い表現力を組み合わせることで、ガラスのコップや瓶だけでなく、その中身の液体も一緒に造形することで、中身が入った状態の最終製品イメージを検証するといった利用もできる。一方、低ランニングコストの材料も用意されており、形状確認などを目的とした初期のモックアップの造形にも使いやすい。

高い再現性を誇る「Jシリーズ」による造形サンプル ※提供:ストラタシス・ジャパン 高い再現性を誇る「Jシリーズ」による造形サンプル ※提供:ストラタシス・ジャパン [クリックで拡大]

 また、複数の造形物を一度に作成できるのもありがたい。例えば、少しずつ形状の違うもの、あるいはカラーリングやテクスチャーの異なるものを作って、容易に比較検討できる。複数の部品をまとめて作れば、はめ合いなどの確認も短時間で行える。

 Jシリーズは扱いが楽なのも大きな特徴だ。使用する材料はカートリッジ式で、メンテナンスも簡単。このカートリッジの種類を変えることで、質感や色などを自在に組み合わせて表現できるわけだ。

設計者やデザイナーの創造性を最大限発揮できる

 加えて、Jシリーズは専用ソフトウェア「GrabCAD Print」により、3D CADデータを変換することなく、そのまま取り込んで造形できる。一般的には3D CADで設計したモデルをSTL形式に書き出す必要があるが、Jシリーズでは3D CADのネイティブデータをそのままGrabCAD Printに渡せるため、ストレスフリーで作業を進められる。さらに、GrabCAD Printはレンダリングソフトウェア「KeyShot 10」で書き出した3MF形式のデータも取り込めるため、デザインからレンダリング、造形までを一続きでスムーズに行うことができる。

 こうした環境によって、専門業者に依頼することなく、設計者やデザイナーが自らの手でモックアップやプロトタイプを製作できるようになる。この時間的メリットやコスト削減効果は計り知れない。それも前述した通り、一度に複数のバリエーションを造形することができ、検証後のデザイン調整も非常に手軽に行える。つまり、妥協することなく、設計者やデザイナーが創造性を最大限に発揮できるというわけだ。

 「Jシリーズを活用すれば、従来の試作よりも早い段階から形を作ったり、試作の回数やパターンを増やしたりできます。デザイン検討のための時間を多く得られますし、データを社外に出す必要もありません。とても有意義にお使いいただけると思います」(ストラタシス・ジャパン セールスアプリケーションエンジニアの木村佳央氏)

デスクサイドに設置可能なフルカラー対応機種「J55 Prime」

 現在主力のJシリーズは、ミドルクラスの「J35 Pro」「J55 Prime」、ハイクラスのJ8シリーズ「J826 Prime」「J850 Pro」「J850 Prime」の5機種。いずれも前述したPolyJet方式を採用し、複数材料を組み合わせたマルチマテリアル出力に対応する。PrimeとProの違いについては、Primeはフルカラー出力に対応、Proはグレースケールでの出力に特化した機種となり、用途に応じて選択できる。これまでプロトタイプの内製化ができなかった、また従来の3Dプリンタに不満を感じていた方に、ぜひ知っていただきたいラインアップだ。

 まずはミドルクラス、フルカラー対応のJ55 Primeから紹介しよう。

PolyJet方式3Dプリンタ「J55 Prime」※提供:ストラタシス・ジャパン PolyJet方式3Dプリンタ「J55 Prime」※提供:ストラタシス・ジャパン [クリックで拡大]

 J55 Primeは、造形エリアが円形の回転式プリントプラットフォーム(1174cm2)を備え、最大造形サイズは140×200×190mm。このエリア上で複数のモデルを同時に造形できる。材料は、鮮やかなカラー材料から、触感の良い柔らかい表面を提供する弾性材料、丈夫な機能材料、裏写りのない不透明な材料、透明な材料、また米国の認証を受けた長期間の皮膚接触が可能な材料など、さまざまなものが使用できる。一度に5種類の材料カートリッジを装填(そうてん)でき、それらの組み合わせによって、幅広い質感、テクスチャーを出力できる。

 材料がカートリッジ式で、扱いが容易であることはお伝えした通りだが、材料を硬化させるUVランプの光源にLEDを採用し、1万時間という長寿命も実現している。また、面倒なキャリブレーションなども不要で、メンテナンス性という意味でも非常に優れている。コンパクトなサイズ感で、家庭用冷蔵庫並みの超静音、かつ空気清浄システム(オプション)を設置すれば匂いもない。まさに複合機のようなイメージでオフィスに置き、日常的なツールとして使用できる。

 J55 Primeは、特にプロダクトデザインなど、鮮やかなフルカラーで、リアルな造形を必要としている人にオススメ。出来上がったばかりの複数のデザインパターンを、明日の朝には実際に手に取って、色も形も感触も検討できる世界がやってくるのだ。

グレースケール対応のお手軽モデルから最上位モデルまでラインアップ

 同じミドルクラスに相当するJ35 Proは、回転式プリントプラットフォーム、質感やテクスチャーの再現能力など、機能、性能はJ55 Primeと同等で、色表現のみグレースケールに特化したデスクトップ型の最新機種だ。最大造形サイズは140×200×155mmで、一度に3種類の材料を装填できる。

PolyJet方式3Dプリンタ「J35 Pro」※提供:ストラタシス・ジャパン PolyJet方式3Dプリンタ「J35 Pro」※提供:ストラタシス・ジャパン [クリックで拡大]

 J35 Proは、構造や形状、使用感、はめ合いの確認など、「エンジニアリングにフォーカスしたいので、むしろ色はない方がいい」という現場に最適な機種といえる。もちろん、硬質、軟質、透明、不透明、ゴムライクといった質感は忠実に再現できる。例えば、カメラに装着するレンズのように複数かつそれぞれ異なる材質の部品で構成されたものでも、一度の造形、最小限の待ち時間で、製品全体を検証することが可能だ。

カメラレンズへの適用イメージ ※提供:ストラタシス・ジャパン カメラレンズへの適用イメージ ※提供:ストラタシス・ジャパン [クリックで拡大]

 一方、よりハイレベルな造形、より大きな造形エリアがほしいという現場には、最も先進的な機種であるJ850 Prime/Proが一押しだ。同時に7種類の材料を装填でき、より効率良く、リアルな造形が行える。最大造形サイズは490×390×200mmで、本体の横にカートリッジを装填する材料キャビネットを置いて使用する。こちらも前述の通り、J850 Primeがフルカラー対応、J850 Proがグレースケール特化である。J55 PrimeやJ35 Proがオフィスでの使用に適しているのに対し、J850 Prime/Proは専用スペースに設置して使用するイメージだ。

PolyJet方式3Dプリンタ「J850 Prime/Pro」 ※提供:ストラタシス・ジャパン PolyJet方式3Dプリンタ「J850 Prime/Pro」 ※提供:ストラタシス・ジャパン [クリックで拡大]

 なお、J850 Primeの高い機能性を継承しつつ、比較的コンパクトなフルカラー対応機種がJ826 Primeで、最大造形サイズは255×252×200mm。こちらも本体と材料キャビネットを設置して使用する。

Jシリーズがもたらすデザインプロセス変革

 ここまで紹介したように、ストラタシスのJシリーズは、PolyJet方式によって高い再現性を実現する。また、ファイル変換不要で、複数のモデルを一度に造形でき、デザインから造形までのプロセスを最短で実現できる点もポイントだ。ストラタシスが提唱する「デザイン・リアリズム」、すなわち「デザイナーのアイデアをそのままカタチに」というコンセプトを、まさに体現しているのがJシリーズといえる。

 ストラタシス・ジャパン デザイン&ヘルスケアソリューション マネージャーの川口真弘氏は「Jシリーズの最大の強みは、設計者やデザイナーが使いたいときにすぐに試して、素早く手元にリアルな造形物を手にすることができるという点です。幅広い用途に対応したJシリーズのラインアップから、目的にマッチしたものをお選びいただき、モノづくりの現場でフル活用していただければと思います」と話す。

 Jシリーズは、既にさまざまな企業が導入しており、その恩恵を享受している。例えば、フォルクスワーゲンでは自動車の内装デザインの検討を目的にJ850 Primeを導入。布から皮革、木材、またガラスまで、さまざまなテクスチャーを施したパーツを造形し、デザイン検討の効率化とコスト削減に役立てている。

 また、米国の産業用デザインコンサルティング会社であるPriority Designsでは、これまで製品プロトタイプを作成するのに1週間以上もかかっていたが、J55 Primeの導入によって、複数のデザインバリエーションを翌朝に入手できるようになり、製作期間と開発コストの大幅な削減を実現した。



 3Dプリンタを取り巻く技術は日々進化し続けている。今まさに導入を検討されている方、あるいは過去、3Dプリンタを導入し、あまり良い結果をもたらさなかった苦い経験をお持ちの方も、「Jシリーズができること」を知ることで、あらためて3Dプリンタがもたらす価値を再認識できたのではないだろうか。“百聞は一見に如かず”ということで、ぜひストラタシス・ジャパンのWebサイトやショールームをチェックしていただければと思う。また、同社が展開する造形サービス「DFP(Digital Factory Portal)」を活用してみるのもよいだろう。きっと、その再現性の高さに驚くはずだ。

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提供:株式会社ストラタシス・ジャパン
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2021年8月31日