デジタルツインを実現するCAEの真価
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» 2021年08月02日 13時00分 公開

オートノマスメッシング熱流体解析プログラムが「富岳」で正常動作CAEニュース

IDAJと富士通は、スーパーコンピュータ「富岳」と「PRIMEHPC FX1000」で、大規模かつ高精細な解析が高速に実行できることを実証するプロジェクトに参加した。動作検証や性能チューニングは、Convergent Scienceの「CONVERGE」で実施した。

[MONOist]

 IDAJは2021年7月15日、富士通と協働し、スーパーコンピュータ「富岳」と富岳の技術を活用した「PRIMEHPC FX1000」で、大規模かつ高精細な解析が高速に実行できることを実証するプロジェクトに参加したと発表した。動作検証や性能チューニングは、Convergent Scienceが開発したオートノマスメッシング熱流体解析プログラム「CONVERGE」で実施した。

 CONVERGEは、メッシュ生成をプロセスから排除するCFDソフトウェア。ポーティング検証と並列性能検証、大規模燃焼計算は、富岳の計算資源の提供を受け実施した。

 ポーティング検証と並列性能検証では、x86機で計算したエンジンポート定常流解析、ガソリンエンジン燃焼解析の結果、富岳で計算した結果が一致することを確認。1コア当たり数千以上のセルが分配される条件でコア数を2倍にすると、計算が1.8倍程度高速化した。

流速コンター図による定常ポート流解析 流速コンター図による定常ポート流解析 出典:IDAJ
ガソリンエンジン燃焼解析による内部圧力の時系列の推移 ガソリンエンジン燃焼解析による内部圧力の時系列の推移 出典:IDAJ
並列コア数と計算速度の関係 並列コア数と計算速度の関係 出典:IDAJ
コア数増大に対する計算速度向上率 コア数増大に対する計算速度向上率 出典:IDAJ

 大規模燃焼計算では、富岳を利用して数千並列の大規模並列計算を実施。最大で700万メッシュ、ノード数385を使用して4620並列で計算したところ、粗い計算格子によるRANS解析では表現が難しい、しわ状化した火炎構造を示す結果を2.7時間で得られた。

 ノッキングに影響する低温酸化反応の代表的な中間生成物は、RANSでは壁面付近のみに偏在するが、乱流モデルLESではエンジン筒内より広範囲に分布。さまざまな領域で反応が進行していることが確認できた。

 さらに、富士通の「FX1000」で大規模燃料噴射計算を実施。噴霧周囲に形成される大小の渦構造をとらえ、非軸対称の噴霧形状が得られた。また、回転力考慮、Inlaidメッシュ、流体構造連成解析、シーリング、流体固体熱連成解析、混相流解析、尿素SCRの物理モデルが正常に動作することを検証した。

 今回のプロジェクトでは、CONVERGEが富岳で正常に動作することを確認し、今後、製造業各社で富岳のリソースの有効活用ができることを確認した。2021年中にリリース予定のCONVERGEの最新版ではARM版ソルバーの提供を開始し、富岳と富岳相当の計算機環境を利用するユーザーへの一般提供を開始する。

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